「【”こんにちは、さようなら・・、Petite Maman・・。”今作は、8歳の少女を主人公に、時を越えて三世代を繋ぐ、喪失と癒しのファンタジックムービーである。】」秘密の森の、その向こう NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”こんにちは、さようなら・・、Petite Maman・・。”今作は、8歳の少女を主人公に、時を越えて三世代を繋ぐ、喪失と癒しのファンタジックムービーである。】
■ネリーは、亡くなった祖母も自宅を片付けるために、両親と森の中の家を訪れる。だが、哀しみから、姿を消してしまう。
時間を持て余し、独りで森で遊ぶネリー(ジョセフィーヌ・サンス)の前に、”マリオン”と言う、母と同じ名前の同じ八歳の少女(ガブリエル・サンス:勿論、ジョセフィーヌとは双子である。)が現れる。
そして、ネリーが”マリオン”に自宅に誘われると、そこは祖母の家だった・・。-
ー 資料によると、このファンタジックな作品を撮影している時に、セリーヌ・シアマ監督は迷いが出ると、”宮崎駿監督ならどうするか?”と自問したという。
現在、愛知県では”ジブリパーク”が絶賛公開中であるが、宮崎駿監督の影響は大きいのである。-
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・出会った少女の名が母と同じ名前の、”マリオン”で、自宅が祖母の家とくれば、この物語が時を越えて、三世代の血のつながった女性の物語だと分かる。
・ネリーと”マリオン”は、仲が良く、森で遊んだり、クレープを焼いたり・・。
・”マリオン”のお母さんは、杖を突いているが、(冒頭、杖をマリオンが貰うシーンがありますね。)若くて、ネリーにも優しい。
■巧いのは、居なくなった母と思われる女性が祖母の家の一室で、背中を向けて寝ているシーンをサラリと映し込む場面である。
・ネリーは”マリオン”に”貴女は私のお母さんなの。”と語り掛けるが、”マリオン”は驚きもせずに、ネリーの母の事をサラリと聞く。
<今作は、ネリーの祖母の家の周囲の自然描写が美しく、且つ三世代の女性達の、世代を超えた喪失と癒しの物語なのである。>
<2022年11月6日 刈谷日劇にて鑑賞>
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