劇場公開日 2023年2月3日

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仕掛人・藤枝梅安のレビュー・感想・評価

全165件中、21~40件目を表示

4.0じっくり味わいたい本格時代劇

2023年9月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

《池波正太郎生誕100年企画》
「仕掛人藤枝梅安」の第一弾。
令和の時代に蘇る【本格時代劇】
浮ついたところが微塵もない職人技。
江戸時代、腕の良い鍼医者の表の顔と、
「殺し」を請け負う裏家業。
善と悪、2つの顔を持つ「藤枝梅安」を現実味たっぷり、
色気も匂い立ち、男気もある豊川悦司が演じる。
早くも当たり役・・・と言わずにいられない。
食通の池波正太郎に因んで、梅安と彦次郎の食する食事が、
素朴ながら手が混み実に旨そうだ。
同じく仕掛人の相棒・彦次郎を片岡愛之助が演じる。
歌舞伎役者の片岡愛之助はやはり時代劇にリアルさを与えている。
彦次郎の作る何気ない粥。
薬味の豪華な湯豆腐。
梅安の食べる汁や常夜鍋か?軍艦鍋か?
そして除夜に2人が食べる年越し蕎麦は柚の皮を擦って
蕎麦粉に混ぜた手打ち蕎麦。
実に旨そうだ。

梅安の仕掛け(殺しの斡旋)
静謐にして殺気を湛えた様式美と芸術的殺し。
殺された者も本望ではないか?
と思うほど一瞬の芸術。
殺されるのはほぼ悪人。
天海祐希は恍惚とした表情を見せる。
だから「仕掛人」は必要悪。
それにより救われる命がある、
そして悪を成敗する快感もある。
次作が楽しみである。

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琥珀糖

3.5冷徹でプロフェッショナルな殺し屋なれど

2023年9月7日
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楽しい

興奮

過剰な演出などなく、池波正太郎の原作を損なわない様に気遣った作品と思われた。
豊川悦司主演の藤枝梅安と片岡愛之助が演じる彦次郎の遣り取りが小気味良く、友情が心地良い。
殺し屋が主人公である事から、どうしても夜のシーン(薄暗いシーン)が非常に多いが、その事がこの作品の風合いを引き立てている。
勿論、暗いという事は、背景を省略できて、コストダウンにもなる事ではあるが。
また、美食家で通っていた池波正太郎の片鱗が感じられる食事シーンには細やかな気遣いがあり、映画が終わると映画に登場した粥や湯豆腐が食べたくなるのである。
第二作目も観に行く事必定の作品。

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Taku

4.0本格時代劇

2023年7月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

本格時代劇、その緊迫した空気感と映像の隅々にまで張り巡らされた様式美は、冒頭から最後まで満喫でき陶酔することが出来ました。
但し本作は仕掛人=殺し屋が主人公のピカレスクロマン時代劇であり、見事に悪党ばかりの映画であって正義の善人は一人もいません。主人公の梅安と相棒の彦次郎に殺された者たちは、悪人中の悪の極みということでしょうが、寧ろ悪党に徹し切れたか否かで生死の境目を分かれさせています。

寄せアップは多いですが、全て正面から明瞭には映しません。顔の半分以上は常に影が覆い、極めて陰影の強い映像を意図的に作っています。
被写体の人物の構図も特徴的です。東映時代劇の対局で、即ち主人公を画面の中心に置くことは稀で、上手と下手にほぼ非対称に配置し、センターにはただ空間を配するという、嘗ての大映時代劇のような構図が殆どでした。これは将に1970-80年代に一世を風靡したテレビ番組「必殺」シリーズの映像を再現しています。
そもそもが夜、又は室内の薄暗いシーンが殆どであり、仄かに見える建屋の設えの出来と薄暗い中にはっきりと被写体を映し出す照明の技量が試される映像ですが、確かな腕前でした。さすが京都で腰を据えて製作した作品です。
昼間のシーンも、銀落しをしているような濃淡のコントラストの強い、乾いて刺々しい映像であり、作品のトーンをそのままに暗鬱な緊迫感が常にスクリーンに漂います。
更に暗い画面をややローアングル気味で捉えるカットが多く、観客に無言の圧力を感じさせ、自ずと緊張感を高めさせます。
手持ちカメラは、ラスト近くの大立ち回りシーンのみであり、この映画の暗鬱な緊迫感と鋭利な緊張感を、画面が揺れて変に乱されることがなく、座席にしっかり身を据えて見定めさせます。
陰影を画面の過半に配し、十分にタメをもたせた様式美に満ちた時空を情感豊かに見せてくれました。

