劇場公開日 2021年12月31日

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「明大前で始まるラブストーリー第2弾」明け方の若者たち kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0明大前で始まるラブストーリー第2弾

2021年12月31日
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鑑賞方法:映画館

映画「花束みたいな恋をした」が好きだ。楽しくて嬉しくて切なくて悲しい、そんな誰にでも経験ありそうな恋愛体験を思い出させてくれる良作だった。
本作の始まりのシーンが明大前で、サブカルっぽい会話が少し登場する。キリンジの「エイリアンズ」が流れるシーンなんてとってもいい。意図的に「花束〜」に寄せたわけではないだろうが、どうしてもあの映画を連想してしまう。付き合ってからの2人が楽しそうだから勝手にその先を予想してしまい、不思議とめちゃくちゃ切ない気持ちになった。
でも、その展開は予想していたものとはまったく違っていた。なるほど、うまくミスリードしてくれたな。この事実が明らかになるだけで今までのいろんなことが切なくなっていくという演出がいい。
しかも、あのラストシーン。「花束〜」よりも「ボクたちはみんな大人になれなかった」を連想する最後だった。道徳とか倫理とかどうでもいいんだよ。人を好きになった体験を美化していい。そんなことを彼には伝えてあげたくなる。彼も彼女も名前が出てこなかった(気がする)のも意図的なものだろう。皆、自分の体験に引き寄せて鑑賞させようとしたのかもしれない。
メインの2人(北村匠海と黒島結菜)が好きで観たのだが意外と当たりだった。ただし、万人受けするとも思えない。「花束〜」と「ボクたちは〜」が好きな人には自信を持ってオススメできるけど。

kenshuchu