「ドラマ版好きにはたまらない(観ていない人にはハードル高め)」99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
ドラマ版好きにはたまらない(観ていない人にはハードル高め)
テレビドラマを映画化するのはなかなか難しいと思う。それでも「HERO」や「コンフィデンスマンJP」は比較的成功している気がする(コード・ブルーや相棒は未見)。一話完結のドラマは映画にしやすいということか。豪華さを抜きにすればスペシャルドラマを作るのと考え方はそれほど変わらないのかもしれない。
本作は刑事事件を担当する弁護士のドラマだったので映画化もしやすかったのだろう。しかも直前に放送された2時間のスペシャルドラマにも関連させた物語にしたこともやや異例だ。直前に観ておいてよかった。
今回ドラマシリーズと大きく異なるのはコンビをくむ弁護士が杉咲花に代わったこと。少し年下の彼女が深山とどんな関係になるのか少し心配していたが何の問題もなかった。いや、むしろ今までの2人(榮倉奈々、木村文乃)よりも相性がいいかもしれない。コンビを組む女性弁護士を対立する立場に置くのではなく、深山を師匠と仰ぐ存在にすることで他のスタッフとの対立を際立たせる効果があった。それは深山のダジャレに対してもそう。林家パー子のような笑い方で深山のダジャレに反応する姿は個人的に大のお気に入りになった。
あと、本作の醍醐味は色んな場面に散りばめられた小ネタの数々。今回はドラゴンボールがらみのネタが多かった。他にもセルジオ越後のセリフや、岸井ゆきの演じるかなこのポスターや曲名、太陽にほえろネタ、ブルース・ウィリス(モノマネ)など、じっくり見返したい小ネタが満載だった。村人たちの名前については最後までわからなかったのでモヤモヤしたものが残ったのは悔しいところ。ただ、歴代のキャストが、過去のドラマのエピソードに絡めて少しずつ登場するのはドラマファンには嬉しいくだりだった。
まぁ、でもそれが映画の作りとして成り立っていたのかは疑問。劇場版にするのではなく、ドラマシリーズとして作ってほしい(個人的な)気持ちを再確認した。