プロミシング・ヤング・ウーマンのレビュー・感想・評価
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毒を以て毒を制すとはまさにこのこと
公開まで全然チェックできてなくて、Twitter上の評判に期待して観に行った映画。期待通りの映画だった。ラストにガツンとやられた。
大切な友を汚され、失ったキャシーが復讐に身を捧げ、
友を汚した者たちへと近づいていく様はおどろおどろしい。
表面上は激しい怒りに囚われていないように見えるから怖い、本当に怖い。
復讐の内容も精神抉ってくる感じがまさに「目には目を、歯には歯を」
復讐することだけが生きる目的のようになってしまっているキャシーを観て、
私はかわいそうだと思ってしまったけど、
キャシーに言わせれば「大きなお世話、あんたの知ったことじゃない」と。
起承転結が上手い時間配分で流れていって、息を呑む結末にガツンとやられた。
エンドロールの間、なんとも表現しがたい粘着質でグルグルととぐろ巻くような感覚になっていた。
たぶんこの結末は観る人によってだいぶ感じ方が変わってくると思う。
それまでの人生やそれによって築き上げられた価値観などで全く異なった感想になるはず。
それがこの映画が話題になっている理由の1つなのではないかな。
脚本秀逸!迷っている方は見て損なし。
ポスターはB級ホラーみたいで「サイコ美女がバカ男共を次々と惨殺するんだろうな〜」と言うノリで観たら、良い意味で期待を裏切られまくり。久々の拾い物、予備知識ゼロで観て大正解の秀作です。
決してハッピーエンドではないけれど、主人公・キャシーのやり遂げた感は爽快。これ以上はないという形で復讐を完遂させます。
終盤近くである人物を許したのが腑に落ちなかったけれど、あえて使える駒として残して置いたんですね。
一見イノセントな彼氏もやっぱりクズ男だったのはかなり残念ですが、あそこで一気にキャシーに感情移入できます。中盤のバカップルぶりから、嫌な予感はしていたのですが。「何もしなかった」事の罪深さに気づかない男。他の方も書かれていましたが、30年も経つのに「告発の行方」の頃と何も変わっていない。怒りより物悲しい思いが湧き上がって来ます。
メンズデーという事で男性の一人客もたくさん居ましたが、どんな感想を持たれたのか訊いてみたい。
事件の関係者達の身勝手さが暴かれれば暴かれるほど、キャシーのニーナへの純粋な愛が浮き彫りになってきて、ペンダントのアップには胸が締め付けられました。しかし、そんなセンチメンタルな気分を吹き飛ばすエンディングには脱帽‼︎「何でⅣじゃないの?」と思っていた自分の鈍さに苦笑いです。
キャシーの両親は、どこか「時計仕掛けのオレンジ」のアレックスの両親を思わせる。父親は幾分マシですが、母親の態度やインテリアの趣味などは圧迫感が凄くて、正直作中で一番怖く気持ち悪かった。これも、ニーナだけがキャシーの心の拠り所だったことを示す描写なんだろか。
とにかく脚本が秀逸。後で知ったのですが、アカデミー脚本賞受賞も納得です。迷っている方はぜひご鑑賞を!
こんなに面白いと思うことに罪悪感を覚えたことはない
年率4.5~17.8%
この不思議な感覚、快感でもなく、嫌悪でもなく...
彼女はなぜ、医学生という輝かしい大学時代を中退してあきらめ、バイトをしながら暮らし、夜な夜な酒場でへべれけに酔ったふりをして彼女の体を求めて寄ってくる男たちを懲らしめているのか?
この映画の主題はすべてここにある。そして俺たちは、その主題を追体験していく。
「有望な若い女性」なんという皮肉なタイトルか。「有望な若い男性」に対して彼女たちはいかに細い糸の上を渡らせられているのか。医学生という成功間違いないルートの上に乗ったかと思える境遇であっても、容易に陥るこんな落とし穴。非がなくても追い込まれる男女差、そして資本差。どんなところにもある性差別。
静かな厭世的な日常と劇的な夜の世界のリフレイン、そして意外なエンディングまで、観ていてなんだか不思議な気持ちになることかけあいなので、是非あなたも本作にダイブしてみてください。
おまけ
途中から章立てになり、「Ⅲ」と表示される。あれ、いつから章立てになったんだろうと思っていると、次は「IIII」に。「IV」じゃないんだ、と思っていると、最終章は「IIII」に横線。最初の手帳に記録していたシーンを思い出して、「最後の仕事が終わった」という意味だったんだ、と腑に落ちる、という仕組みは面白かったです。
エンタメにする必要があるか?
