茜色に焼かれるのレビュー・感想・評価
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最初は同情的に見てたけど途中から「ん?」ってなって、最終的に子供い...
最初は同情的に見てたけど途中から「ん?」ってなって、最終的に子供いるんだからしっかりしなよ…って思っちゃった。
賠償金受け取らないで風俗で働くのも愛人の子供に養育費払うのも意味不明。
自ら不幸を選んでるし、結婚相手選びからすでに不幸に片足突っ込んでる。
熊木は寄ってたかって殴られてヤクザに売られるほど悪いことした?
何がしたいんだかよくわからない。
母ちゃんは強い
世の中は暴力と怒りと
とてつもない愛で溢れてる。
6歳のときに父ちゃんが亡くなってから7年
自転車に乗れない13歳。
その時系列と描写に意味があるのが良かった。
ケイちゃんは生きる理由がなくなったというよりは、死ぬ理由が出来ちゃった気がするんだよな…
全体的な雰囲気はシリアスだけど、クスッと出来るとこもあって観やすかった
出てくる男がみんなクズ
コロナなどで理不尽かつしんどい状況に置かれている女性を描いているのはわかるが、その女性も妻子ある男に騙されてうつつをぬかしたり、やたら風俗のシーンをねちっこく描いて脱がせたりと、かわいそうでそんなに頭の良くない女性を男性目線からポルノ的に消費している感が否めない。
そして理不尽な目に追い込んでいる男達は何のおとがめも無し。いや現実はそんなものかもしれないがフィクションの世界でくらいちょっとは痛い目見せろよ。監督はかわいそうな女性を消費したいだけに見える。不倫相手以外にも、車で轢き殺しておいて謝罪もしない上級国民とか、解雇通知もまともに出さない雇用主とか、風俗のクソ客とか、とにかくダメな男満載。
お金も稼がずよそで子供まで作ってたクズの父親に似ず、息子が比較的まともで成績がいいのが救いか。しかし息子がいじめに遭って殴られて何の対策もとらない教師を問い詰めてるのに、息子の成績がトップと聞いてコロッと忘れたように上機嫌になる母親はどうなんだよ。問題そこじゃないだろ。
どんなに成績が良くても、金がなければ大学にも専門学校にも行けないので(奨学金という名の借金を背負って苦しむのは本人だ)金の心配はするなと言っても、現実的に子供を安心させられるだけのまともな仕事に就けないのはこの母親にも責任があるだろう。売れ残りの花を捨てられなくて買い取ってる場合じゃない。変な意地張ってないで福祉を頼れ。
テーマを盛りすぎですこの映画は。
東池袋自動車暴走死傷事故を連想するスタートでしたが主人公の女性と一人息子が、性風俗、学校でのイジメ、パート先のパワハラ、老人介護施設、近年のテーマをてんこ盛りすぎのうえ、ご丁寧に金の物差しまで表示されています。
「横道世之介」と正反対に位置する映画だなと。これだけの賞をもらってますから、世の中がそういう世の中なんだなと残念に思います。
観ていて辛い。
主人公(尾野真千子)は上級国民に大黒柱を交通事故で殺され、金銭的に困窮しているのに賠償金を受け取らず、夫の愛人の子供の養育費も義理の父親の介護費用まで負担している。そこをコロナが襲った。おまけに周囲を嫌な連中ばかりに囲まれている。日本社会はここまで弱者に冷たいのだろうか?出てくる男は皆揃いも揃ってクズばかりだが、いくらなんでも誇張して描かれていないか?とにかく観ていて辛い。尾野真千子は適役、彼女の演技力はいつ
もながら安定しているが、脇を固める2人(ケイ役の女優と純平役の子役)は実に良かった。純平には明るい将来が待っていて欲しいと思った。ただ、長過ぎる。
はたして狂っているのは彼女か、それとも男ども(社会)か。
主人公は言う、こんな社会でまともに生きていたら死ぬか、気が狂うか、宗教に入るかだと。
彼女は死んでもいないし、宗教にも入っていない。ならば彼女は気が狂っているのだろうか。
主人公田中良子は夫を事故で亡くし、女手一つで息子を育てている。そればかりか義理の父の介護施設の費用を賄い、あげくに夫の愛人の子供の養育費まで支払っている。
彼女は金が有り余っている資産家などではない。パートの仕事とは別に風俗で働きながらこれらの費用を賄っているのだ。
これはもはや正気の沙汰ではない。何故に彼女はここまでするのか。死んだ夫への当てつけであろうか。それともやはり気が狂っているのだろうか。
芝居が得意な田中良子(この国で平均的ともいえるこの名前がまた皮肉が効いてる)。本編では明らかに彼女が芝居をしているとわかるシーンがある。加害者側の人でなし弁護士と話しているとき、風俗店店長の暴言に無理に話を合わせているとき、明らかに愛想笑いを浮かべる。それはまるでこの世の理不尽さに散々打ちのめされたあげくに彼女が身に着けた自己防衛手段とも思えた。
