「FishmansはいかにしてFishmansであるか」映画:フィッシュマンズ Allanさんの映画レビュー(感想・評価)
FishmansはいかにしてFishmansであるか
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この映画は、ドキュメンタリーとしてただ過去の出来事を並べるのではなく、Fishmansというバンドを解釈することで、過去から現在を再構成している。だからこそ私たちは「Fishmansとは何だったのか」ではなく、「Fishmansとは何なのか」を少なからず映画の中に見つけるのだ。つまりこの映画は、単純に過去を回想するのではなく、80〜90年代を生きたFishmansから、今を奏でるFishmansを説明する。エンドロールの後に、茂木欣一の「一生モノであるFishmansという宝物を生かし続ける」というセリフを挿入したのは、きっとそういう意味を含ませたかったからだろう。
そのように考えるならば、私たちはFishmansにある一つの運命を感じ取る。Fishmansという大きな枠組みの中で、佐藤伸治が仲間と出会ったこと、バンドがなかなか売れなかったこと、メンバーが一人また一人と抜け、関係者がバンドを離れたこと、佐藤が突如いなくなってしまったことなどは、全て「そのようになっていた」のではないか。その運命の中で、彼らは音楽を奏で続けているのではないか。
説明不足(HONZIのサポート加入や「宇宙 日本 世田谷」の制作など)や、構成の退屈さ(インタビューとライブ映像の繰り返し)という問題点もあったが、多くの新しい視点を提供してくれたこの映画と、製作者の努力には率直な拍手を送りたい。
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ミソニー鯖さんのコメント
2021年8月11日
「退屈だった」と想う人もいるんだな〜
おれは数少ない大好きなバンドの一つだからかも知れないけど、バンドのストーリーに引き込まれて3時間はあっという間に過ぎさったな。