ただ半面、物語のテンポが決定的に緩いのは難点です。回想シーンが多過ぎるのもその所以ですが、つまり今の状況を説明する伏線描写が長く多過ぎるのであり、もっと凝縮した、或いは端折ったシナリオ構成にすべきでしょう。叙情的な描写とその背景をロジカルに見せようとするあまり、過去のエピソードに拘り過ぎた結果、時制が行ったり来たりして鈍いテンポになったのでしょう。

一方カメラは、ナレーター役でもある、副主人公で建端の低い彦次郎目線で捉えているため、当然ながら豊川悦司扮する主人公・藤枝梅安を仰角気味に捉えるカットが多くなります。そのため梅安の無気味で武骨な威圧感が一層増幅されているように思います。
更に梅安の目、ほぼ終始無表情であり、普段は節穴のような輝きのない木偶の目なのが、人を殺める時には眼光鋭い野獣の如き無常の目に、見事に変貌していました。それでも梅安は常に無表情で人を殺めており、それだけで彼が卓越した凄腕であるとの印象を高めています。

尚、池波作品の映画化らしく、頻繁に食事のシーンが出て来ます。描かれる料理は決して豪華ではない地味で質素な煮物が多かったのですが、どれも無性に懐かしく、思わず食欲をそそられる、豊かで贅沢な匂いが観客席にまで漂ってきた印象が残ります。

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KeithKH

5.0時代劇を超えた傑作

2023年4月22日
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泣ける

知的

萌える

これまで時代劇にまったく興味がなかったのですが、豪華キャストとビジュアルセンスの良さ惹かれて試しに足を運んでみると、すっかり虜になりました。時代背景や歴史が苦手な方でも、愉しめる映画です。

パート1もパート2も、夫と、母と、それぞれ2回ずつリピート鑑賞させていただきました。

パート1は、涙し、梅安先生にうっとり引き込まれてしまう作品、パート2は、仇討ちと敵討に緊張感あふれる作品。

どちらも威厳と影を合わせ持ったストイックな梅安を豊川悦司さんが見事に演じられ、いままでにない「仕掛け人」の深みと情緒を感じる最高傑作でした。この世界観は豊川悦司さん以外には表現できないし、ちょっと代役は考えられない存在感ですね。

菅野美穂さんの自然体の演技力が素晴らしかったです。梅安先生に絶妙にマッチする彦さんも愛嬌があってかわいい。天海祐希さんのおみのと盗賊の桔平さんともハマり役。高畑淳子さんのおせきがホッコリいい味出してます。石橋蓮司さんと小林薫さんは少しのご出演でしたが、大物俳優ならでは、声の出し方からして本当にうまい一流俳優さん、と母が大絶賛でした。

佐藤浩一さんの井上半十郎はご高齢で、仕掛け人としての手強さには欠けるものの、佐藤浩一さんらしいいい味出てましたねー。

ただ半十郎にお供していた一ノ瀬颯さんは、洋風ジャニーズ顔なので、この映画のなかでは、違和感がありました。カムイ伝とかキングダムとか、ゲームや漫画を映画にしたような軽めの時代劇作品なら適役ですが、今回のように風情や重みのある作品には向かないキャスティングだったと思います。

ほかにも書ききれないですが、いまからパート3が待ち遠しいです。松本幸四郎さんが何を見せてくれるのか、、、!

