100日間生きたワニのレビュー・感想・評価
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欠点を超えてくる魅力と、原作を深化させる新たな視点がある。
正直、前半には退屈さを感じたし、描かれている凡庸な日常がテーマとして必要なものだとは頭でわかっていても、どうにも入り込めず「でも退屈なんですごめんなさい」という気持ちで観ていた。
ところが、映画オリジナルの「ワニの死の後」を描く後半の展開になって、凡庸な退屈さに、大きな膨らみが生じていることに気付かされる。身近な誰かを亡くしても、劇的なドラマもないまま日常は続いていくが、凡庸な日常は、もはや永遠に同じものではなくなってしまう。その差異を、繊細に映し出す映画になっている。
ウザキャラのカエルくんの孤独、というのも、映画で加わった重要な要素であり、個人的にはカエルくんは苦手でお近づきになりたくないが、そういう人にも等しい重みの人生があるという視点は、原作にさらなる奥行きを与えていると思う。
とはいえ、不満な点もある。カエルくんが同じ悲劇を体験しているという設定はご都合主義がすぎるし、同じ悲しみを共有することで繋がれるというのは、人と人との可能性を狭めることになってはしまわないか。そういうことも含めて、ちゃんと評価されて欲しい作品だし、原作にない「101点」というセリフにつなげる流れは、脚本としても「おみごとです」というほかない。
とても残念なことだが、完全に犯罪レベルの嫌がらせや誹謗中傷に近い公開前の酷評レビューで騒ぎになったせいで、この映画をフラットに観ることはいささか難しい状況になってしまった(もちろん原作終了後に起きた炎上騒ぎも大きな影響を及ぼしている)。
ただ、これが駄作であれば、「どんな映画もこんな酷い扱いを受けるいわれはない!」で済む話なのだが、観てみたらまったく駄作などではなかった。興行としても作品としても、とても不当なそしりを受けていると感じた。
絵柄のシンプルさゆえに紙芝居と揶揄されることもあるようだが、アニメーション表現としても優れていると感じたし、なんなら心の機微を救う素晴らしいアニメを作ったふくだみゆき監督が共同監督、共同脚本を務めていること、また伝説の御大、湖川友謙がアニメーションディレクターがであることも頭に入れて、すき間に込められた表現の妙を味わう仲間が増えてくれたらと思っている。
日々大切に生きなければ。。。
一時期世間を賑わせていた作品なのは知っていましたが未見、アマプラに上がったタイミングで思い出し時間も短かったので観てみました。
絵もシンプルで観やすく、話も淡々と進む感じで、あっという間の1時間でした。
映画を観終わった後に原作を読んでみた上での感想ですが、賛否のある映画版後半のカエルくんのお話は個人的にはアリだと思います。
カエルくんのお話が加わることでワニくんの人生が際立つ感じがしてより切なく感じました。
ただタイトルはやはり『100日後に死ぬワニ』のままのほうが良かったとは思います。
ほとんどの人が原作のタイトルを知っている上で鑑賞されるでしょうが、もし仮に全く知らない人が『100日間生きたワニ』のタイトルで本作を観たとしたら間違いなく「ん?なんで?」となるのでないでしょうか?
