プロミシング・ヤング・ウーマンのレビュー・感想・評価
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まじめなふしだら
活動家は冷静であってほしいが、環境保全や女権拡張や反捕鯨/イルカ漁や反体制や菜食主義や動物愛護のひとたちは、概してみんな過激である。
自分と違う意見をぜったいにゆるさない。とりわけフェミニズムを標榜している著名人はあたまのおかしい人ばかりだ。と思う。(偏見です。)
たとえばそんなフェミの集団が、ジェンダーにまつわる差別や迫害や不満や疑問を、一般大衆にもわかる創作物にしたいばあい、武闘派だけだとやっぱムリである。
世間に向けてプロパガンダするなら男は全員ケモノだ!と息巻いても効果はあがらない。映画なんて特にそう。冷静で頭のいい人がつくらないと、なんにも伝わらない。
クレジットを見たら監督は女性。女優で初長編とのこと。製作にマーゴットロビーがいて主演はキャリーマリガン。布陣からもタイトルからもジェンダーっぽいものを予想した。
とりわけ明確にフェミニズムの映画というわけではない。が、女性に対する侮辱や暴力を、ひねった方法でつたえている。
救われない展開をするのだが、なぜかみょうに笑える。イギリス人らしい。そして冷静。基本的に女性が女性の難や偏頗をうったえる映画なので、男の描写によって監督の理知を測ることができる。
──つまり、日本のフェミがフェミな映画をつくったら、男を抗日映画の日本兵のようにしか描かないだろう。冷静じゃないんだから。
女性がフェミな映画をつくって、そこにでてくる男の描写が冷静ならば、それをフェアな映画と見ることができる。──という話。
本作で冷静な描写をされる男はふたり。
Emerald Fennell監督心得たもので、どちらも名バイプレイヤーを充てている。
ひとりはキックアスなどに出てくるギーク役がとくいなChristopher Mintz-Plasse。カサンドラが酔っていないことを知って、かんぜんに怖じ気づく。状況に乗じただけの与太公で、女の敵となる真の捕食者じゃない。カサンドラはかれを見逃す。なお、このシークエンスは、すごく笑えた。
もうひとりがAlfred Molina。昔からよく見るバイプレイヤー。無罪にしたことで良心の呵責にさいなまれている弁護士役。かんぜんにまっとうな男で、死後を託された。
リーワネルの透明人間(2020)は凝ったSFだったが、DVに対する警笛になっていた。いや、むしろあれは女性のDV被害を申し立てる映画をつくろうとして、透明人間になったわけ──である。
本作も初動にはレイプ犯許すまじ──があったはずだが、そこへ猟奇色や復讐劇やなんとなく安っぽいスリラーの風合いを肉付けした。そもそも理知的なマリガンがへべれけな(ふりをする)だけで、すでにじゅうぶんなエンターテインメントたり得ていた。
すなわち。
世間に何か伝えたいことがあるならば、それを娯楽作品にトランスフォームする必要がある──という話。
今風の復習映画
悩み苦しみ考えた‼️❓でも、答えは、まだ出ない‼️❓
既成概念を覆された
女だから笑え?
冒頭の股間ショットの気色悪いねちっこさからの、次々に素面で問い詰められる男たちの慌てる様がほんとに痛快!
ポップで「カワイイ」画面から滲み出る毒は、キャシーの復讐劇だけではない。
男たちから、親から投げかけられる言葉、行動の毒々しさ、それによってすり減らされる女。こんな構造には中指を突き立てて、バールでめった打ちだ!
ともいかないのがこの作品の本当の毒。
見せない演出が最後まで超絶うまい。
失うものが多すぎる
エンタメとして、大変痛快な作品でしたが、
その上、
中退して、
将来棒に振って、
彼女まで失わなくては、
正しさ、を認めさせられないのか、
という、絶望や憤りも感じました。
無理ありすぎて乗れない
最初の10分でこんな事してたら危ないでしょって感じで全く乗れなかった…考え方も偏りすぎだし、こういう考えが嫌だと思った。あと何でここまでやらなきゃならないのか理由がハッキリしないからカタルシスにもなってない。親友なのはわかるけど、自分の人生かけてそこまでやるかね?恋愛感情みたいな裏設定はありそうだけど、あるならそれをちゃんとやって欲しかった。ツレがモロにこういった考えにブレインウォッシュされてる人だったから見終わった後、めちゃくちゃ意見ぶつかったけど、男には理解できないで話は終わった。それじゃ最初から建設的な歩み寄りはこういう考えの人々には無いんだって事だけはハッキリした。機械じゃないんだから、世の中よくしたいなら調和を考えなさい!
