サマーゴーストのレビュー・感想・評価
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色々と惜しい作品
loundraw と言う絵も描き文章も書くと言う、まだ27歳の若手アーティストの作品というので、いささか驚きもありつつの(知ったのは鑑賞後)良い感じの作品だと思います。内容も〝幽霊〟ネタでストーリーもマズマズ。実は今の自分には結構当てはまるテーマで、身につまされる部分もあったりしました。
短尺作品ですがムダに長くて集中力続かないよりマシですし、ただチョッと短め?かなと。もう少し描写を見てみたかったです。
淡々とした展開と解りやすいストーリーで、無駄を省いた上での40分なのでしょうが、個人的には『溜め』や『間』がもうチョッと効果的に仕込まれれば良かったかなと。何となく一定速度でお話が進んでいく感じです。
ビジュアル的には若干スクリーン向けとしては解像度が粗めで、サッコンの気合の入った劇場版アニメのソレに比べたら僅かにピンの甘い印象でしたが、コレは『味』と言う解釈もできます。
ただし、花火のシーン(+花火の作画)が今ひとつ宜しくないのと、絵に描いた後ろ姿の女性を「キレイ」と形容する掛け合いの不自然さもあったりで、細かい所で気になる部分は散見されます。
冒頭の3人が集まる流れもぎこちなかった印象だったり、イジメのシーンも何らかの根拠が欲しかったり、病気についてももう少し〝何か具合悪そう?〟くらいの見え方が欲しかったり。でないと結果ありきの段取り感が滲んでしまうかと。
この辺は物語上重要性はないのでしょうが、とは言え巧く観せないと取って付けた・切って貼った感が否めません。
そして、ブツを見つけたシーン、ソコはあの様にするしかないのかな? まァこの辺も不自然は仕方ないのでしょうか。もうチョッと練りが必要だったかも‥‥
そして、イヤに動画がガタっており動きがあまり滑らかではありませんでした。しかもトメのシーンにビビリがあったり、動画作成に不備問題があったのは残念です。観ていて結構気になるレベルです。
そんな訳で、普通に感動的なイイお話ではありましたが、技量技術的にキャリアが積み上がっていけば今後の期待値も上がりそうな(新海誠系?)、若手アーティストの登場だったかと思います。
以下余談ですが、『どうせいつか終わると思ったら〜』のセリフは、今の自分に少しばかりの道標になった気がします。
と言うのも実は現在、新型コロナの影響で生活環境が激変してしまい、精神的なストレスが積もりつつあるため、霧の中に居る日々が続いています。でも今は漠然とした不安にあるとしても、それも〝どうせ〟いつか終わる時が来ると思い、その時その瞬間をやり過ごしていこうと思った次第です。
悲惨な青春だけど、今日も懸命に生きる。
いじめられっ子の女の子とか余命半年しかない少年(主人公の親友)、そして幽霊になった美少女。悲惨さを感じると同時に、それなりに青春をしていると感じました。幽霊が出てくるから怖い話ではなく、体感時間が2時間も感じるストーリーが良かったです。生きるとは何だろうかと考えさせられました。
あと欠点というかどうでも良い点ですが、中編アニメ映画なのか、絵が雑で動きがぎごちないところが散見しましたが、自分の中では許容範囲です。後半は涙腺が弱い人には涙がでそうな場面があり、幽霊になった美少女が消え、そして、親友までも。
音響がしっかりしているのでステレオ音声で、聞きやすかったです。
生きるという意味を考えさせられました。
爽やかな一夏と人夏の思い出、花火に焦がれる優しい短編
最近、短編にハマっていることもあり、サクッと観れる映画ということで劇場で鑑賞。忙しないけど、自分の死生観もグワングワン揺らしてきた…。