そして最後はなんといってもこの映画にどっぷりと浸れたのは、映像美と感情を揺さぶるカッコいい音楽の融合。ひとつの芸術として、何度も込み上げてくるものがありました。

半年おきにシリーズ新作の公開をお願いしたいです。制作チームと俳優さん方、みなさんの一体感が伝わってくる本当に素晴らしい映画作品でした。

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ピータン

3.5彦次郎が恨みをはらす相手は、案外あっさりと死にましたね。

2023年4月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

最初は、正体を隠して恨みを晴らす話かと思いましたが、自ら裁きを下す力がありながらも、法や倫理の壁に阻まれ、仕掛人という裏稼業に身を投じる彦次郎の姿が印象的でした。

確かに、彦次郎は剣の腕も確かで、一瞬の隙を見逃さずに相手を仕留める冷徹さを持っています。しかし、その冷徹さの裏には、深い絶望と葛藤が渦巻いている様子が伝わってきました。

ターゲットとなる人物たちも、単なる悪人として描かれるのではなく、それぞれの人生や苦悩を抱えた人間として丁寧に描写されています。そのため、彼らの死が単なる勧善懲悪ではなく、人間の業の深さを浮き彫りにする効果を持っています。

ストーリー展開はテンポ良く、読みやすいのですが、もう少し緊迫感や緊張感があっても良かったかもしれません。また、彦次郎の葛藤やターゲットの人物像をさらに掘り下げることで、より深みのある作品になったと感じました。

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MiMa

5.0直感を信じてよかった

2023年4月9日
PCから投稿

池波正太郎ファンでもなければ時代劇ファンでもない、ただ漠然と必殺仕事人シリーズは人生のどこかで観ておきたいな〜程度の興味レベルでしたが、たまたま目に付いたポスターがかっこよくて、それに釣られて観に行きました。

結論めちゃめちゃおもしろかったです。

描写内容的に万人へ薦めるのはちょっと難しいなと感じた部分がありますが、それを加味しても余りある説得力に殴られました。

梅安さんのトヨエツの声がカッコよすぎて沁みる。
彦さんのお茶目な人柄との対比もたまらない。
ごはんがあまりにも美味そう。
画面構成がかっこよすぎる。

若手の多い作品ではなかなか味わえない渋さと深みが堪りませんでした。

プロモーションでよく「新感覚時代劇」と言われてましたが、まさにです。時代劇に興味がなかった私に見事刺さりました。

キャラクター性も良いし、もっと若い子が観に来ててもおかしくないのに!!と思うんですが、如何せん上映時間帯が年配向けでもったいない…!
興味を持てた人にはぜひ少し頑張って早起きしてでも観に行ってみてほしいところです。

今度2も観にゆきますが、とても楽しみです。

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ix

4.0どうして人を殺してはいけないのか?

2023年3月24日
PCから投稿

幼い子供が大人にそんな疑問を投げかけたとしたら・・・・なんて答えればいいのだろうか。神様や世の中のルールなど引き合いにだしたところで納得させられないだろう???
今までの仕掛け人の話は"仕置き人"だった。法律で裁き切れない悪人を天に代わって成敗する、いや、恨みを晴らすことに重点を置いていて観ている者のストレスを解消させてくれたりもしていた。しかし、悦司梅安は少々違う。依頼人からの殺人に対しては疑問を持たず、
当然のように世の為になる殺人であると理解し実行している。それがこの映画の流れなの
だ。過去と現在の仕事が密接に絡んでいることに気づき始める。恨みを晴らすのではなく、利害がらみの依頼殺人であることを知ってしまう。さて、どうするのだろう・・・と観続けた僕は少々辛くなったりもした。しかし、梅安は苦しみに耐えながら自分の意思を打ち立ててしまう。
殺される方にも殺す方にもそれなりの理由がある。そのほとんどが憎しみだといっていい。
かつて人間は怒りではなく高潔さをもって苦難を乗り越えてきた。
そんな言葉が頭に浮かんだ。先日読んだ本の帯の宣伝文句だ。
人を殺してはいけない・・・その答えはこれなのだ。