夫を事故で失ってからというもの彼女はこの世のあらゆる理不尽さに誰よりも憤ってきたはずだ。だが、彼女は感情をあらわにせず平然と生きてきた、というより平然と生きている芝居を演じてきた。
誰よりも怒りをあらわにしたい彼女は息子に対してルールを守ることが大切だと諭す。芝居をして自らの本心を偽らなければ自分を抑えられず自分がルールを破ってしまうことを自覚しているのであろう。
そうやって芝居を続け自らを偽り続けたためか、彼女は自分の本当の気持ちがわからなくなってくる。それは中学時代に思いを寄せていた片思いの相手に再会したことで顕著となる。
自分の気持ちに戸惑いながらも、女としてこの気持ちは本物だと恋に突っ走る良子。しかしそんな彼女の思いはあっけなく踏みにじられてしまう。
今まで自分の気持ちを押し殺してきた彼女のたまりにたまったマグマが遂に噴き出す時が来た。この時、彼女は息子に対して今だけは母親とかいう立場は無しにしてくれと言う。
子を持つ「母親」故に自分を押し殺してきた彼女がついに一人の人間として自らの感情をあらわにする瞬間だった。
不倫相手をボコボコにしてルールを破った彼女だが、皮肉にもヤクザの顧問弁護士もしていた人でなし弁護士のお陰で事なきを得る。
女性が生きづらい社会。災害がひとたび起きれば真っ先に被害を受けるのは弱い立場の人間だ。今回のコロナ禍でも女性の自殺者数が際立っていた。男が作り上げてきた社会がいかに女性にとって生きづらい社会であったか。
こんなご時世でも女は最終的に体を売れるが俺たちは無理だという夫のバンド仲間のゲスな言葉がまさに象徴的だ。
彼女は言う。客の相手をすることは毎回自分が殺されているような気分だと。平然としているていの芝居で、あらゆるこの世の理不尽から気をそらさなくては彼女は気がくるってしまっていただろう。
まさに真正面から受け止めれば車に跳ね飛ばされていたほどに。そう、彼女の芝居は自己防衛なのだ。
今の社会で女性にとっての理不尽を一身に背負いたくましく、そしてしぶとく生きる良子の姿を通して逆説的にこの社会の理不尽さを描いた佳作。
ちなみに以前見送りとなった入管法改正案が今国会で恐らく通るだろう。外国人の人権を軽視する国家は自国民の人権も軽視するということを忘れてはならない。
映画鑑賞代金1550円(チケット屋で購入)、交通費往復560円
全削除されたレビューを復元。
そんな事ある?っていうのがいつも私の人生にはあるんです
なかなか夜がこない
黄昏の茜空
今、
自分には
生きる理由がある
それだけで
いいのかもしれない。
そんな気持ちになる作品。
おすすめ。
尾野真知子さんの凄さ。
尾野真千子さんの演技力にやられる作品です。
壮絶な人たちが集まってます。
自分のために怒らないのに
人のために怒る人たち。
2人は出会えて話せてよかったですね。
最後に女の子は自ら命をたってしまいます。
救われる時間がずっとなかったけど
その先にあの家族へ光が灯されて欲しいです。
何を伝えたかったかあまりわかりませんでしたが
とにかく尾野真千子さんにやられました。
すごく感情が伝わってくる作品でした。
まぁ、頑張りましょう。
どんな時でも言っていた言葉、どんな気持ちが込められていたのでしょうね。
わたしは、どんなことがあっても負けるなよって言われてる気分になりました。
情念、ワンシーンごとの生々しさ、そして美しさ
旅行道中の電車内(アマプラ)で鑑賞。
どんなに厳しい社会の不条理を受けてもなお、耐えてゆく母(女性)の逞しさ、時折見せる脆さ、儚さを表現した映画でした。
美しい音色と、常に「茜色」をシーンの中に織り交ぜること、うちに秘めたる思いの強さを感じずにはいられない一作でした。
世の中の理不尽さが染みる
尾野真千子さんはNHKの朝ドラ主演されたのをきっかけに良い女優さんだなと思っていました。
こんなじり貧の状況に立たされて自分ははたしてこんなに器量に生きれるかなと考えさせられました。
ストーリーもとても物悲しくでも、たいていの映画は2度鑑賞しないと内容を把握しきれない私でも1度で入って来ました。息子さんがいい子なのが唯一の救い。
そしてケイちゃん役の女優さんもとても良かった。
ケイちゃんの必死の訴えが最後良子に響いて良かった。
茜色の夕日の最後の親子のシーンも良かった。
気持ち悪い映画でした
幾ら稼げるからと言って、多感な時期の子供を持つ母親がこんな職業をするでしょうか?又、夫の前妻にこの極貧状況で援助するでしょうか?何故加害者から慰謝料を貰わない?ちょっと現実離れしすぎです。
スゴい物を見た‼️
権力者に大袈裟なまで忖度し、弱者には目を背け簡単に見殺しにする現代社会。
コロナ禍の今こそ見るべき映画だと思いました。
それにしてもあのイジメっ子達、最後には放火までして立派な犯罪者!…だけど、未成年だから法律で護られるんですかね…
世知辛いです…
ケイさぁーん!
