「過剰な復讐劇、左巻きのマッチョ映画」プロミシング・ヤング・ウーマン TTさんの映画レビュー(感想・評価)
過剰な復讐劇、左巻きのマッチョ映画
映画としては面白くないわけではなかった。
ラストも含めて意外性が2点あった。
だが、なぜここまで評価が高いのかという疑問は最後まで消えなかった。
いや本当は評価が高い理由は紹介文を読んだけで察することができたが、それを言葉にする面倒くささは、SNSで過激な人間を相手に不毛なやり取りをするのと同じ位に感じたので放置していた。
映画でのやり過ぎな復讐劇を見ることはそんなに珍しくはないが、キャリーの描き方で解せないのは、親友を失わせた自分自身に対する後悔の念や責任の所在を少しも描かず、全ての責任を加害者とされる側に求めるその態度であり、そこになんの疑問を挟む余地のない、おそらく監督はガチなんだろう。
この時点でこの映画はエンタメとして楽しむんだと分かるが、問題なのはこれをリアルな社会問題をからめようとしミスリードさせる評論家である。
最終的に親友を守ることができなかった自分への復讐としてのラストであれば、もっと評価は違っただろうとも思う。
ただのエンタメ映画に思想的な下駄を無理くり履かせ過ぎる風潮は、むしろ白けさせる。
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