「遠いところ」白い牛のバラッド MARさんの映画レビュー(感想・評価)
遠いところ
夫を死刑にされてしまってから1年、実は冤罪だったと告げられ嘆く未亡人の元に、夫の世話になったという親切な男が現れ、聾唖の娘と共にいつしか家族のように過ごすようになっていくが・・・と言った物語。
初っ端から胸が張り裂けそうな展開。
死刑になる夫に会いに行くミナの表情1つひとつがなんともやるせない。。
これで最後だという悲哀?
最後に一度だけ会えるという慰め?
個人的に早くもここがピークだったかも。
全体を通し、BGMもなくスローテンポな展開で少しウトウトするが、イスラム社会のシングルマザーの生きづらさ、ミナの悲壮感がよく描かれている。
謎の男、レザは一体何者なのか。
・・・という謎はもっちょっと引っ張っても良かったような。まぁサスペンスですし、わかってる上でミナ達の動きに注目するのが正解でしょうか。
あとは毎度、何でもかんでも神のご意志とか言って片付ける風潮はやっぱり好きになれない。
とは言え、終始マッタリなテンポの割には、登場人物皆の仕草等々味があって飽きずに観られたのは良かったし、色々察したビタちゃんとミナのシーンは胸に迫るモノがあった。
重厚なサスペンスが好きな人にはおすすめです。
そして本作、本国イランではすぐに上映中止となってしまったようですが、そんなに問題作には見えなかったけど・・・?
確かに重苦しくはあったけど、向こうは色々と表現規制が厳しいんですかね??
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