私自身、人生の折り返しは過ぎているはずですが、東日本大震災からちょうど12年後にこの作品に出会えたことの意味を含めて、何気ない日常を送れることにもっともっと感謝しなくてはとあらためて感じることができました。
想像してたほど酷くない笑
完結後の唐突なメディア展開で炎上して、映画爆死したのを知ってる程度です。原作は未読。
映画公開後のレビューが紙芝居だの無駄な間が多いだの散々だったので、どんだけ酷いんだろ!?と逆にワクワクしてたくらいなんですが、見てみたら想像より動いてたし、間はそんなに気にならなかったというか許容範囲かなと思いました。
淡々と平凡なワニくんと友達や好きな相手との日常を見るのもほっこりしたし、こんな平和に楽しく過ごしてて「帰ろうと思えばいつでも実家に帰れる」なんて言っちゃってても「こいつ死ぬんだよなぁ…」と分かってると、くるものがありましたね。
声優さんも悪くなかったですよね。神木隆之介はもちろん他の俳優さんもキャラの雰囲気に合ってたと思います。
ただ、カエルが空気読まずにグイグイ行きすぎで、みんなにやんわり拒否られて、唐突に泣き出して友人の事を話し出したのを見たときは痛すぎて気分悪くなった。メソメソ泣いて「ありがと、ありがと」とか、かまちょな悲劇のヒロインみたいできっつー…ってなった。可哀想とは思うけどももっと別のアプローチの仕方ってか普通に接しろよ!
ちなみに私はアマプラで見たので無料だし、酷評されてるのを知った上でハードル低くして見たので、そこまで酷い作品とは思わなかったのかもしれません…。
63分1900円でほぼ盛り上がりのない内容の上、情報量の少ない簡素な作画(作画崩壊はしてないよ)では…割高だと思うし、劇場で見てガッカリした人の気持ちは察せます。
追記
わりと気になってたんですが何でワニくんだけ服着てないの??
ワニとその後
原作を見ずのこの作品が初めて見ました。話題になっていた事もあって気になる作品。
内容は、ワニの主人公が死ぬ事から始まり、それを100日前まで遡ってワニが生きていた時間を物語る作品でした。どこかほのぼのした感じでどこでもある様な風景がいいなと感じました。好きなバイトの先輩と仲良くなる為に色んな試行をめぐらしたり、友達と些細な言い合いでぶつかりながらも仲良くなったりと。
そんなワニが居なくなってからネズミというキャラクターが登場するのだが、なんとも言えないくらいのウザキャラという設定で見ていて悲しくなりました。笑
そんな彼をうまく受け入れる事が出来ずにいる主人公の友達達が徐々に打ち解けていく姿が良かったです。
予想以上のものを期待してみるとそうではないと感じてしまうけど、なんでもないものってこれくらいの感じじゃないのかなぁって思いました。
カエルの登場に意見分かれるが
Twitterで話題になっているということで、書籍版購入。映画館に行くほどではないだろうと思っていたらすぐに上映終わっていたようですね。
DVDレンタルになって観てみると、前半は淡々と進んで思っているより早い段階で終了となり呆気に取られていたら映画版オリジナルの後半スタート。
カエルの空気の読めないキャラにこれまたあっけにとられていましたが、見終わってみるとこのカエルも頑張ってキャラ作っているんだと、なんだか切なくなりました。
後半にワニの存在感はどんどん薄れていってしまったけど、批評や炎上になるほど悪い作品ではなかった(私的には)。
ワニで泣かなかったのになぜかカエルで不覚にも泣いてしまった。
Twitterで雑に叩かれてたので観に行った録
本作の主題は「喪失感の超克」だと思うのですが合ってますでしょうか…って原典で当の主題たるワニは鬼籍に入ってる訳でそれ以外描き様が無いっすよね。
本作は原典をある程度なぞる体で始まり、一つのピークたるワニの死を経て、(外から来た、と云う意味で字義通りの)アウトサイダーのカエルを受け入れる形で幕を閉じます。
割とネズミの視点で描かれる場面が多いので、ネズミが事実上の主人公と言っても差し支えないかと思います。ワニ死ぬし。
本作では(ワニ死去に伴う)愁嘆場の類は明確に描写されませんが比喩表現がその代わりを担ってます。主にワニ入滅後の天気とかネズミの部屋の荒廃具合とかラーメン屋の閉店とかですね。
とっても分かり易くて助かりますが、とっても分かり易すぎて「馬鹿にされてんのかな」と勘繰ってしまいます。違法合法問わずその遠因になるスティミュラントの類を摂取して鑑賞しない方が良いかもしれません。
あとアウトサイダーたるカエル(映画オリジナルキャラらしいですね。知らなかった)のキャラ造形は超好き嫌い分かれるかも。自分も少し「ウゼぇ」ってなっちゃったので…。
まあそんなピエロな彼も案の定訳アリで、ネズミが彼の喪失感を誰よりも先に汲み取り雨上がりのツーリングへ。すると…山を上がった所で空が晴れるんです! 思わず心の中で「馬鹿にしてるんか! 」ってなっちゃいました。
上田監督ごめんなさい。
個人的に引っかかったのはそこ位なモンで、後は少々船を漕ぎかけつつ鑑賞致しました。
恋人や伴侶の類がいないので分かりませんが、デートムービーとしては良いんじゃないでしょうか?
