劇場公開日 2021年3月26日

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「文句なしの最高点!」JUNK HEAD M.Joeさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0文句なしの最高点!

2022年8月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

驚きの迫力ある映像とサウンドだった。ストップ・アニメーションであるが、スムーズかつダイナミックな動きに圧倒された。
それでいて、個々のキャラクターの味わい・個性がきっちり描かれ、かつトンマなところがとてもコミカルで楽しい。
奇妙でグロテスクな猛獣?と戦うシーンが出たかと思うと、お笑いキャラの人物?もたくさん出てきて和ませる。
ストーリー展開もどこに行くのかハラハラドキドキであったが、人間味のある心の触れ合いのシーンも出てくる。「天国」「神」のキーワードは根底にあるテーマのように思えた。

とても重要だなと思うのは、発する言葉が何語か分からない言語であること。英語でもフランス語でも中国語でもない不思議な異次元の世界観を生み出している。中には日本語的なフレーズが聞き取れたりして、クスッとくるところもある。これが逆に諸外国で上映されたときにそれぞれの国の人たちは母語との関係で私たち同様の印象を持つのかもしれない。
この「>?@#!\*」的な脚本をつくり声優としてセリフをキャラクターに吹き込むのも一人でやっているという。現実に存在しないからといって適当にやっているわけではなく、考えられた仕掛けがあるように思う。本当に驚きである。

実写の映画では表現できない世界観。それがアニメと一言で括れるものではないが、架空のイメージを創作し、それを形として実際に我々に見せてくれるその創造性に驚嘆した。CG、VFXではない現実に存在する「物、者」を動かすストップ・アニメーション。一つのエンターテイメント作品として完成させるまでには膨大な時間と労力があったと思う。

《映画作りは独学》《たった一人で始動》《制作期間7年》《本職は内装業》
総コマ数約14万、フィギュアはすべて手作りという狂気の愛と情熱で完成させた作品、ギレルモ・デル・トロから、同じ高みを目指す才能として激賞された。
などのキャッチコピーで紹介されているが、ストップ・アニメーションでこれを作り上げというのだから、堀貴秀氏は本当に凄いとしか言いようがない。

会場には一人参加の女性が多く見られた。年代的には30代以上であろうか。
大ヒットアニメ映画とは違って多数の人が押し掛ける映画ではないかもしれないが、劇場で多くの人に見てもらいたいアニメ映画である。

【ひろしまアニメーションシーズン2022】boidsound映画祭としての上映。

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M.Joe