「単なるBLではない」デュー あの時の君とボク ジュンさんの映画レビュー(感想・評価)
単なるBLではない
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ポスターに騙されました。
主役ふたりに、同世代の女の子……てっきり良くある三角関係のBLものだと思っていました。
が、視聴して、その予想は裏切られました…。
ときは1996年、男性同性愛者によるエイズの蔓延が問題となっていたタイの田舎町で、同性愛者とあらば矯正合宿へと問答無用で送り込まれ、もしその疑いがあらば親からは勘当されかねない……そんな世界観で物語は始まる。
普段見るタイのBLドラマは同性愛について、少なくとも当事者世代は何も引っかからずに恋愛しているだけに、当事者がある種の強い忌避感をもって同性愛を捉えているのが逆に新鮮でした。
主役のふたり、とくにohm君のちょっと浮ついていて、でも繊細ですこし不安定な要素のたるデューの演技は、この年代の恋愛が抱える危なっかしさをよく表現していたと思います。
中盤以降の展開は想像と全く異なり、正直腑に落ちない点もありましたが、そも人の恋愛に腑に落ちるも、落ちないもないわけで。
ただ、このふたりは、時代が違えば、あのとき会えていれば、あのとき違う言葉がかけられていれば、違う展開があったのかもしれない、あってほしい、と思わずにはいられませんでした。
あのエンドをバッドととるか、ハッピーととるか、人により異なるとは思います。そういう意味で、考えさせる映画でした。
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