「ポップでカラフルで、ケバケバしく毒々しい」プロミシング・ヤング・ウーマン nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
ポップでカラフルで、ケバケバしく毒々しい
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ポップでカラフルで、ケバケバしく毒々しいビジュアルが、主人公の複雑な内面を表現しているようで印象的でした。
主演キャリー・マリガンの演技も、激しさと繊細さを兼ね備え、素晴らしかったと思います。
ブラックコメディや復讐サスペンスの要素もありつつ、女性を蔑ろにする社会、そんな社会の理不尽に対する怒りや苦悩がビシビシと伝わるストーリーテリングも秀逸です。
冒頭やクライマックスなど、下半身至上主義の男性の醜悪さを見せつけられます。
しかし、決して男性対女性という単純な対立ではなく、俗に言う、わきまえている女性が成功しているという社会的構図も描いていますし、良識を持つ男性の存在も描いています。
通りすがりに女性を侮蔑するセリフを投げつける男性、露骨なモテメイク動画を公開する女性など、日常にそういった構図が染みついているような描写も考えさせられます。
中盤の恋人とのラブラブぶりについては、不穏さしか感じず、やっぱりそうなるかとは思いましたが。
ラストは、なんともやるせない気持ちになりました。
最後の記号については、自分は普段顔文字など全く使わないせいか、見た時は全く意味が分かりませんでしたが。
後で検索してみると、日本と違い海外では顔文字は横向きのようで、笑顔、ウインクなのかなと。
最後は笑顔だとしても、やはりやるせない、複雑な余韻を残すラストでした。
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