面白かったです。
不幸が寄ってくる体質の人の物語。
コレは運命めいたものがあるような気がしてならない。
内容はさて置いて、この女優さん
ケイさん役の片山友希さんの演技がヤバい
「なんかこんな女の人居そう」って思いながら観てて、気がついたら感情移入しまくってた。
とにかく自然…というか、演技とは思えなかった。
あれ…アカデミー助演女優賞取れるんじゃないかな?
言い過ぎかもしれないけど、まぁまぁ映画観てきた自分が、一押しする女優さんですね。
映画の内容も良かったな…
弱い者同士が力合わせて生きていく…
嫌いな話じゃない。
皆が皆、親が、その親の親がシッカリしてて、その子供で…護られて育って…って訳じゃない。
こんな人達も居る。
そんな人達に不幸が寄ってきて、人生を長期間足踏みさせられるような状態で…って、無い話じゃない。
しかし、人の道を大きく外す訳でもなく、地に足つけて生きていこうと頑張る。
しかし…付き纏ってくる死神的思考。
「何故生きる?」
コレが付き纏う。
付き纏ってくる。
本編後半で、3人で牛丼を食べているシーンがあるが、自分はこのシーンがお気に入り。
自分が思うに、あの瞬間、あの一時の為に人間生きてるんじゃないかな?
ただ…残念な事に…ケイさんは、それ以上に、自分の運命の重さに潰されたんだな…
自分にあの幸せな一時は、もう訪れないと感じたんかもな…
絶望だよな。
身近にある話だ。
こういう映画観るといつも思うのが、人間は皆、細い綱を綱渡りさせられていると思い知らされる。
落ちたら闇。
自分は…何とか最後まで渡り切りたいもんだ。
弱者に寄り添うふりをして、本当に寄り添っているの?
旦那が交通事故で死んで、母子家庭になった。
加害者が謝りもしないので、慰謝料を受け取らなかった。母子家庭なのに。
旦那の婚外子の養育費を、払う義務もないのに払い続けている。母子家庭なのに。
旦那の父親の介護施設入所費用を払い続けている。女の平均給与は男の75%しかないのに。
だから、ダブルワークで、風俗の仕事も行っている。
旦那が社会に異議申し立てをするロックバンドをやっていたから、その妻として、公的な救済に頼ることなく自助努力だけで生活している。自分の意志で。
でも、それって、おかしいでしょう。
異議申し立てをする人間は、公的な救済に頼ってはいけないのか。逆を言えば、公的な救済を頼るためには、社会にものを言ってはいけないのか。
「お前のかあちゃん風俗なのに、公営住宅に住みやがって」家賃が安い公営住宅には、風俗嬢のようなアウトサイダーは住んではいけないのか。社会に、いや正確に言えば、政治にNoと言う人間は、公営住宅に住み公的援助を受ける生活が認められないのか。
認められるに決まってるでしょう。税金払って、社会的な義務を果たしている限り、そこからの恩恵を受ける権利がある。というか義務が果たせない事情があるなら果たさなくても、恩恵は受けられるのが筋でしょう。
誰しもが、義務を果たしながら権利を享受して、なおかつ、よりよい社会を作り上げるために、社会・政治に意見を表明していく。それが、社会人としてのあるべき姿。
でも、ここに描かれた世界はちょっと違う。「結果は自己責任。それでも、何がしの救済を受けるなら、黙れ!」そんな社会(新自由主義という考えが理想とする社会です)を声高に肯定するつくりにはなっていないけれど、それを受け入れる主人公を描くことは、そういう社会を認める映画になってしまっている。それが意図的なのか、現実を描いた結果に過ぎないのか、どうでしょうか。
