白い牛のバラッドのレビュー・感想・評価
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うらみはらさでおくべきか!
日本人好みのする映画だと思う。いやいや、目には目をだから、我々日本人には分からないか。いずれにしても、微妙な映画。
似ている話は四谷怪談って所か。
魔太郎だ。
うらみはらさでおくべきか!
やっばり、日本人好みのする映画だ。
リップスティック
印象的なのは主人公が2度、口紅(リップステック)をつけ、あるいは心をゆるしかけた男性のもとへ行くシーン。そして記憶に間違いがなければ最後の食事の場面に出てくる。
抑圧された女性の心の描写を表すのに、こういうシーンは効果的なのだ。
古くはまたスタイルは違うが、アメリカのヘミングウェイの孫だったかひ孫だったかのマーゴ・ヘミングウェイのデビュー作「リップスティック」が思い浮かんだ次第。
しかしイランの女性監督兼女優の描いた世界は、なんとも重っ苦しいシーンが続くので、トップシーンの白い牛が登場するシーンに後から思いを馳せると深い意味が提示されている。
何もかも失い心の寄る辺を失った人が、ここからどこへ行こうと社会自体の問題に行き着くというところが、なんともやるせない。
余談:フランス合作なので、ルージュというのが正解かもしれないですが・・
前提知識を相当要求される上にかなりの広範囲の知識がないと無理?
今年47本目(合計320本目/今月(2022年2月度)19本目)。
シネ・リーブル梅田さんから50分で移動してみた作品、その1。
特集や予告などにある、イランの死刑制度のありかたの問題提起という軸で見るのが普通なのかな…と思います。
一方で、趣旨がわかりにくい「牛」の描写に関しては、コーラン(クルアーン)にも登場し(その章のひとつを占める)、その中で「キサース」(同害報復、「目には目を~」という私刑(わたくしけい)の話)であることは辛うじて理解ができます。
牛から連想される牛乳などが作内で多く登場するのもこの部分でしょう。
一方でイランの法律制度はまた日本と違いますが、日本基準でいって、民訴法・刑訴法・行訴法(行政事件訴訟法)等、かなり多くの内容が登場するため(ただ、出てくるだけで裁判のシーンは登場しないが、「棄却」と「却下」の違い程度は知らないとハマる)、最低限何らかの「手続法」(「こういう状況になったら、こうする、という、具体的な流れ論が書いてある法律を、権利義務が定められている「実体法」(民法等)と比較して「手続法」といいます)の知識がないとハマり現象が発生します。
さらにイランのその制度ですので、日本のその制度の知識があればある程度有利になるにすぎず、イスラム教の教えにそった知識(法の支配より、コーラン(クルアーン)が優先される等)がないとさらに混乱を招きます。
作内にはイランの弁護士の方も登場しますが、日本国内ではこのご時世ですので、実際新規入国者はゼロに限りなく近く、「イランの弁護士資格を持っている、日本で(適法に)在住している方」って、片手で数えるほどしかいないのでは…と思えます(もしかすると0人?)。
そうすると、もう日本の類似する制度の知識を援用・類推するしかないですが、それとて刑訴法にいたっては司法試験以外では出ませんので(辛うじて、行政書士試験の行訴法からある程度類推がきく程度に過ぎない)、その上にさらに「イスラム教を取り巻く事情」「イランの死刑制度の在り方」まである程度把握できる人となると、もう限りなくゼロに近いんじゃないか…と思います。換言すれば、「ある程度でも」知識を持っていて援用・類推してやっと5割か6割か理解できるレベルです。イランの法制度は日本ではほとんど触れることがないからです(それでも、誰でも彼でも法学部出身だの、行政書士試験合格者以上の知識を持っているなんて要求できないので、正直、どういう層を想定しているのか理解が難しい)。
評価に関しては下記の通りとしました。
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(減点0.3) 要は上記の部分につきるのであり、「牛」の解釈は上記のコーラン(クルアーン)の部分からきているのだと解釈できますが、そこにさらにイラン特有の法律制度の話をどんどん始めるので(刑訴法・民訴法だけならまだしも、(日本国内基準の)行訴法や、はては国家賠償法を想定するようなシーンまで登場する)、義務教育までの中学校や、準義務教育と言えうる高校の政治経済のレベルでは、まるで???な状況になってしまっています。