そんなことをこの映画は示唆していた。

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はる

3.5豪華俳優陣に心奪われ、料理に胃袋を鷲掴み

2023年3月17日
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鑑賞方法:映画館

親しい方から鑑賞券を頂き、感謝の気持ちと共にスクリーンへ。
うーん、豊川悦司さんの声と喋り方が色気たっぷりなんだなぁ。
菅野美穂さんとの濃厚な口づけも素晴らしいし、梅安の大写しされる表情が怒りにも悲しさにも、そして微笑みにも、どのようにも受け止められるようで流石だなぁと。
そして池波正太郎作品だからでしょうか?料理とそれを喰らうシーンが随所に散りばめられていて、まあその鮮やかなこと!
料理監修に分とく山さんの名前がありましたから納得ですが胃袋持っていかれました。
普段時代物は敬遠しがちですが、食わず嫌いでしたね。
2作目の京都編も楽しみになりました!券を贈ってくれた方に感謝感謝です。

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ニコラス

4.0スタイリッシュな映像。川井憲次の音楽が合ってる

2023年3月16日
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鑑賞方法:映画館

とにかく映像がかっこいい。どろどろの暗い話なのに、梅安と彦さんは色々美味しそうに食べてるのが、妙に可笑しい。

しかし、なぜか役者さんのせりふがこもって聞き取りにくい。時代劇で特殊な言葉遣いが多いのに、ぱっと聞き取れないのは困った。

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ユウコ

5.0梅安さんに魅せられて

2023年3月16日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

ただただ美しかった。一体誰が悪いのか分からなくなるその見事な様。梅安さんのファンになってしまうくらい…。頼む側か、する側か。江戸っ子や風情で優美に描かれる世界観に惚れて。今と比べて迷宮入りな謎があったからこそ粋も生まれて。2が楽しみな展開で。

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るいまーる

4.0普段時代劇を見ない人でも楽しめます

2023年3月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

時代劇は普段見ないジャンルなので、まったくの門外漢なのですが・・・
そんな私でも面白かったな、と思えたので、普段時代劇見ないわという方でも楽しめると思います。
人間の業の深さよ・・・・。

豪華な俳優陣だけあって、世界観に違和感なく演者が溶け込んでいます。
ただ、菅野美穂さんの喋り方だけがちょっと気になりました。あんまり時代劇っぽい喋り方じゃないというか・・・
年を重ねてもお可愛らしい風貌は役柄に合ってはいるんですけどね。

そういう映画ではないのでアクション要素は全く期待せずに行ったんですが、殺陣シーンは結構見ごたえがあって、思わず「おっ!」と前のめりになりました。嬉しいサプライズでしたね。
そして高畑淳子さん扮する飯炊きおばさんが最高でしたwいいキャラしてるわ~。
これの為だけに観に行ってもいいくらいです(笑)。次も出てくるのかな?場所が変わるからないかな・・・。

1ヶ月以上前に鑑賞した作品なので今更なレビューになってしまいましたが・・・
まもなく続編も公開されるので、まだ上映している映画館があればぜひ観に行ってみてください。

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シキ

4.0純日本映画

2023年3月11日
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今はやりのVFX満載、派手なアクション、複雑な設定、難解な内容等々。映画好きの私はそういう映画も嫌いではないのですが、そんな映画に食傷気味になり、ちょっと疲れたなと思っている時、こんな分かりやすい純日本映画を観たくなるのは日本人の性ですかね。
勧善懲悪の話は分かりやすいし、豊川悦司の梅安はホントにぴったりだし、片岡愛之助の彦次郎とのキャラの対比もよいしで面白かったです。
VFXも富士山をバックにした川べりの絵が何度か出てきますが、日本人だからかなんか良いですよね。

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グッチ

3.0けっこう普通

2023年3月10日
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鑑賞方法:映画館

当然ながら「必殺」シリーズをさらにブラッシュアップしたスリリングな内容を期待していたが、結構普通の時代劇だった。主人公達も裏稼業の人間の割には善悪とかの価値観が常識的だし。仕掛けのシーンも音楽とともに焦らして焦らしてついに…かと思いきやけっこうあっさり。「あれ?もう殺っちゃったよ」みたいな。原作に忠実だとこうなるのかな?まああくまで導入部ということなのかもしれんので続編も観てみることにしよう。