映画の構造を端的にまとめると、主人公は前半、がまんしてがまんして。終盤に、怒りを爆発させ、最後に親子でほんわかムード。だから見る者も、前半ストレスをためて、終盤、溜飲を下げて、最後はあったかい気持ちで「ま、いろいろあるけど頑張りましょ」って、理不尽な社会を受け入れていく。いや、受け入れてはいけない、っしょ。
家のかみさんは、「最近の邦画、安易に女優を脱がせすぎ」と怒ってます。「女は最後、体を売ればいいから」ってセリフ、邦画では地で行ってますよね。
薄笑いはやめよう。
お金に殺され、お金に生かされ。
構成や演出は面白かったです。やや無駄なシーンも多く、長く感じられるけど、良い映画でした。
出てくるやつはロクでもないやつばかりで、これでもかと暗く重い内容を、主人公自身の捉え方で悲劇になり過ぎず、それらの出来事を被害者ぶらない姿勢が、全体のトーンを支えてた感じです。
最後がやや散らかってるので、戸惑いますが、母ちゃんは何がしたいのか?的で笑えます。
長さ重さに耐えれるなら、おススメです。
一つ気になったのは、92歳が天寿を全うした。と言う文言。1歳未満で亡くなったとしても、その命は燃えている。長生きが全てじゃないし、幾つまで生きたかじゃない。どう生きるか。全ての命は懸命に生きてるのだと思う。
個人的な意見としては、あのこども達を放火で捕まえて欲しかったゎ。
茜色の「頑張って」
映画監督で38歳と言ったら、まだまだ若手かデビューしたばかりの新人が多い。
が、この監督はその枠には納まらない。
作品を発表する度に、石井裕也は巨匠化していく。
そう感じずにはいられなかった力作であった。
公営団地でひっそりと暮らす母とその息子。
母は元劇女優の田中良子、息子は中学生の純平。
この母子を襲う社会の不条理さは、見ていて憤りが沸いてくる。
7年前、交通事故で夫を亡くした。
加害者はアルツハイマー症状の老人で、元官僚。
アルツハイマー故罪には問われず、それどころか加害者本人や家族から“直接”謝罪の言葉はナシ。事務的にお金で解決。
若い母親と幼い娘を轢き殺し、「私に過失は無い」と言い放った上流層ジジイのあの事件を彷彿させる…。
賠償金は受け取らず。施設に入っている義父の面倒も見ている。
加害者が老衰で亡くなり、葬儀へ顔を出す。
遺族は嫌味か脅迫紛い行為とおかんむり。弁護士を立て、厳重警告。
その弁護士も情けナシの言葉を浴びせる。
夫を失ったのはこっち。なのに、まるでこっちが加害者のような扱い。
コロナにより経営していたカフェが破綻。生活や一人息子を育てる為に、昼は花屋で、夜は風俗で働く。
花屋では店長から仕事ぶりを評価されていたが、店長が会社からあれこれ注意され、腹いせの捌け口に。コネ雇用の新人と入れ替わりにクビの対象にも。
風俗では若くない事を理由に客からチクチク文句を言われる。見下され、蔑まされ…。
母親が風俗で働いている事が知られ、純平は学校でいじめに。
…いや、いじめならまだ優しい。同級生らが終盤犯した行為は完全に犯罪だ。
その騒動の原因も母子のせいになる。
本当に見ていて、辛い。苦しい。しんどい。悲しい。
この母子が社会に対して何をした? 悪口を言い、犯罪でも犯したというのか…?
否! 寧ろ、事故の“被害者”であり社会の“弱者”だ。
母子共々それを充分承知している。
歯を食い縛りながら生きている。
こんな境遇にあっても。
母・良子は一見穏やかな性格だ。
加害者遺族にどんなに邪険にされ、弁護士から情けナシの言葉を浴びせられても、泣き喚き怒りを露にする事は無い。折れそうな心を、自分を保って。
仕事は誠実。花屋では真面目に黙々と、風俗では客から見下されても奉仕する。
平常心を保っているかのように見える。
彼女は元劇女優。感情を抑え隠し、“演じている”のか…?