パーフェクトじゃないアンバランスさが魅力
「酔っていたから」「ガキだったから」
とかの言い訳、反吐がでるわ。
「傍観者」という逃げ道は、現実世界でも卑怯者の常套句。
こんな輩は、成敗してくれる!という気持ちは、痛いほど解るのですが…。
キャシーの正義への執着と制裁の仕方、怖さと滑稽さが入り交じっていて、
監督のコメントに
「ふと笑ってから、笑うところじゃなかった気がして笑いを引っ込める」
まさにそうで、
「あっ、笑っちゃった…」って、周りを伺う部分が多々ありました。
そんなパーフェクトじゃない彼女のアンバランスさが、とても魅力なのです。
決して、女の代表とかでもないし、
ニーナとの前途有望な未来を奪われたことが、大きな闇となって彼女を包んでしまった感。
キャシーは、ニーナにちょい依存気味だったのかな…。
しかし、この復讐劇のラストは称賛すべきなのか?!
この犠牲があっての復讐の幕に、何とも言えないモヤモヤが残りました。
彼女が描く最終的なハッピーエンドは、どんなだったんだろうなぁ…。
そこはそれとして、
映画としての題材、脚本、衣装、音楽、ポップさとダークさ、全てがセンス良く、記憶に残る作品でした。
「ゾッ」とするくらい面白かった
チラシにも書いてある通り、痛快復讐エンターテインメントでした。
正直、主役を演じたキャリー・マリガンの年齢設定には無理があるかなと思いましたが、序盤からの無敵さは充分楽しめました。
まるで”ハーレイ・クイン”のようなルックでの登場シーンは、制作陣にマーゴットロビーがいるのを考えるとうなずけます。
男たちを騙しながら誘い、打ちのめす展開に共感できないという感想もあるようですが、それだけ「やり場のない怒り」があるということだと思います。
僕は共感できました。
制作陣の多くを女性で固めながら、社会派的表現ではなく、エンタメ的表で”この”テーマを描き切ることの意味は大きいと感じました。
アカデミー賞の脚本賞を受賞とのことで影響を受けているかもしれませんが、本当に最後の最後まで良くできた作品です。
この二人が浮かばれる世界になってほしい
こういうこという人(男)、そういえばたくさんいるな〜と現実と照らし合わせながら見ていた。
「冗談だよ」「若かった」「ちょっとからかってみただけ」そんな言い訳を並べるばかりで謝ることはしない、それからも他の女性に同じようにハラスメントを続ける、あーこういう人いるいる!!
自分が当事者として言われている時(容姿のことや、化粧のこと、服装のこと)は何も思わないでスルーが多いが、映画で主人公が言われているのを客観的に見ると、時代遅れでださい価値観の持ち主がたくさんいて、それを言われることを良しとしている(慣れてしまった、麻痺している)自分自身のことが嫌になった。
最後は、あ、そっちか、、と復讐成功?
成功が明らかになるまで、事件に関わった男性たちは一様に以前の事件のときと同じく、見て見ぬふりをして、隠して、無かったことにした。痛快!というよりは、もやもやとむかむかが残る終わりだった。
明るめに描いてる重い映画
後味の悪さが良い!
キャリー
キャシーが赤いピンヒールで向かった先には…
前途有望なキャシーと親友ニーナにおこった悲劇。
加害者は口を揃えて、若かったから、良くわからなかったから、どうする事もできなかったと言い訳を並べる。そして、加害者たちは無かった事として封印してしまう。
キャシーは、街で会う男たちに復讐をするようなサイコパス。必ず白のシャツで感情を消し狂気的でたる。しかし、昼の服は大人の女性のキャシーが少女の様なパステルカラーで小花柄やフルーツ柄の服をまとい、そして髪にはリボン。時間がニーナといた楽しかったあの少女時代で時が止まったままなのである。1人ずつ、1人ずつ追いつめていくキャシーが赤いピンヒールで向かう先は、最後の仕上げなのか…と思う色彩効果がピッタリハマる映画でした。
絶対に腑に落とさない決意
辛口であり、一筋縄では終わらせない、それ程の作家性に富んでいる作品である
男は、最後のターゲット以外は一切暴力を振るわない、その違和感自体も、感じてしまった自分に突きつけ、反撃を喰らってしまう、観客にビシビシ猛省を促すメッセージ性の塊のような内容である
そしてヒロインの死に依ってのみこの計画は成就するというアイデアも又苦々しい程のリアリティを表現している
こんな犠牲を払わなければならないこの社会は間違いなく間違っている
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