「なんとも言えない後味」プロミシング・ヤング・ウーマン bionさんの映画レビュー(感想・評価)
なんとも言えない後味
切れ味鋭い復讐劇を期待したんだけど、なんとも言いがたい気持ちになった。
フェミニストを自称しながらレイプシーンを売りにしている作品とは一線を画していて、ニーナが被害にあった場面を映像化せずに観客に想像させる。自分もそういったシーンは見たくないからその点は評価できるんだけど、鬱な雰囲気が終始漂っていて、なんだか居心地が悪い。かかっている曲は、明るいんだけどね。
僕も含めて観客は『ドラゴン・タトゥーの女』のリスペット・サランデルみたいに、クズな男達を爽快なまでに血祭りにあげるストーリーを求めてしまう。それだとカタルシスだけが残って、監督が訴えたい隠然たる性差別が浮き上がってこない。監督の狙い通りすごく考えさせられましたよ。
でもね、映画としてはあまり楽しめなかった。ごめなさい、監督さん。
コメントする
グレシャムの法則さんのコメント
2021年7月16日
おっしゃる通りですね。
テーマについての訴求力は強いけれど、娯楽としての作品性を求めると弱い。
ハマらない方にとってはちょっと辛いところがあるのは確かですね。
うーん、なるほど!と思いました。