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あっきゃん

3.5ワイヤーをツボに刺すことで跳躍力を飛躍的に向上させることができる

2023年3月9日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

幸せ

仕事を鮮やかにこなす江戸のハードボイルドな殺し屋が主人公。
殺し屋の友人とは仲がいいが、依頼者やターゲットが絡み、意外な関係が見えてくる。
それぞれの生き方は見もの。

良い点
・ストーリー、構成
・食事シーンとその入れ方
・善と悪は紙一重

悪い点
・バトル後がややグダグダ
・回想がややデジタル的

その他点
・豆腐のほうが栄養があるとは思いつつ一応先輩の顔は立てておく
・エンドロール後にシーンあり。次回に続く。

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猪古都

4.0美術と照明の技量

2023年3月5日
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鑑賞方法:映画館

本格時代劇、その緊迫した空気感と映像の隅々にまで張り巡らされた様式美は、冒頭から最後まで満喫でき陶酔することが出来ました。
但し本作は仕掛人=殺し屋が主人公のピカレスクロマン時代劇であり、見事に悪党ばかりの映画であって正義の善人は一人もいません。主人公の梅安と相棒の彦次郎に殺された者たちは、悪人中の悪の極みということでしょうが、寧ろ悪党に徹し切れたか否かで生死の境目を分かれさせていました。

寄せアップは多いですが、全て正面から明瞭には映しません。顔の半分以上は常に影が覆い、極めて陰影の強い映像を意図的に作っています。
被写体の人物の構図も特徴的です。東映時代劇の対局で、即ち主人公を画面の中心に置くことは稀で、上手と下手にほぼ非対称に配置し、センターにはただ空間を配するという、嘗ての大映時代劇のような構図が殆どでした。これは将に1970-80年代に一世を風靡したテレビ番組「必殺」シリーズの映像を再現しています。
そもそもが夜、又は室内の薄暗いシーンが殆どであり、仄かに見える建屋の設えの出来と薄暗い中にはっきりと被写体を映し出す照明の技量が試される映像ですが、確かな腕前でした。さすが京都で腰を据えて製作した作品です。
昼間のシーンも、銀落しをしているような濃淡のコントラストの強い、乾いて刺々しい映像であり、作品のトーンをそのままに暗鬱な緊迫感が常にスクリーンに漂います。
更に暗い画面をややローアングル気味で捉えるカットが多く、観客に無言の圧力を感じさせ、自ずと緊張感を高めさせます。
手持ちカメラは、ラスト近くの大立ち回りシーンのみであり、この映画の暗鬱な緊迫感と鋭利な緊張感を、画面が揺れて変に乱されることがなく、座席にしっかり身を据えて見定めさせます。
陰影を画面の過半に配し、十分にタメをもたせた様式美に満ちた時空を情感豊かに見せてくれました。

ただ半面、物語のテンポが決定的に緩いのは難点です。回想シーンが多過ぎるのもその所以ですが、つまり今の状況を説明する伏線描写が長く多過ぎるのであり、もっと凝縮した、或いは端折ったシナリオ構成にすべきでしょう。叙情的な描写とその背景をロジカルに見せようとするあまり、過去のエピソードに拘り過ぎた結果、時制が行ったり来たりして鈍いテンポになったのだと思います。

一方カメラは、ナレーター役でもある、副主人公で建端の低い彦次郎目線で捉えているため、当然ながら豊川悦司扮する主人公・藤枝梅安を仰角気味に捉えるカットが多くなります。そのため梅安の無気味で武骨な威圧感が一層増幅されているように思います。
更に梅安の目、ほぼ終始無表情であり、普段は節穴のような輝きのない木偶の目なのが、人を殺める時には眼光鋭い野獣の如き無常の目に、見事に変貌していました。それでも梅安は常に無表情で人を殺めており、それだけで彼が卓越した凄腕であるとの印象を高めています。

尚、池波作品の映画化らしく、頻繁に食事のシーンが出て来ます。描かれる料理は決して豪華ではない地味で質素な煮物が多かったのですが、どれも無性に懐かしく、思わず食欲をそそられる、豊かで贅沢な匂いが観客席にまで漂ってきていました。びじゅ