作画は原作準拠だし声優さんの演技バッチリでしたし。
ぶっちゃけ何回も観たいとは思いませんが…。
ただ、きくちゆうき先生の作品では「スーパーどうぶつーズ」が好きなんですよね。アクしかない作画とか雑に登場人物が死んだり殺される所とか。
同じ座組でアニメ化して欲しいっすね。
以上です編集長。
P.S.
この映画のおかげで、漠然と嫌いだったいきものがかりが明確に嫌いになりました。
いきものがかりファンの皆様、ごめんなさい。
主題歌も良かったです!!
映画館の早い時間の回ということもあり、
映画を観る人は私だけでした。😂
原作は、最後ひよこを助けての、、
ということしか、前情報なく鑑賞しましたが
思っていたより、良かったです!!
死に関して、考えることを避ける
ことが多いなかで、ワニの
死ぬ前の日常や亡くなった後の
周りの方の生き方を通して、
自分の人生、日々の時間は
大変貴重だからこそ
どう生きていけばいいのか、
考えるきっかけをつくってくださり
とても良かったです!🍀
声優も豪華で素晴らしく、なにより
主題歌のいきものがかり「TSUZUKU」の
歌詞が映画の内容に本当にぴったりで、
より感動しました✨><
TSUZUKUを聴きながら、
自分の1日1日を大切に
生きていきたいと思いました🌸^^
追記:コメントに低評価をわざわざ
残す人もいてびっくり~😒😞💨
誹謗中傷する時間あったら、
しっかり映画を観てほしい😾
ちゃんと良作でした
ようやく見に行けましたが、なかなかの佳作でした。
作画はキャラクターは原作準拠でシンプルですが、背景も構図も演出もきちんとしていて、ちゃんとしたスタッフで丁寧に作られていることが分かります。
メインのキャストには本職の声優ではない人も多いですが、皆さん違和感なく自然に演じておられました。
元ネタの「100ワニ」は1日1話、日常の小さなエピソードを淡々と重ねてゆくことで、それが突然断ち切られる理不尽さと、だからこそ振り返ってみたときの過去の何気ない日常の尊さ、愛おしさが際立つ、という作品でした(そして直後に台なしにされた)。
映画の後半では、その先、遺された人々の喪失の物語を描きます。
映画の短い時間では原作のようにエピソードを積み重ねるには到底時間が足りず、エッセンスを凝縮した形になりますが、それが後半、同じ場所、似たようなシチュエーションを重ねることで、その後を生きる友人たちの喪失感と癒えない傷を繊細に描き出す。
前半のエピソードが後半の展開に密接に関わる構成は美しく、さすがの上田監督かと。
派手な見せ場はないですが、日本映画らしい味わいのある作品でした。
ただ、大きな映画館で大々的に全国展開するような大作扱いは違和感ですね。
小規模な映画館でいいから、ちゃんと映画が好きな人々に、愛されながら楽しまれるべき作品でしょう。
好きな映画です。
事前の酷評に少々不安になりながら観に行ったが、しっかり泣かされてしまった。
前半はワニとネズミとのやりとりのゆるい感じに癒され、後半の展開では、無理なく自然に作品に引き込まれた。教えられることが多い作品だった。
私は、大好きな作品だ。こんな温かい作品が受け入れられない世の中を憂いてしまう。
単純に質が悪いです。
最初に断っておきます。原作「100日後に死ぬワニ」を一度も見ていない状態でのレビューとなります。
簡単にまとめて「こちらのアニメ制作に関わった人達が一番の被害者です。」と思いました。
