「虚構と現実の絡み合い」鳩の撃退法 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
虚構と現実の絡み合い
先週末公開の期待作のうちの1本で楽しみにしていた本作。なかなか複雑に入り組んだ話で、十分に理解できた自信はないですが、それなりに楽しめました。
ストーリーは、かつて直木賞を受賞した人気作家で現在はデリヘル嬢の送迎運転手をしている津田が、コーヒーショップで出会った男をモチーフに執筆した新作を担当編集者に読ませるが、その内容がフィクションとは思えず、現実に起きた事件と照らしながら真相に迫るというもの。
主演の藤原竜也さんは良くも悪くもいつもどおりの演技ですが、風間俊介くん、西野七瀬さん、岩松了さん、土屋太鳳さんらがしっかりと脇を固め、作品の雰囲気を作っています。中でも、豊川悦司さんの貫禄と存在感はハンパなかったです。他にも多くの俳優が登場しますが、これがまた本作を複雑にする一因となっています。
本作では、津田が編集者の鳥飼に作品を少しずつ語る形を取りながら、現実に起きている事柄が断片的に語られるという構成になっています。そして、その内容が虚構なのか現実なのか、過去なのか現在なのかが把握しにくく、目まぐるしく変わる展開に振り落とされそうになります。
しかし、この断片が後半に一気にリンクし始めると、モヤが晴れるような爽快感が味わえます。本作は、この瞬間を味わうための作品だと言ってもいいくらいの気持ちよさです。
とはいえ、そこまでの展開が思った以上に地味なうえ、つながりがわかりにくく、作品世界にイマイチ入りこめなかったのも事実です。休日出勤帰りの鑑賞だったことも手伝って、睡魔に襲われて内容がしっかり頭に入ってこなかったのかもしれません。機会があれば、しっかり覚醒した状態で再鑑賞してみようと思います。
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