不満、怒り、悲しみを見せないようにしているのか…?
良子も血が通い、感情豊かな女性だ。
その心の中では、拭い切れぬ悲しみを抱え、不満/怒りは今にも爆発寸前。
ある時、遂に心の内や感情をぶちまける。
彼女がずっと背負い続けている不満、怒り、悲しみ…。
その叫びに、私の心も打たれた。
人生の中で、苦しみ、悲しみ、恵まれぬ経験をした者ならば、誰だって打たれる筈だ。
今を生きる我々皆の代弁。
それを体現した尾野真千子のキャリアベストの熱演。
4年ぶりとなる単独主演作。ここ最近、比較的助演が多かった彼女。勿論素晴らしい脇固めを魅せてくれていたが、彼女は間違いなく、堂々と主演を張れる名女優だと改めて確信した。
喜怒哀楽を巧みに演じ分け、深みも感じさせる。
ラストシーンの“芝居”は圧巻であった。
尾野真千子の新たな代表作と名演を無視する輩は居ないだろう。
…いや、居た。またしても日本クソデミーは完全無視。ホント、おかしいよッ! バカじゃねぇの!?
社会から疎外され、誰の助けも得られず、声すら届かず、孤独。
しかし、そんな身でも心を通わせ、寄り添い合う者たちもいる。
息子の純平。時々母親の考えを理解出来ない事もあるが、母一人自分一人の二人三脚。
彼も彼で母親同様、不満、怒り、悲しみを抱えている。
それでも母親と同じく、愚かな言動を犯さない。
それだけで純平少年の人間像が分かる。
この母親にしてこの息子あり。息子は母の姿を見て育つ。
良子の風俗の同僚、若い女性のケイ。
彼女も客から見下され、仕事に不満を抱いている。
私たちって、底辺も底辺、下の下の人間。
実の父親からは…。
ある時妊娠が発覚し、相手の男に打ち明けるも…。
社会や周囲の男たちの、彼女に対する仕打ちや境遇はあまりにも酷い。
そんな彼女と良子の間に育まれる交流、支え合いは、こんな世の中に於いてただ唯一の力となる。
だが、彼女をさらにある病が…。
和田庵と片山友希、若手二人が存在感を発揮。体現している。
彼ら二人の物語でもあるのだ。
かつての同級生と再会し、交際がスタート。良子は風俗で働いていた事を告げると…。
亡き夫には愛人がおり、隠し子も。良子はそれを認知し、養育費を出している。
良子はさらに解雇、純平へのいじめは激化しボヤ騒ぎ、ケイは中絶…。
彼らに救済の手は無いのか…?
こんな世の中、誰も助けてはくれない。
自分から助けを乞わない。
こんな境遇でも、どんなに苦しみ、悲しみ、喘ぎもがこうとも、決して失わず、曲げないものがある。
自分自身。
その生き方、信念。
力強く、逞しさを持って。
2020年、コロナにより映画製作すら危ぶまれる中、どうしても本作を撮りたかったという監督。
コロナに真っ正面から挑み、コロナによる息苦しさ、社会への不条理を訴えてくれた。
ただ辛く、苦しく、悲しいだけの作品ではなかった。
生きて、生きて、生き続ければ、その先にある希望。
高らかな人間讃歌、母と息子の深い親子愛。
あの茜色の空。
茜色は燃えたぎる不屈の精神の母・良子の形容だとか。それと同時に、穏やかな優しさも感じた。
我々とこれからの人生へ、「頑張って」と優しく包み抱き締めてくれた。
生い立ちが不幸で、今も不幸で、最終的には報われず理解者にお金を残し...