キャラとの間を大事にしているのでしょう、環境音だけが流れる場面が多く、ほぼキャラが止まってます。
原作を重視しているのでしょう、すべての絵のクオリティが底辺です。ですが、
原作の内容が良かったから、共感できる内容だったから人気が出たと思ってます。更にTwitterとゆう媒体で無料で見れたってゆうのも強かったと思います。
声優さんに関しては、声が綺麗・かっこよすぎると感じました。洋画向きだろ!って声優(俳優さんもいるのかな?)さんばかりで、本作品に向いてません。
63分と短く、内容も薄いのに1900円とフルプライスです。
唯一評価できるのは音楽です。なので評価は星1です。
Twitterでバズったから早く出そうと安易な考えだったと思います。誰がGOサインを出したのかわかりませんが、GOサインを出した人は原作を好きではないのでしょうか・・・
本作品に関わった人達はこの業界で働く限り、ワニとゆう咎を背をって生きていかなければいけません、次回の作品でワニの呪いを取り消せると信じております。
何もない映画
前半は原作のアニメ化
後半はその後の話
まず、映画を、アニメを舐めるなと言いたい
前半はあまりにも話を省略し過ぎでワニが簡単に死ぬ
後半は新キャラのカエルを中心に話がすすむが
手垢がつきまくりな設定な上、あまりにも軽く、心理描写やキャラクタの葛藤などあったものではない
携帯小説のお手軽短編のような濃度で
映画でやる必要はないしYouTubeの同人アニメレベル
元々、原作終了後のワニの死は商売に軽々しくされ、命の軽さが不快だったが
カエル程度のキャラに救済されるワニの死は、いったいなんだったんだろうか?
上田氏は本気でこれを書いたのだろうか?最初からプロットがあったのではないだろうか?と勘ぐりたくなるほど話の起承転結は薄く、あの名作を産んだ同氏とは思えないほどの内容の薄さ
これを考えさせられると言う人はもっと毎日を考えて生きてください……
批判はされてるがメジャーどころだし、上田氏だし、結局面白いと思えるんだろうな、と期待していましたが、
ありきたりな話を下手な展開で見せられて
特に盛り上がりもなくエンドロールが流れた瞬間にびっくりしました
どんなつまらない映画も楽しく見えると自負していましたが
まさか「何もない映画」に出会うとは
人生何があるかわかりませんね。
どうせアマプラ等で間髪入れずに配信されるので
その1900円で美味しいご飯か、懐かしい友人にでも会いに行ってください
そちらのが「考えさせられます」よ
これだから
映画と関係ないが、少し遅れて劇場に入ったら、自分が座るべき席に見知らぬ若者が堂々と座っていた。
場所は渋谷。
本編が始まる直前だったから仕方なく空いた席に座ったが、この後我々が座った席を消毒するスタッフのことなども考えると不快な気持ちになった。
どうやら三人連れで来ている若い男たちである。
これだから渋谷の街は好きになれない。
さて、映画の内容であるが、100日ワニというビジネス展開等は全く無視して単純にアニメ映画の作品として感じたことを。
すごく悪いわけではない。だが、あまりにお金をかけていない部分が、悪い方向に出ているなあと感じた。
そもそも元の絵がアレだから絵がアレなのは仕方ない。ただ、動きまで、また、演出までコレなのはいかがなものか。
音楽も二曲くらいを使いまわすだけ?