アニメーションに関しての知識はなかったので、最近のPVっぽい描写が印象的。人物も背景と同系の色に染まっており、言葉や仕草以上に感情が映える。3人それぞれの影が浮き彫りになっていき、3様の苦しさが滲む。シンプルだけど作品のピースとして機能するようになっているのが印象的だった。
そして意外だったのが、川栄李奈の起用。最近は俳優がメインに座り、声優が脇を固めるパターンが多いが、本作は逆。声優がメインにいた上で川栄がキーマンとなる。そのアプローチも自然かつ見事に調和。爽やかな余韻となる。
夏の終わりの爽やかな一時と物寂しい雰囲気。大切な人を思い出したくなる、優しい作品。
息苦しさ
短い映画なので、テンポが速いんです。
そのせいなのか、台詞と台詞の間が窮屈な感じがしたの。
それでいて、台詞自体は抑揚が少なくて淡々としているので、息苦しい印象を受けるんですね。
それが、生きる事に息苦しさを感じている若者達のストーリーに合っていて、この映画の雰囲気を作り上げていたと思います。
これ以上観ていたら、息が詰まってしまいそうな気がするから、この短さで丁度いいのかも。
それから、この映画は短いので、一般料金が千三百円に設定されてたけど、小児料金は普通に千円でした・・・。
良い作品。
ストーリーが面白く、40分で上手くまとめられていました。
絢音との出逢い、涼の死が友也とあおいにとって、現状を変え、悔いなく生きるきっかけになる。
どうやってトランクを見つけたのかは謎。
後処理はどうしたのだろう。警察に言っても信じないだろうから。
涼は成仏出来ていないのだろうか?
最後に何も言えなかったとはいえ、再会した時に特に二人に伝えたかったことがあったわけでもなさそう。
友也、よく母親説得出来たな。(ブルーピリオドが被る)
あおい、可愛いのに何故イジメられる?
等あったが、話に引き込む魅力の方が圧倒的に勝っていました。
つまらなくはないですが、、、
loundraw というイラストレーターが立ち上げた短編映画。小説「君の膵臓をたべたい」の挿絵やアニメ「月がきれい」のキャラデザの人。
絵と色はきれいで、絵描きが創る作品だからストーリーは、まあこれで充分としても、エンタメなのかアートなのか中途半端。アマチュアの自主制作なら「よくできました」なのだが、商業作品だと特徴なさすぎかな〜。
ストーリーは幽霊と高校生3人のジュブナイルもの。ストーリーは単純だけど、これでもちゃんと面白く、コミカライズの漫画はちゃんと読める話。
で、絵描きのアニメだからストーリーを端折っても構わないが、じゃあ絵でなのを伝えたかったのだろう、、、。なんとなく、色彩のグラデーションを使って伝えたいのかな〜と思いましたが、、、よくわからなかったです。
つまらない訳ではないが、あ〜もっと面白くなれたかも、と言うのが素直な感想です。
タイトルなし
自分で決めたほんのちいさなきっかけ、
たとえば幽霊を探そう!ってネットで仲間を募ること、その書き込みを見つけて応じてみること
ちいさなきっかけから新しい出会い、仲間とか友達とか居場所とか始まるかもしれない。一人で耐える、逃げる、戦うのは大変だ。ちいさなきっかけを見つけられるといいよね。
今後が楽しみ
loundrawさんの繊細な絵と色彩がそのまま動く感じで綺麗。
どことなくギクシャクした動きは、動画枚数が少ないのか?中割りを減らしたの?と思わなくもないが、昔のテレビ番組に比べれば、といろいろ思い出せば許容範囲。
繊細で壊れやすい10代が生き死について考えたときの不安定さを、幽霊とともに描かれていて、脚本の乙一さんの持ち味が出ていたようにも思われ。
こういうジュブナイルともヤングアダルトともライトノベルともつかない青春ものって、小説で昔読んだような。
懐かしいような、既視感あるような。
なんだったかな?
コバルト文庫系?