生い立ちが不幸で、今も不幸で、最終的には報われず理解者にお金を残し死んだケイちゃんの人生がある種美談として消費されるのがつらかった
あと熊木くんのヤクザに処理され方がファンタジーだった。オレオレ詐欺の出し子って…こんなに人の感情に繊細な主人公が、オレオレ詐欺の被害に遭う人の不遇を想像しないんだろうか…
もうええわ
ほんとうにつまらない映画だった。
大変な時間の無駄でした。
途中からげんなりして、「もうええわ」と、よほど退場しようかと思った。わりと観客が入っていたこともあり、ほかの人に遠慮して最後まで観ることになったけれど、やっぱり途中で席を立ったほうがよかったようです。
現代に生きる庶民なら多かれ少なかれ、社会の理不尽さを感じ、様々な苦労を味わっているはずです。
映画は日頃の憂さを晴らし、夢の世界に遊ぶものではないのか? 現実生活で嫌な思いをし、映画でもまた不愉快な思いをしなければならないのか? 何故お金を払ってまでこんな気分の悪いことに付き合わされなければならないのか? などと、そんな思いが頭に浮かび、ため息を連発しながらスクリーンを眺めていました。
いや、いくら不幸や苦労や奮闘を描いていても、感動的であればかまわないのですよ。でも僕は全然感動しなかった。感動もしなければ、「よく出来たストーリーだな」と感心もしなかった。不幸を寄せ集めたスクラップ・ブックを、ただダラダラと見せられるようで心底うんざりした。
たしかに尾野まっちゃんの演技は相変わらず素晴らしかった。そこは文句なしです。けれど、ストーリーには、まったく感動しなかった。僕には、この映画のどこが良いのかさっぱりわかりません。監督の思いつきで作った不幸話をつなぎ合わせただけのような、お粗末なこの物語に、僕の心の琴線は1ミリたりとも震えなかった。
ストーリー展開の上で文句を言いたいところも多いので書いておきます。
一番「?」と疑問に思ったのは、終盤、紅い服を着た良子が包丁を持って復讐に行く場面。てっきり公営住宅の自宅を放火した生徒たちのところに行くのだと思ったら、あれあれ、あの同級生の男(熊木)のところへ行くのんかい? あの男を殴る前に、その怒りの矛先を、まず放火した生徒たちに向けるのが普通ではないのか。だいいち、良子も計算した上であの男に近づいたのではないか。そこに風俗店のマネージャーも加勢して……。自分だって女を食い物にしているのに、よく正義の味方ヅラしてそんなことできるなぁ。同級生もえらい災難だ。それから、自宅が火災にあった責任のすべては放火した生徒たちにあるはずで、どう考えても公営住宅の管理者側が良子たちを退去させたりはできないはずである。
順番が多少前後するかもしれないけれど、平気な顔して親子で盗難自転車に乗ってるところも大いに気になった。なんかなぁ~。それでええのんか?
前半に出てくる「まあ頑張りましょ」というセリフも、何度も繰り返されるとわざとらしくて、「さむっ!」と思わず体を震わせました。
あと、このような作品によって、自動車事故の加害者家族の印象が操作され、当事者たちが苦しめられることにならないか。このような作品が、公的扶助を本当に必要としている人々をさらに躊躇させることにならないか、現在公的扶助を受けている人々に対する偏見を助長させたりしないか……そういった点もちょっと気になりました。
上映後ほどなくして、「いやいや、これは、おれの大嫌いな『湯を沸かすほどの熱い愛』とテイストが似ているぞ」とイヤな予感がしたのですが、その予感が見事に的中してしまいました。ひょっとして、これは『湯を沸かすほどの――』の続編なのかと想像してしまった。銭湯を営むオダギリジョーが、失踪していたその間に、良子と不倫関係になり、純平が生まれ、その後、交通事故に遭ったのではないか――と。そうやって、この映画を観ても全然違和感ないですよ😆
そうか、どうやらオダギリ ジョーは僕にとって鬼門らしい。今後、オダギリ ジョーが出ている映画は観ないでおこう。「熱い」とか「焼かれる」とかいうタイトルにもじゅうぶん注意しよう。この手の「熱血かあちゃん、親子もの」は、もうほんまに勘弁してほしいわ。
そんなわけで、「ただただ、ため息ばかり」という映画でした。
尾野真千子のファンなだけに、残念であった。
茜色で生焼け
時々こうなる。期待値が高すぎて見ている間にだんだんテンションが下がっていく。これは自分の問題なのか。尾野真千子も息子も同僚もみんないいが、イジメ野郎たちがいじめる相手はこういうやつなのか?いじめ方が子供すぎないか?永瀬正敏は無関心な風俗店長だったのが途中からヤクザを名乗って人助けもするヒーローになり、最後はカメラマンまでやっている。そんなこんなで2点しかあげられなくなってしまった。
勢いは、ある。
全てのネタが新鮮で短期間に制作されたんだろうと思う。監督の怒りと情熱に役者陣も応え良い緊張感がある。見応え有るが同時に観てる方も知っていて今まさに直面している問題でもあるせいだろうか、既視感というかカタログ的に見えてしまう感覚もあった。
それと最後の夕陽、、、出なかったんだろうな。
でもやりたかったんだろうなぁ、、、
色いじり過ぎでさめた。
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