「目を背けてはいけない」プロミシング・ヤング・ウーマン まだまだぼのぼのさんの映画レビュー(感想・評価)
目を背けてはいけない
直接的な性描写や暴力はほぼ描かれていませんが、グサグサ突き刺さる痛みを感じる作品。
一方で、重いテーマを扱っていながらも、ちゃんとエンタメとして楽しめる作りになっているのも素晴らしいと思います。
演出や物語に不自然に誇張した点が少なく、全体的にとてもリアルに作られていて、同じ女性として色々思うことが多くありました。
酔ってたからしょうがない。
若かったから、バカだったから、大目に見て。
私自身も、そう考えてしまう面があると思います。
本作は、そんなこと関係ない、ダメなものはダメ、クズはクズと言い切ってくれる。とても心強く、勇気を貰えました。
そして加害者になりうるのは必ずしも当事者だけではなく、周囲の人間の行動一つで力になれることもあり、そのまた逆もあるのだということを再認識させられます。
キャシーを想うととても辛くて、終盤で訪れる絶望が本当に苦しかった。その後の行動も、哀しくてやるせないけれど、少しでも彼女の気が晴れやかになった瞬間があったと信じたいです。
表現、台詞、美術などから、作り手の強い想いが伝わる凄い作品。性被害が日々起きている今、多くの人に見てほしい、目を背けてはいけない事実が描かれています。
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