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keithKH

3.5絵のつくりは好き

2023年3月5日
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鑑賞方法:映画館

のっけから濡場で、その後もやたらが多くてどうなのとも思ったけど、絵や色のバランスは好みの方向だった。
仕留める絵はサマになってカッコよかった。話そのものはまあ。
最後予告長い。
追記:他の方も書いているけど食事シーンが美味しそうだった。

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kawa

4.5最高

2023年3月4日
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鑑賞方法:映画館

1回目は一人で。
2回目は80歳の叔父さん夫婦と(面白かったから叔父さん夫婦にも観せたかったから)。

親切な作り。
まず、誰が観てもわかりやすいように説明の台詞やシーンが盛り込まれているので安心して観ることができた。

冒頭。灯籠の明かりが水面にも映るシーンや、赤い月。一つ一つが浮世絵みたいに陰影で美しくて引き込まれる。ご新造さんの薄ら笑みも。

光と影、ではなくて、光に光が重なり、影にさらに影が映る画面は美しかった。

豪華キャストも目を離せなくて、役者さんが投じするたびにワクワクした(六角精児さんのクズっぷり、最高!)。

俳優さんたちはもちろんだけど、スタッフさんたちも「いい映画を創ってやろう」という気持ちが伝わってきた作品でした。

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night runner

4.0仕掛人と仕事人の違いって…?

2023年3月2日
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テレビのスペシャルドラマで年に1回か2回か放送されてる東山さん主演の仕事人(今だに藤田まことさんの主水が印象強いけど…)と藤枝梅安の仕掛人って どう違うんだろう??
まぁググれば分かるのだろうけど、敢えてググらずにおこう!

ってなぐらいの認識の私でも かなり楽しめ、更に134分の上映時間は もしや長く感じるかも…と思っていたが以外にアッと言う間に感じる作品であった

他の方の口コミにあった通り 確かに悪役陣の配役には多少の物足りなさはあったものの 全体の顔ぶれとしてはナカナカの豪華さだったと思う
色々と書こうとすると長くなるけど、豊川さんの梅安や天海さん演じる"おみの"菅野さんの"おもん"などなど…
皆さんが其々に適役だったと思うけど、私的には片岡愛之助さん演じる"彦さん"が特に良かった!
たまにドラマに歌舞伎役者さんが出られると なんかヤッパリ歌舞伎調だな~と感じる事もあって
でも愛之助さんは『半沢直樹』の時の黒崎役も なかなかだったけど、今回の彦さんも本当に良かった!!

わが街熊本では1ヶ月余りの上映期間で間もなく4館中3館が上映終了となってしまうけど…もし観ようかどうしようか悩んでいる人には是非とも観てほしい!です
4月からの続編(?)を観るためにも。

※この作品は、エンドロールで席を立ってはいけませんヨ

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fys

映画自体は及第点だが---?

2023年2月27日
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悲しい

豊川梅安 食事のシーンでは 箸 がきちんと持てないのが気になりましたよ! 平行箸はいただけません。愛之助彦さんは所作が綺麗だと思います。

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Shikakenin

3.5久々の時代劇&当たり前だが…

2023年2月27日
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(自分も含めて)皆,歳食ったなぁ〜!なんて今更ながら、最初に思っちゃったのが第一印象だったんだよねぇ〜⁈
毎回の様に勝手な事を語ります。      私個人の勝手に,女ったらしでスレンダーのイメージだったトヨエツは、かなりに肥えて貫禄が付きつつ,だが相変わらず女ったらし役は健在だった。        全然知らなかっただけに興味を抱き、色々と過去を調べ直してみると,このシリーズはかなりの大御所が入れ替わり立ち替わりに何代モノの大御所がこの役を熟(コナ)してきたらしいデスねぇ〜
過去のものを殆ど知らないが為に,緒形拳やら岸谷五朗等が熟したシリーズもある様で、後からソレを知ったが為に余計に観てみたくなったのは言うまでも有りませんねぇ〜( ͡° ͜ʖ ͡°)。

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サクちゃん