脚本が素晴らしい。しかし、痛快さや爽快感は無くて残念。
親友を亡くした元医大生の女性キャシーが主人公。
今は何故かカフェで仕事をしている。
夜になるとバーで酔ったふりをして、獲物?の男を引き寄せてホテルへ・・・。
彼女には親友の復讐のために大きな企てがあるようです。
これからどういう動きをしていくのか、観ている側には予想がつかない展開に
目が離せず、どんどん引き込まれていきます。
その脚本力が実に見事で、観ていて終始、唸らされっぱなしでした。
2年前に観て、好きだった映画『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』、
その監督を務めたボー・バーナムが、主人公の恋人役として多くの場面で好演。
これはちょっと意外でした。
この映画、女性を性欲のはけ口としか見ない男性が、やたら多く出ています。
そんな男達への復讐劇がメインの映画なので、そういう設定なのでしょうが、
この映画を観ると「女はいつも被害者で、男はいつも加害者」みたいな、
女性尊重・男性蔑視の印象操作が入り込んでるような部分が気になりました。
純粋に主人公キャシーの事が好きで近づいてくるボー演じるライアンに対して、
キャシーは凄く失礼な態度で、彼を何度も傷つけているところが嫌でした。
女性が傷つく事に関しては敏感なのに、男性を傷つけている事には鈍感。
ちょっと身勝手過ぎる女性と感じます。
やがて良い関係にはなっていくのですが・・・。
ネタバレはしたくないので、この辺でやめておきます。
あくまでも娯楽作品として、スリリングな展開を楽しむのが良いでしょう。
本当に脚本が素晴らしく秀逸なので、高い評価をつけたいところなのですが、
映画として爽快さや痛快さには欠けるのがネックで、惜しいですが3つ星。
復讐心ばかりでは、人は幸福になれないと感じました。
痛快なのにモヤるのは、きっと弱者は弱者のままだから。
スカッとしきれないから、奥が深いというか、なんというか。
本作に思い出すのは、痴漢に遭うのは短いスカートなんかはいているからだ。
云々のやり取りである。
ならそうしたものを前にしたとき人の心から、
自制心や善悪の区別、良心なんてなくなっていても問題ないよ、
ということなのか。
社会の目という他人事と、当事者視点が交錯することで、
本質をあぶり出してゆくサイコ・ホラーのようで復讐劇のような本作。
キレ者主人公が単独行動、無双なだけにハラハラも止まらない。
加えて「正義を行っている」と信じて邁進する女性の
堂々たるたたずまいが痛快だ。
同時に、そうまで駆り立てる怒りや絶望はもの悲しさを誘い、
のっけからチープ感漂う楽曲に退廃的な雰囲気も重なれば、
醸し出されてくる破滅感に懐かしの「テルマ&ルイーズ」さえ思い出してしまった。
この辺り、弱者が誰なのか最初から示しているようで、
ただ中で主人公が頑張れば頑張るほどぐっときもする。
シナリオはアッ、と驚くようで案外、古典的でカタイ展開をなぞっていると感じている。
ただパンチがこれほどまでに効いているのはひとえに、
その弱者が最後まで救われることがないところにあるのだろう。
やっぱりそこは令和の「テルマ&ルイーズ」だからかも。
スカッとしきれずモヤモヤ残る。
ここが何よりいい本作だ、と思うのである。
後味の悪さが残る怪作
すごい評判の本作、やっと劇場で鑑賞できました。
結論から言うと、ストーリー自体もオチもよくあるサスペンスですが、演出と演技が一つ上のランクへ押し上げてます。
実際には女性一人でこんな危ない事を何度もやれるとも思えないし、怒りの持続も容易でない。しかし、中盤一度前に進もうとした時は、幸せの中にも何か物足りなさを感じてる風でした。彼女がナンシーにそこまで固執する理由が見えなく、サイコの片鱗を感じそこまで物語に入り込めない部分もありました。
