「三次元構造のスパイダーマン❣」スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
三次元構造のスパイダーマン❣
コロナ禍でも、そこそこ面白いヒーロー・アクションを手掛けてきたマーベル。しかし、アベンジャーズでの完全燃焼以後、なかなかそれを超える面白い作品には出会えなかったが、ようやく、観る者の感情を揺さぶり、楽しませてくれる作品が現れた。
スパイダーマンは、マーベル・ムービーの中では老舗中の老舗作品。その集大成とも言える本作。既に宣伝でも分るように、これまで、スパイダーマンの好敵手として戦ってきたヴィラン(悪党)である、グリーン・ゴブリン、ドクター・オクトパス、サンドマン、エレクトロ、リザート等が復活して、スパイダーマンに襲い掛かる内容。
そうしたヴィラン達の復活劇となった原因が、前作のヴィランであったミステリオを倒したピーターが、ミステリオ殺害の容疑者として素顔を明かされてしまったことがきっかけ。それらよって生活が一変したピーターが、正体が明かされない世の中に戻そうとて頼み込んだのがドクター・ストレンジの魔術。こうした、映画の垣根を超えて、主役が他作品に登場する辺りが、アベンジャーズで築いてて来たマーベル作品としての幅広さと言うか柔軟性なのかと思う。
しかし、しかし、今回の落としどころは、それだけではなかった。ヴィラン役のウィリアム・デフォーやジェイミー・フォックス、アルフレッド・モリ―ナ等を脇役に据え、それだけでも、豪華俳優陣を揃えたと思ったが、そこからが三次元構造としてのスパイダーマンの真骨頂だった。
なんとなんと、・・・・?ここから先は、ネタバレになるので、詳しくは書かないが、この展開によって、単なるアクション・ムービとしての面白さだけでなく、思わず目頭が熱くなったり、クスッと笑ったりと、これまでのシリーズを想起して感情に訴えるシーンもが盛り込まれていく。それによって、グッと引き込まれる内容となっているので、是非、劇場で確かめてもらいたい。スパイダーマン、マーベルファンにしたら、たまらないストーリー展開となっている。
もちろん、ド派手なアクションシーンは健在。CGもかなり描き込み、ハラハラ、ドキドキさせるシーンも連続。マーベルらしさ満載で楽しませてくれている。
そして、エンドロール後のオマケもお忘れなく。そう言えば、あいつもスパイダーマンの好敵手として闘って、今はしっかり主役を張っているヒーローがいたことを!思い出す。