絵があれでも(ネズミの耳がお尻にしか見えない)、心情を表現する手法など、工夫して作るべきでなかったか。泣いているカエルの背中など、この絵でもこういう見せ方もあるよなと思わせてほしかった。完全に演じる声優(俳優)頼みである。
淡々としているのは悪いことではない。
作品によってはそれが凄く効くこともある。
ただし、本作については金か、やる気がなかったのだなという印象を持った。
ストーリー自体は嫌いではない。
ただ、本作はアニメを作るということを少しナメている気がした。
紙芝居と書かれたレビュアーの方もいらっしゃったがまさにその通りだと思う。絵本でも、4コマ漫画でもない。アニメーション映画なのである。そこをもっと真剣に考えて制作すべきだったのではないだろうか。
ちなみにストーリーは嫌いじゃないです。ワニと先輩が惹かれ合う理由とかわからないのは難ですが。
60分に込められた全て
他の方のレビューを確認しましたが、まぁ散々な評価ですね。
また上映開始からまだ一週間ほどにもかかわらず、早朝1日1本上映という状況です。
逆に気になってしまい観てきました。
結論から言ってしまえば、人をかなり選ぶ作品です。
キッズアニメにしか見えないキャラクター達ですが、まずこの作品を子供が理解するのは不可能かと思います。
また20代の方達にも『ストーリーに動きの無い退屈な作品』と一蹴されてしまうかと。
おそらく本当の意味でこの作品を楽しめる最低ラインは30代半ばかと思います。
それはこの作品が持つ
『当たり前の事が突如無くなる』
『平凡な時間こそ実は一番の幸せ』
といった要素に共感出来るか否かが全てだからです。それに気付くには多少の人生経験が必要でしょう。
以下ネタバレです。
全体の構成は
①100日目
②1~99日目
③101日目以降
となります。
【ストーリー】
冒頭に主人公のワニが死ぬシーンから始まります。
その後に100日前として死ぬ前のワニの行動が語られて行きます。
当然ワニは自分が死ぬ運命など知らないので、毎日平凡ながらも楽しい日々を過ごしていきます。
『今度』や『いつか』等の言葉を使い、未来への楽しみや希望を語るシーンも何度かあります。
100日後に待ち受ける運命を知るこちらからすれば、ワニ達が楽しそうにする姿を切ない思いで見守る形となります。
なんだかんだで中心人物となっていたワニが死んだ後ですが、良く集まって遊んでいたネズミ、センパイ、モグラ、イヌは疎遠となっています。
そこに悪名高いカエルが登場します。
空気を読まないカエルがワニの居た場所にことごとく土足で入ってきます。
『ワニの場所を汚す奴』と認識したキャラクター達はカエルから距離を取ろうとします。
『お前邪魔』といったニュアンスのセリフは誰も言いませんが行動から読み取れます。
そこでようやくカエルも察し、今まで一切見せなかった弱さをネズミに見せます。
ただ寂しかっただけのカエルの本質を見たネズミはワニとの思い出の場所に彼を連れていきます。
そこでようやくネズミは心から笑い、心から泣けたのです。
ワニが居なくなり止まっていた時間が、カエルという『異物』を受け入れた事で動き始めて物語は終了します。
【声優】
ワニ役で神木 隆之介さん、ネズミ役で中村 倫也さんが演じています。
ワニもネズミも決して物語の主人公になるタイプでは無く、どこにでも居る『普通』の兄ちゃんです。
その自然体の普通をとても良く演じられてたと思います。
【評価】
当初はボロクソに言ってやろうとネタ目的で観たのですが、結果としてとても心に刺さる作品でした。
なぜこんなにも酷評されているのかが、正直わかりません。
こんな事を言う私は少数派なのでしょうか。
正当に評価して頂きたいですね。
世間の評判に惑わされず、きちんと自分の目と心で鑑賞することをオスス...
