「【メイの言葉/もう一歩先へ/面白い‼️】」スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【メイの言葉/もう一歩先へ/面白い‼️】
“指パッチン”じゃ、本当は世の中は変わらないんだよというディズニー・マーヴェルへのちょっとした皮肉もありーの、かなり楽しい作品だと思う。
映画制作には時代背景は大切な要素だと思うけれども、この作品は時代を映すと同時に、本当に僕たちの世界が目指すのは、やるかやられるか、こっち側かそっち側かの勝ち負けや、その結果ではなくて、この「ノー・ウェイ・ホーム」は、その先が重要なのだと示唆しようとしているのだと思う。
そして、
(以下ネタバレ)
この「ノー・ウェイ・ホーム」では、ピーター・パーカーが皆の記憶から消えることによって事態が収まるのだけれど、これは、良い未来のためには自己犠牲やある程度の我慢も必要なんだとメッセージを伝えようとしているようにも思える。
少数の勝者だけが注目されるような世界を皮肉っているようだ。
今、アメリカの若者に、何になりたいか聞くと、インフルエンサーになりたいという回答が圧倒的に多いのだそうだ。
何をやるかではなく、インフルエンサーになりたい。
そんな現状に、何を成し遂げるかが大切だと伝えているようにも思える。
指パッチンや、徹底的に相手を打ちのめすこと、自分だけが注目の的になるようなことに、調和やより良い未来は、きっとないのだ。
メイの言葉は重い。
「全ての人々に救いの手を」
これが、この作品の最大のテーマなのだろう。
……と長くなりましたが、スパイダーマン・シリーズの過去作品のヴィランだけじゃなくて、トビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールドのスパイダーマンまで登場して、このシリーズへのオマージュというかリスペクトも満載で、いや、本当に楽しかった。
MITへの入学についてヘルプが欲しいと頼みに行く、のび太感のあるピーターと、それを渋々だけど受け入れようとする、ドラえもん感のあるドクター・ストレンジのやり取りも、物語の先行きに不穏な雰囲気を漂わせるけれど、ワクワク感につながる。
シリーズものは、最初が良くてとか、いやいや2だよとか、ありきたりな議論はあるけれど、こうやってシリーズが育っていくんだというような見本にもなるような作品だと思う。
次回作と、Dr.Strange will returnに期待大。
※ 丸の内ピカデリーのDolby Atmosの最前列のリクライニングで観て良かった‼️
今度は、もう一回、IMAXで観に行く‼️