「印象的な画作り」プロミシング・ヤング・ウーマン 岡部 竜弥さんの映画レビュー(感想・評価)
印象的な画作り
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自分が男性である以上、この作品に対してフェミニズム的な立ち位置から語るのは駄目なような気がするので、そこは避けて感想を書こうと思う。
この作品で一番衝撃的だったのは、キャシーが弁護士に「許させられる」シーンだった。他のどの暴力的なシーンよりも頭の中にこびりついて離れなかった。
本来加害者側の立場である彼が、あたかも自分も被害者であるかのように許しを懇願する。出てくる言葉は「眠れないんだ」。これを聞いたキャシーは苦渋の顔で彼を許す。
この表現が正しいのか分からないが、とてもグロテスクなシーンだった。
この後からなし崩し的に復讐が収まりかけたのも印象的だった。
次いでアルがキャシーを殺すシーン。
「ファンシーな手錠に片手を繋がれた男性が、煽情的なナースの服を着た女性をベッドの上で枕を使って窒息死させる」
こう書くだけでも、象徴的なシーンだ。意地悪く長尺で見拙続けられたあのシーンには嫌でも何かメッセージ性を感じた。
というかこの作品全体を通して画作りが象徴的なので、そこを意識して見るのもいいかもしれない。
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