日本で公開されたことはもう事実なのですが、正直、この映画の趣旨を7割でも7.5割でも理解しようと思うと、相当な知識が要求される(イスラム教・イラン事情に詳しい+法律の知識を幅広く知っている)状況で、さすがに「そんな人、日本にいるの??」レベルで、そもそも論として「日本国内で公開されるにあたって配慮不足が過ぎる」(字幕もわかりにくい部分もあります)点につきるかな、と思います。
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(減点なし/真相不明) この映画、主人公の妹さんが聴覚障害をお持ちという設定です。特にそうする必然的な必要性はないのですが、実際そうであり、日本手話でもアメリカ手話でもない、実にレアな「アラビア系の国の手話文化」に触れられるシーンもあります。
ただ、個人的推測ですが、映画内では明確に描かれないとはいえ、イランも男女同権思想という観点では及第点にすら達しておらず、「声をあげることができない女性の象徴」として、聴覚障害の子がメタファー(比喩)として出たのではないか…と思えます(個人的推測)。
何にせよ「牛の部分」にせよ何にせよ、かなり比ゆ的表現が多いので(まぁ、イランでは放映禁止になったそうですが)、調査して得られる知識に限界があり、「合理的に考えてそう考えうるなら、その可能性では?」と考えるしかないかな、と思います。
※ このような事情なので、見る方はかなり選ぶかな…という印象です(少なくとも、趣旨的に娯楽映画とはいいがたい)。
牛と牛乳
冒頭、コーランの引用から、牛はイスラム教だと、生贄になるものだと想像する。
そうすると、黒い群衆に囲まれた、白い牛のシーンでいきなり鳥肌ざわざわ。
全体的に、画が放つメッセージが強い強い。
あれが旦那さんてことでしょ…そういうことでしょ…公開処刑が主だということですし。
旦那さんはなにかの生贄ってことなんだ…?なんの…?死刑制度を存続させるため…?
牛が生贄だとすると、主人公が牛乳工場で働いてるのは何かの皮肉もこもってるのか、考えるけどわからない。
牛が白いのには、なにか意味があるのか…
ラスト、毒を盛ったのか一瞬思ったけど、
あんだけグツグツ煮立てた牛乳だから、高血圧でぽっくりいってもおかしくないよな…とも考えたり。
心臓発作に見せかけて…そして二人で家を出る。イスラム教の女性が、一度、スカーフを外して顔を見せたほどの相手なのに。
うーん、こわい。
しかも、この牛乳を提供するシーン、化粧してますよね。
イスラム教で、化粧は女性の唯一の自己表現とググったらでてきた。まじか…
ここで牛乳を飲ませた理由も考えると止まらない。
個人的には、悪いことした人にはそれ相応の罪を…と思うので、この映画をきっかけに死刑制度について考えを寄せるつもりはないけど、
家族を亡くした女性の気持ちの強さ、たくましさを受信しました。
冤罪はもちろんだめ。冤罪でなくなった人への物言いもドライすぎて、これがイランでは普通なのか、って衝撃強すぎたけど。
宗教とか神様って、重要なことでも神様のせいで片付けられちゃうから、救いにもなんないね。
宗教が関係する映画は難しいですねー、やっぱり。一回じゃ足りん。
ドキュメンタリーみたいな映画。
サスペンスではないなぁ、ドキドキもハラハラもしなかった。ただ重い内容で命を扱う仕事の人はこんな形で荷を背負うのかと思うと、冤罪はダメだけど、あまりにも職務自体がやりきれない。人が人を裁くことの難しさがわかる映画だったけれど時間の流れが遅くて、よい題材だったわりに想定内の展開と終わり方だったのが残念。
まさに牛歩のような映画
のそりのそり……
セリフもたまに……ボソボソ……
サスペンスと聞いてたんだけど……
こんなにゆったりしてて
ドキドキもせず
展開も変わらないサスペンスある……?笑
なので途中やっぱりウトウト……
(気持ち良かった)
そして、起きても大体変わらない風景。
ってか、話自体も進んでない。
あらすじ見て良さげと思ったんだけどなぁ……。
主人公の行動にも理解出来ないところがあったり
周りの人たちも?
文化の違い? 知識不足?
ラストも結局?
分かるんだけど、分からん……
もしかしたら
コレが限界の表現だったのかしら?
「自国イランでは正式な上映も認められなかった」とあったし……
そういう余白から察するしか無いのかも知れませんね。
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