「Twitterで雑に叩かれてたので観に行った録」100日間生きたワニ DJ souchouさんの映画レビュー(感想・評価)
Twitterで雑に叩かれてたので観に行った録
本作の主題は「喪失感の超克」だと思うのですが合ってますでしょうか…って原典で当の主題たるワニは鬼籍に入ってる訳でそれ以外描き様が無いっすよね。
本作は原典をある程度なぞる体で始まり、一つのピークたるワニの死を経て、(外から来た、と云う意味で字義通りの)アウトサイダーのカエルを受け入れる形で幕を閉じます。
割とネズミの視点で描かれる場面が多いので、ネズミが事実上の主人公と言っても差し支えないかと思います。ワニ死ぬし。
本作では(ワニ死去に伴う)愁嘆場の類は明確に描写されませんが比喩表現がその代わりを担ってます。主にワニ入滅後の天気とかネズミの部屋の荒廃具合とかラーメン屋の閉店とかですね。
とっても分かり易くて助かりますが、とっても分かり易すぎて「馬鹿にされてんのかな」と勘繰ってしまいます。違法合法問わずその遠因になるスティミュラントの類を摂取して鑑賞しない方が良いかもしれません。
あとアウトサイダーたるカエル(映画オリジナルキャラらしいですね。知らなかった)のキャラ造形は超好き嫌い分かれるかも。自分も少し「ウゼぇ」ってなっちゃったので…。
まあそんなピエロな彼も案の定訳アリで、ネズミが彼の喪失感を誰よりも先に汲み取り雨上がりのツーリングへ。すると…山を上がった所で空が晴れるんです! 思わず心の中で「馬鹿にしてるんか! 」ってなっちゃいました。
上田監督ごめんなさい。
個人的に引っかかったのはそこ位なモンで、後は少々船を漕ぎかけつつ鑑賞致しました。
恋人や伴侶の類がいないので分かりませんが、デートムービーとしては良いんじゃないでしょうか?
作画は原作準拠だし声優さんの演技バッチリでしたし。
ぶっちゃけ何回も観たいとは思いませんが…。
ただ、きくちゆうき先生の作品では「スーパーどうぶつーズ」が好きなんですよね。アクしかない作画とか雑に登場人物が死んだり殺される所とか。
同じ座組でアニメ化して欲しいっすね。
以上です編集長。
P.S.
この映画のおかげで、漠然と嫌いだったいきものがかりが明確に嫌いになりました。
いきものがかりファンの皆様、ごめんなさい。