「アメリカ映画産業の底力」プロミシング・ヤング・ウーマン いなかひとさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカ映画産業の底力
アカデミー賞脚本賞受賞作品。性被害者が性加害者に復讐する物語。難しい題材を娯楽サスペンス映画に仕立てる監督(脚本も)に、拍手を送ります。
「ソーシャルネットワーク」に続く問題作です。
アメリカ発祥のme to運動の後でなければ、製作されなかった作品と思いますが、このような作品を作るアメリカの民主主義は確固なものだと感じます。
日本でも美人の女性ジャーナリストを酔わせて、暴行
したベテラン記者がいました。女性の告発もむなしく、あいまいのままです。ベテラン記者の言い分は、女子医大生を犯した同級生の医大生の言い分と同様です。東大生も同じような事件を起こさせ、新聞種になりました。
1回観ただけですので、よくわからない点があります。親友の女子医大生は、自殺してしまったのか。死んでいることは確かです。その加害者に復讐するため、主人公はメスを使用しています。最初から殺すつもりだったのか。それとも、脅すだけだったのか。恋人との決別を選んでいるところからすると、殺して自分も自殺するつもり、と考えるのが合理的です。最悪の事態を予測して、証拠物件を悔い改めた弁護士に送って事件が判明するまでが急な展開です。女性主人公を殺してしまった医者は、冷静に考えれば正当防衛若しくは過剰防衛でそれほどの罪に問われないかと思いました。裁判の過程で、過去の犯罪がばれればまずい、と考えたのか。
悪人に裁きを与えるなければいけないのが、アメリカ映画の弱点です。興行成績もあるでしょう。
私が監督なら死体が焼かれた時点で終わりにします。
なお、主演女優はディカプリオ版ギャツビーでのディジー役の人でした。その時はミスキャストと思いましたが、上手になっています。