「動物は最後まで責任を持って飼いましょう」やすらぎの森 ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
動物は最後まで責任を持って飼いましょう
ヒロインの女優さんは、ケベックのカトリーヌ・ドヌーブとチラシに書かれていたが、なるほど上品で華があり、ありし日の美貌が伺えた。やっぱ美人は、おばあちゃんでも美人さね。
女性写真家ラファエルが美術館の企画で、山火事から生き延びた人を取材し、写真を撮る。そこで複数の人からテッドなる人物の名前が挙がる。ラファエルはテッドを探し始める。どうやら人里離れた森の中で生活してるらしい。訪ねてみたが、彼はすでに亡くなっていた。
このテッドが残したものと、テッドと暮らしていた仲間チャーリー、トムと、この森に物資を運んでいた若者スティーブと、彼の伯母ジェルトルードが絡んでくる。ジェルトルードは、60年も精神障害施設にいたが、知的障害はない。父親の思い込みで施設に入れられ、家族は彼女の存在をひた隠しにしていた。偶然手紙が出てきて、初めて彼女が施設にいることがわかり、兄弟の葬式のため、一時的に施設から外出した。ジェルトルードは施設に戻ることを拒否したので、スティーブが気の毒に思い、森にかくまった。
ジェルトルードは徐々に明るくなるが、ポツリポツリと壮絶な過去が語られる。よく正気を保っていたと思う。失われた時は戻らないけど、人間らしい暮らしができることを祈る。
ちょっと気になったのは、山火事がキーになる割に、その事の重大さが伝わってこないこと。美術館が山火事を展覧会の企画にする、その意味がわからないし、たびたび挿入されるモノクロの火の映像も、何を示しているかピンと来ない。カナダに住んでればわかるの? あと、ラファエルの写真の撮り方がなんかやだ。あれだけの写真で展覧会になるのも、ええーと思った。
自然の中で暮らすには、犬が大切なパートナーになるのは当然だけど、死ぬ時に道連れにするのはどうなのかな。最後まで責任持つのがあるべき姿だけど、あまりにも人の付属品のようで、見ててモヤモヤした。「動物に傷つけず撮影しました」と出たけど、価値観の違いに少し戸惑った。
ぷにゃぷにゃさん、コメントありがとうございます。
犬を飼ってる人でも多分賛否両論かと思うのですが、たまたま亡くしたばかりだったので、刺さる刺さる・・・
死んだ日に思いっきり泣いたから、鬱になることもないだろうけど、ふとしたことで思い出すのがつらいです。