映像で言えば、初期の新海誠さんテイストでもあるような。
ともあれ、悪くない。
今後が楽しみな「新人監督」さんがひとり生まれた、という印象でした。
注目していきたいなと思いました。
別れの言葉は「うらめしや」
日が沈んだばかりで茜色がほのかに残っている夏の飛行場跡地で三人の高校生が線香花火をつける。このシーンが幻想的でいきなり引き込まれてしまった。線香花火がパチパチと不規則な点滅を繰り返すアニメーションが心を癒してくれる。
川栄李奈が幽霊の絢音の役だが、現世に未練があるのかないのかわからないくらい落ち着いた声で、感情を表に出さない幽霊をうまく演じている。軽い感じで発する「うらめしや」という別れのあいさつは、後で考えてみると深い意味になっていた。
短編ながら登場人物をしっかり描けていて、4人それぞれの心情が伝わってくる。90分あれば残りの季節のエピソードも挿入できたと思う。でも、線香花火と同じく短い物語であることによって、長い余韻に浸ることができた。
レビューしづらい
若い女性の幽霊サマーゴーストは、夏の間、花火をするとその姿を現した。現れた原因は自分の体を探してもらうためだった。受験生の杉崎友也、いじめられてる春川あおい、病気の小林涼はそれぞれ悩みを持っていた。さてどうなる、という話。
なんか入り込めず、興味も湧かず、良くも悪くもない感じで眠くなった。
川栄李奈の声は違和感無かった。上手かったという事なのかも。
レビューしにくい作品だった。
色々考えさせられる作品
死へ触れる機会のある3人が出会いサマーゴーストに会う。設定が良く、流れもいい。一人一人の過去?というか現実?の話やゴーストになった理由等感動するところがある。
ただ、もうちょっと長くして一人一人について描いてもいいのでは?とか、終わり方もいいけど物足りない感。
これを見て、自分の今の生活や価値観等見直そうと思った。病気や事故で死んでしまう人、いじめられている人、自分の生き方を生きれず死んだように生活する人、ただ淡々と目標もなく生きている自分に少しクルものがあった。色々頑張ろうかな、、、
次作が気になります
「各カットに必要なものを適切に入れた映像作り」をこだわり目標の製作会社
それは本編開始から感じさせます
だからでしょうか40分が短いとは感じさせませんでした
いずれ目標である長編の際も、どのカットも無駄の無い飽きの無い釘付けになる作品を期待せずにいられないですね
私史上、最短映画。フツウとしか言いようがない。
僅か40分のアニメ。意外と盛況で、7割ぐらいの入り、土曜夕方とはいえ意外。
なぜだろう??
チト前の「ロン」「アイの歌声を・・」が公開すぐの週末という同一条件でガラガラの閑古鳥だったの考えると非常に不可解??
ストーリーも単純で浅い。青春。ほろ苦く甘酸っぱい。
ただ、殺人事件なのだから、もうチコっと幽霊側に恨みとか悲壮感ないのは疑問??
なんで、トランクに入れられて地中に・・・なのに「爽やかで魅力的」なのか理解に苦しむ。空を自我が飛ぶのは「スーパーマン」の70年代バージョン風。ヘンテコで良い。
まあな、青年期に感じがちな閉塞感、親の呪縛は昔も今も同じで、共感できるし、時間を考えると普通のアニメ映画。
有料パンフが@1800円で、鑑賞料金上回る珍現象。思わず買ってしまったよ。
まさに暇つぶしのフツウ映画。3時間超えの大作で疲れるよりは良いかもね。
心の病んでる人や、死を考えてる人は、見てほしい。
40分と言う短い映画でしたが、ストーリーもしっかりしていて、長編でも全然良い映画だったと思います。
川栄さんの声も冷たさの中にある温かみを感じる良い感じでした。
あんな可愛いゴーストであれば何回でも会ってみたいです。
最後は、予想のつく結末でしたが、良かったです!
40分と短かったけど特別料金とはいえ、高い!
ま〜絵も綺麗だったので、満足はしていますが・・
期待値こみこみ
短い話の中での構成とかオチのまとまりの良さ、必要最低限の会話で観てる側に想像させる感じは乙一みがあって話は全体的に良かったです!短いからあっという間だし観やすかったー。
若手イラストレーターさんの初監督作品?ならセンス良いなぁって思いました。透明感と柔らかい色彩で画面がずっと優しかったー。
ただ何だろう、ポスターにもなってる飛んでる2人とかキャラとかどこかで見たようなデジャブ感が最後まで拭えなかったん。話も何か色んなの混ぜたような気がしないでもなくてぐぬぬぬぬ。
印象的な絵面の見せ場とかセリフとか何か衝撃を求めてしまうのはもう私の頭が昭和すぎるのか?!とも思いつつ、これから制作費とか経験とかもろもろもろもろしたら凄いの作りそうな期待に溢れてます。
これ本当に40分なの?