世間の評判に惑わされず、きちんと自分の目と心で鑑賞することをオススメします。それに値する作品です。
キャラクター達の等身大の心模様が描かれており、彼らそれぞれの思いを感じられる演出が随所に施されています。
特に私はワニくんのお父さんお母さんの事を思うと涙が止まりませんでした。
人間として生きていくってたぶんこういう事なんだよな…と痛感させられる物語です。
冒頭
のストーリーを見て、ずっと悲しい気持ちを持ったまま、最後まで見る事になりました。後半の主人公(?)であるカエル君がウザく感じますが、それはワニ君の亡くなった悲しみを持って見ているからですね。彼にも背景があるのに。
カエル君で完成
皆知っての通り、私もワニ君の最後、ストーリーを知っての上で鑑賞しました。ストーリー知ってはいるが、やっぱり最初のフラグ、小鳥とのシーンと、ねずみ君の桜のシーンは込み上げるものがありました。今回、カエル君がどのように入ってくるのか知らずに観ました。最初、私もねずみ君たちと同じような立ち位置でカエル君の事を見ていました。でもだんだんカエル君の内面の気持ちを感じられるようになってきて、後半ねずみ君との絡みでは、とてもじわっと来るものがありました。この『100日間生きたワニ』は、ワニ君の死を悲しんでワニ君との思い出を偲ぶ…が終わりではなく、カエル君が登場したことによる気持ちの変化、一歩前に進んだこと、がこのストーリーの完成完了ではないかと思いました。
なるべく先入観を持たずに観に行きました。
まずタイトルが改変されているせいでよくわからないものとなってしまっています。
100日間生きたワニ、ですが、これでは生後100日で死んだみたいです。実際には長い人生を歩んできた上で死ぬ、その100日前から(死んだ100日後まで)物語として描写しているだけです。「100日後に死ぬ」というタイトルに含まれる死という文字を忌避する為に考えた前向きなタイトルなんでしょうけど、日本語としておかしいのでもう少し考えるべきでした。
何よりも「100日後に死ぬ」という現在から未来を見ているタイトルと、「100日間生きた」という現在から過去を見たタイトルとでは意味合いが全く違います。単なるポジティブな言い換えではないんです。その時点で未来を知らずに日々を過ごすことから生じる切なさは失われました。
Twitterでは100日後に死ぬと言われていながら本当に死ぬのかどうか読者も見えていない状態で1日1話、カウントダウンと供に実際に100日かけて描かれた点がよかったと思っています。日々を無為に過ごしたり未来の約束をしたり、自分が死ぬとはわかっていないが故に日々を浪費するワニの暮らしを眺めることは、ワニと同じく1日1日を過ごす自分の身に置き換えて身につまされ日々を大事に生きていこうと思わせてくれるものでした。ワニの1日は自分の1日でもあったわけです。そのライブ感がとても秀逸だと思っていました。
一方映画で最初に死ぬ場面を持ってきたのは恐らく多くの人は結末を知っているだろうからの苦肉の策だったのかもしれません。映画というフォーマットが前提にある時点でそれは1つの制約だったでしょうし。しかし、観る側からするとそんなの知ったこっちゃないです。
話を戻すと、最初に死を見せてから100日前に遡るのですが、そこからの時間展開がよくわかりません。冒頭で桜吹雪の中で死んでいるので、クリスマスや正月の描写で時間経過はある程度わかるのですが、100日目に向かってカウントダウンしていく、刻一刻と残された日が減っていく感じがありません。
場面の転換にメリハリがなく、そして何日残っているのかわからないダラダラした印象のまま春になります。ワニ本人は死ぬとわかっておらず、原作でも無為に日々を過ごしており、また100日分全て映像化してカウントダウンするわけにもいかないですし、ここは敢えてそういう演出にしている可能性もありますが、単純に映画として見た時に余りにも退屈で冗長な印象を受けました。
