「これは賛否分かれるな(笑)。」明け方の若者たち 愛梨さんの映画レビュー(感想・評価)
これは賛否分かれるな(笑)。
私は作品として普通に面白かったですが、R15+をわざわざ指定しているのがわかる気がします。
確かにこれは小中生には絶対見せちゃダメなヤツだ(笑💧)。
ちなみに高校生は家庭内事情によっては地雷になり、大人でもこれをどこまでまぁ映画だしねと割り切れるかで楽しめるか否か分かれます。
ある意味見る人を選びます。
うっかり北村匠海くんまたは黒島結菜ちゃんのファンだからってなんにも考えずに見ようとしない方がいいと思います。
人によっては見たくなかったと思うので。
だけど主演ふたりのお芝居は圧巻です。
結菜ちゃんが演じる既婚者の「彼女」に未来はないと最初からわかっていながら不毛な恋を始めてしまう匠海くん演じる「僕」と罪悪感に苛まれながらもどんどん倫理観から外れていく「彼女」の姿に、良い悪いはおいといてどうにかならんもんかなー……いやーそれはないかー……などとボンヤリ思いながら傍観してた感じです。
多分この、理性に反する感情を生ませたのは間違いなくふたりのお芝居なわけで、上手いなぁと。
あとうわやられた!と思ったのが実は許されない恋でしたというのがわかるのが後半になってからという筋書き。
まぁ「『僕』は『彼女』に対して好きだと伝えるシーンがちゃんとあるのに対して『彼女』は受け入れはするけど返さない。しまいには情を交わしている最中に『僕』はぼろぼろ泣いてしまう」という布石はあるんですけど、まさかね……と思ってたらそのまさかで「マジかー!!」とつい小さくですが叫んでました(笑💧)。
結局最後は彼女の旦那にバレる前に別れるのですが、しばらく引き摺りまくり仕事もズル休みしてしまうレベルで落ち込んでしまう「僕」においこらと思いながら、でもわかるなー……と完全に軽蔑できない自分がいたり(笑💧)。
彼女には幸せでいて欲しいから自分は彼女にとって2番目で構わない。
だけど逢っている時だけは自分だけを見ていてほしかった。
不倫とか浮気とかそんなのどーでも良くて、ただ彼女が欲しかった。
どういうわけか風俗嬢相手にそんなことを愚痴り挙げ句はメソメソ泣いてしまう「僕」が情けないやら可哀相やらで。
でも多分知らない人にだから言えたんだろうなぁとこれもこれで「わかるなー」なんて思いつつ、気づいたら貰い泣きしてました(笑💧)。
とにかくこの、憐れな僕を演じきった匠海くんが天晴れです。