2時間ぐらい経ったと思ってた。
カメラワークや映像表現の美しさ。立ち上げたばかりのアニメスタジオでたぶん限られた予算の中でこれだけの素晴らしい作品が作れるのなら、、もし潤沢な予算で商業作品を本格的に作ったら、、10年後には日本アニメ界の巨匠の1人に数えられると思う。
将来たのしみな監督さん
炸裂した、凝縮された作家性
loundraw初監督作品。今作の最初のビジュアルを見た時に「君の膵臓をたべたい」のアニメ版と似てるなーと思ったら、キャラクター原作を務められていたというので合点がいきました。とても好みのキャラクターデザインだったり、タイトルのストレートさだったり惹かれるものが多く楽しみに待っていました。(サマーとついてるものだからてっきり夏に公開かと思いきや、肌寒くなってきた11月公開でした笑)
今作40分という劇場公開作品としては異例の短さで、自分が今年観た作品の中でも同時上映を除けば1番短い作品でした。メディアミックスはされていましたが、敢えて情報を入れずに初見で鑑賞しました。
loundrawさんのアニメーターとしての魅力が存分に発揮されていました。灰色に近い白を基調とした風景描写、その白さとの対比のように美しく光る青空や夕焼け、夜空。線香花火の小さな閃光すらも見惚れてしまいました。地面の下を水として映す表現も素敵だなと思いました。
物語もサマーゴーストこと絢音の体を探すというもので一貫しているので、無駄な要素が全くない綺麗な映画でした。変に横道に逸れたり、男女の物語だからと恋愛に走ったりなど、余計な事をしなかったのが功を奏しています。自分を見失っている友也、病気を抱えており寿命が差し迫っている涼、同じ学校の生徒にいじめられているあおい、と型にハマりながらも、現代の若者を象徴しているものから、病気という身近ながらも遠いように感じるものまでカバーしているので、脚本を務めた乙一さんの構成力もお見事だなと思いました。そんな3人が同じ目標に向かって力を合わせるのも一種の青春だなと思いました。
絢音がサマーゴーストになった理由は、自殺ではなく他殺という中々に重いテーマでした。絢音の遺体を探すというヘビーな展開を、空を飛ぶなどのファンタジックな世界線が混じりあっているので、ヘビーに感じなかったのも凄いなと思いました。3人が出会ったこと、3人が絢音と出会ったことにより前を向く理由を見つけ、友也は美術の学校へ行き、あおいはいじめっ子に立ち向かい、涼は病気での死後、サマーゴーストとなり、2人を暖かく送り出しました。というストーリーでした。
40分という時間に詰め込まれたひとつの物語がとても面白く、もっとこの世界を堪能したいなと思ってしまった程です。漫画版や小説版も出ているみたいなので、一通り読んでいこうと思いました。新たなアニメーションの時代を体験できる今作、超オススメの一作です。次の作品も楽しみです。
鑑賞日 11/12
鑑賞時間 16:40〜17:30
座席 H-11
唯一の欠点は短編映画というよりは長編映画の圧縮だったこと
非常に完成度の高い映画でした。
映画としての、映像と音楽は大変良く出来ているため、それだけでも観に行く価値があります。
本題のレビュータイトルに関して。
これはストーリーについてですが、短編映画という割には内容が濃く、このテーマならばもう少し描かれるべき過程があったと思います。
長編映画であれば丁寧に描かれていた過程をすっ飛ばして短編映画にしたのがこの映画という印象です。
ただ、あくまですっ飛ばされたのは過程なので少し急だなと思う程度で、伝えたいメッセージはきちんと描かれており、脚本の乙一さんらしいストーリーを楽しませていただきました。
既に小説は購入済みなのでストーリー自体はそちらで補完することとします。
今後このクオリティで長編映画を作られた場合の完成度に期待したい、素晴らしい映画でした。
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