その後の第2部ともいうべき、ワニが死んだ後ですが、ワニの代わりに出てくるコミュニケーションが下手で嫌われ者のカエルのおかげで、ワニの死によって気不味く疎遠になった仲間達が再び集結するんだろうなという予想通りの展開で、予想通りなのに冗長なのでこれがまた辛い展開でした。カエルの性格もムカつくのですが、作劇上そういうキャラがいてもそこはいいでしょう。
とにかく、全般的にすごく冗長に感じるので60分が2時間くらいに思えました。
次に、声優さんも全般的にお世辞にも上手とは思えず、棒読み感が強い印象でした。神木隆之介さんは君の名はとか上手だったと思うんですが、ワニは棒読みでした。あえてああしてるのかもしれませんがそうだとすると意図がわかりません。また、台詞回しがわざとらしいくらい若者言葉に寄せてる印象も受けましたが、それはそれで絵柄と合ってない感じもしました。原作もそこまで変な若者言葉で話してなかった様な…。
事前にネットでバズっていた紙芝居という批判については個人的にはそこまでこき下ろす程ではないと思いました。動くべきところは往年のFlashアニメ並には動いていたし、絵柄もリアル寄りでもないので紙兎ロペみたいなものかなと思いました。あれもあれで成立してますよね。
作画崩壊という批判についても特に原作もあんなもんでしょうとしか思えなかったので崩壊しているとは思いませんでした。作画崩壊って言ってる人はどっちもちゃんと観てないんじゃないですかね。
ダラダラ書きましたが、原作のいいなと思った部分を全てスポイルし、余計なものを付け足した冗長な映画という印象しか受けられず、映画館で1900円出す価値はないと思いました。1日1分くらいで100日間分のTVアニメにした方が成功したんじゃないかと思います。
ただしここまで書いたことは全て私の主観であり客観的な観点ではありません。
未見でこれを読んでしまった方は、事前の悪評に惑わされずにご自身の目で観て判断された方がいいと思います。そしていいと思ったら誰がなんと言おうと高い評価をしたらいいと思います。
なので、誰がなんと言おうと私はクソ映画だと言います。映画というフォーマットにすべきではありませんでした。
原作を追ってきたものとして。
そもそもリアルタイムにワニの人生を追うというコンテンツだったからこそ盛り上がったものを刹那的な映画として作りかえる時点でこの企画はダメだった。
ワニくんが死んだその後を描くという部分については良いアイデアに思えるが、やはり開始30分弱でワニくんが死ぬというRTAを見せられては気持ちの移入のしようがないし、原作を見てる事前提でつくっている時点で一つの映画として身内感漂う自己満作品としてとらえる他ない。
後半のカエルくんの登場で、かつてのワニくんポジションにはまっていく内容は果たして必要だったのだろうか。
個人的にはワニくんという存在をもっとゆっくり偲びながら、仲間たちがそれぞれの人生を歩んでいく物語を描いたほうが、死生観という意味でもメッセージが伝わりやすかったのでは?
いずれにしても大金を払ってスクリーンに観に行く価値があるかというと、よっぽどのワニファン以外はオススメしない。
原作が大好きだった人たちほど、映画としての出来もさることながら、自分の思いを裏切られる内容になってしまっているからだ。
映画にする意味とは?
100ワニはTwitterで見てて
彼女が好きだったので公開初日に見に行きました。
映画を見てはまず思ったのが
わざわざ映画にする意味があったのか?
と感じる内容。youtubeでの公開などでよかったのでは?
新キャラクターの出す意味もわからないし
特に新キャラクター出てからが不快。
そしてなにより使い回しが多い。
いい映画、悪い映画あるとは思いますが
個人的には有料コンテンツとしては悪い映画です。
声優はハマってたので、
コンテンツと監督の問題と感じます。
無料公開なら楽しんで見れると思います。
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