にしても、なんともやりきれない問題で、こういうクズが許されてしまう世の中はどうしようもないのか?オリンピック小山田的なエスタブリッシュ問題もあるよなぁ。
自分が死んでも制裁を下すというのは納得出来なかった。彼女の両親や、ナンシーの母親はどう思うのか?なんとも後味が悪いラスト、彼女のあまりにも孤独な人生が哀れに思える。
スタッフはなかなか興味深い人達で固められていた。特に彼氏役の人はなかなかの才人ですね。クリストファー•ミンツ•プラッセが見れたのも嬉しかった。
将来有望な若者、本懐を遂げる
辛い内容でも、映画は見に行くようにしている。直視するのが厳しい時も痛みを忘れてはならないと思うからだ。
だから映画冒頭から正直主人公のキャシーに辛いことが起きるんじゃないかと悪い意味でドキドキしながら見た。あの流れで、キャッシーが殴るけるをされたりレイプされても驚かないからだ。
そのうちそれが何回か続くと、この主人公は自殺願望があるのか?と思うようになった。主人公の行動は騙す喜びより、殺されに行っているように思えた。彼女は死にたいし、できれば殺人罪を着せたい相手に殺されたい。だから親たちは「忘れて」「生きて」と彼女にいうのだ。
復讐?そうだろうか。前回も弁護士に守られた。なぜ今回は違うと思えるのか。彼女の死は事故ではなく、当初から彼女の成し遂げたかったことだ。彼女は殺人者をランダムに選ぶのではなく、確実に殺しそうな相手に照準を合わせて成し遂げた。
生きることに希望を見出せない将来有望な若い女性は、死に向かって疾走する。はっきりしているのはそのことだけだ。なんの希望もなくて本当に辛くなった。
女性監督だから、かな、なんて書くと顰蹙を買うかも
知れませんが、この映画がアカデミー最優秀脚本賞というのに驚きます。
まず、酔った振りして、言い寄って来る男どもにお仕置き?お説教?するというのは、無理でしょう。
相手が寄っていたとしても、男と女、それに、相手の家に行くんだから、武器持ってるかも知れないし、主人公かわ、余程の戦闘能力が超能力がないかぎり、少なくとも、頭の良い人がやってるとは思えません。
それに、手帳に何十、何百と戦果をメモってましたが、そんなにやってたら、噂になるし、逆にはめられたりするんでは。
ネタバレしないように書きたいので途中は端折りますが、最後のどんでん返し?も、この作品が初めてでもないし、、、
主人公はそれなりに良かったけど、脚本賞ってほどではないかなっていうのが率直な感想です。
ということで、普通よりちょっと良いくらいの星3つにしておきます。
バランス
忘れている、「子供だったから」と言い訳する当事者
「優秀な(加害者である)若者の未来」を優先した大人
罪を贖いたい関係者
全てのバランスが良く、「あの時私が」と悔い続ける主人公が全身全霊で復讐を成し遂げる113分。
一瞬でも、
美人だから、隙を見せたからなんじゃないの?
と考えた自分を恥じ入りました。
ちょっと非の打ち所がない
自分の行いを反省して悔い改めるという当たり前のことができる男性が、啓示を受けたという精神病の弁護士だけ。
理由は分からないけどなんか不快、もしくは自分が攻撃されているように感じるとき、動画を見せられたときのあの彼氏のように逆ギレしてしまったりするものです。
映画が終わったあと、「所々無理矢理感があった。ホテルの部屋で目覚めたからってあんなに取り乱すなんてない、学長だってすぐに警備員を呼べば良かった」と強い口調で劇場で話している(盗み聞き失礼)男性がいましたが、なんとなく心情を察し、不快になるなというのが難しいにしても、皮肉を感じました。
女性は付き合う男性と一緒にこの映画を観てどんな反応を示すか試してみるのはその人を知る一つのリトマス紙になるかもしれませんね。
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