劇場公開日 2021年7月16日

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「執着するあまりに前へすすめない人間の性」プロミシング・ヤング・ウーマン 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0執着するあまりに前へすすめない人間の性

2021年7月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

女性の執念を描く。少し切ない物語。執念に根差した復讐心に執着するあまりに前にすすめず、精神的に病んでいるようにもみえる。サイコサスペンス。医学部中退、現在カフェの店員。実家暮らしの30歳の女性。
大学時代の親友が、同級生らの性暴力に巻き込まれて亡くなったことから病んでいった過去を背負っているような伏線。
人の記憶の強度の違い。いじめた側は覚えていないが、いじめられた側はいつまでもトラウマのように覚えている。この理不尽さも織り交ぜながら、復讐劇を描く。
途中、元同級生とのほっこりするような恋があって、快方に向かっていくのかと思いきや、ラストに向かって、裏切っていく。
執着するあまりに前にすすめない、だけどもこれも一人の人間の性。最後はすこし切なくなる。

菜野 灯