「観終わってちょっと幸せな気持ちに」偶然と想像 chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)
観終わってちょっと幸せな気持ちに
今年最後の映画、皆さんのレビューを観て決めました
演者や内容よりも濱口監督に期待する声が多かったですが、オムニバスという形と共に各々の話の内容も、つながりはないけれども、人生において偶然が何をもたらすのか、偶然を避けた人生などありえないし、予定調和の完璧な人間性を備えている人生だって、わずかの偶然が転機にも転落にもなるおもしろさを感じました 登場している人の人生にとっては、起こって欲しくない偶然でも、離れてみている観客とすれば、日々単調な生活においても何かしら彩が添えられる「期待」を持ちました 第一話の古川さん演じる芽衣子のいやらしさも偶然がなければ包まれたままだったろうに、でもその「もう一人・真実の芽衣子」が現れていくことに、わくわく感すらありました
対照的な第三話、ウイルスによって元のようなコミュニケーションを必要とする時代に戻る中、いくつになっても不安と不満が渦巻く日々の生活において、偶然の出会いがもたらした清々しさ、いいラストでした
私河井青葉さんのファンで、彼女決して中心には出ない役が多いのですが、短編で2人だけの展開でしたから、彼女の安定した演技に大満足でした (12月23日 京都出町座にて鑑賞)
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