仕掛人・藤枝梅安のレビュー・感想・評価
全155件中、21~40件目を表示
普段時代劇を見ない人でも楽しめます
時代劇は普段見ないジャンルなので、まったくの門外漢なのですが・・・
そんな私でも面白かったな、と思えたので、普段時代劇見ないわという方でも楽しめると思います。
人間の業の深さよ・・・・。
豪華な俳優陣だけあって、世界観に違和感なく演者が溶け込んでいます。
ただ、菅野美穂さんの喋り方だけがちょっと気になりました。あんまり時代劇っぽい喋り方じゃないというか・・・
年を重ねてもお可愛らしい風貌は役柄に合ってはいるんですけどね。
そういう映画ではないのでアクション要素は全く期待せずに行ったんですが、殺陣シーンは結構見ごたえがあって、思わず「おっ!」と前のめりになりました。嬉しいサプライズでしたね。
そして高畑淳子さん扮する飯炊きおばさんが最高でしたwいいキャラしてるわ~。
これの為だけに観に行ってもいいくらいです(笑)。次も出てくるのかな?場所が変わるからないかな・・・。
1ヶ月以上前に鑑賞した作品なので今更なレビューになってしまいましたが・・・
まもなく続編も公開されるので、まだ上映している映画館があればぜひ観に行ってみてください。
純日本映画
今はやりのVFX満載、派手なアクション、複雑な設定、難解な内容等々。映画好きの私はそういう映画も嫌いではないのですが、そんな映画に食傷気味になり、ちょっと疲れたなと思っている時、こんな分かりやすい純日本映画を観たくなるのは日本人の性ですかね。
勧善懲悪の話は分かりやすいし、豊川悦司の梅安はホントにぴったりだし、片岡愛之助の彦次郎とのキャラの対比もよいしで面白かったです。
VFXも富士山をバックにした川べりの絵が何度か出てきますが、日本人だからかなんか良いですよね。
けっこう普通
当然ながら「必殺」シリーズをさらにブラッシュアップしたスリリングな内容を期待していたが、結構普通の時代劇だった。主人公達も裏稼業の人間の割には善悪とかの価値観が常識的だし。仕掛けのシーンも音楽とともに焦らして焦らしてついに…かと思いきやけっこうあっさり。「あれ?もう殺っちゃったよ」みたいな。原作に忠実だとこうなるのかな?まああくまで導入部ということなのかもしれんので続編も観てみることにしよう。
ワイヤーをツボに刺すことで跳躍力を飛躍的に向上させることができる
仕事を鮮やかにこなす江戸のハードボイルドな殺し屋が主人公。
殺し屋の友人とは仲がいいが、依頼者やターゲットが絡み、意外な関係が見えてくる。
それぞれの生き方は見もの。
良い点
・ストーリー、構成
・食事シーンとその入れ方
・善と悪は紙一重
悪い点
・バトル後がややグダグダ
・回想がややデジタル的
その他点
・豆腐のほうが栄養があるとは思いつつ一応先輩の顔は立てておく
・エンドロール後にシーンあり。次回に続く。
美術と照明の技量
本格時代劇、その緊迫した空気感と映像の隅々にまで張り巡らされた様式美は、冒頭から最後まで満喫でき陶酔することが出来ました。
但し本作は仕掛人=殺し屋が主人公のピカレスクロマン時代劇であり、見事に悪党ばかりの映画であって正義の善人は一人もいません。主人公の梅安と相棒の彦次郎に殺された者たちは、悪人中の悪の極みということでしょうが、寧ろ悪党に徹し切れたか否かで生死の境目を分かれさせていました。
寄せアップは多いですが、全て正面から明瞭には映しません。顔の半分以上は常に影が覆い、極めて陰影の強い映像を意図的に作っています。
被写体の人物の構図も特徴的です。東映時代劇の対局で、即ち主人公を画面の中心に置くことは稀で、上手と下手にほぼ非対称に配置し、センターにはただ空間を配するという、嘗ての大映時代劇のような構図が殆どでした。これは将に1970-80年代に一世を風靡したテレビ番組「必殺」シリーズの映像を再現しています。
そもそもが夜、又は室内の薄暗いシーンが殆どであり、仄かに見える建屋の設えの出来と薄暗い中にはっきりと被写体を映し出す照明の技量が試される映像ですが、確かな腕前でした。さすが京都で腰を据えて製作した作品です。
昼間のシーンも、銀落しをしているような濃淡のコントラストの強い、乾いて刺々しい映像であり、作品のトーンをそのままに暗鬱な緊迫感が常にスクリーンに漂います。
更に暗い画面をややローアングル気味で捉えるカットが多く、観客に無言の圧力を感じさせ、自ずと緊張感を高めさせます。
手持ちカメラは、ラスト近くの大立ち回りシーンのみであり、この映画の暗鬱な緊迫感と鋭利な緊張感を、画面が揺れて変に乱されることがなく、座席にしっかり身を据えて見定めさせます。
陰影を画面の過半に配し、十分にタメをもたせた様式美に満ちた時空を情感豊かに見せてくれました。
ただ半面、物語のテンポが決定的に緩いのは難点です。回想シーンが多過ぎるのもその所以ですが、つまり今の状況を説明する伏線描写が長く多過ぎるのであり、もっと凝縮した、或いは端折ったシナリオ構成にすべきでしょう。叙情的な描写とその背景をロジカルに見せようとするあまり、過去のエピソードに拘り過ぎた結果、時制が行ったり来たりして鈍いテンポになったのだと思います。
一方カメラは、ナレーター役でもある、副主人公で建端の低い彦次郎目線で捉えているため、当然ながら豊川悦司扮する主人公・藤枝梅安を仰角気味に捉えるカットが多くなります。そのため梅安の無気味で武骨な威圧感が一層増幅されているように思います。
更に梅安の目、ほぼ終始無表情であり、普段は節穴のような輝きのない木偶の目なのが、人を殺める時には眼光鋭い野獣の如き無常の目に、見事に変貌していました。それでも梅安は常に無表情で人を殺めており、それだけで彼が卓越した凄腕であるとの印象を高めています。
尚、池波作品の映画化らしく、頻繁に食事のシーンが出て来ます。描かれる料理は決して豪華ではない地味で質素な煮物が多かったのですが、どれも無性に懐かしく、思わず食欲をそそられる、豊かで贅沢な匂いが観客席にまで漂ってきていました。びじゅ
絵のつくりは好き
のっけから濡場で、その後もやたらが多くてどうなのとも思ったけど、絵や色のバランスは好みの方向だった。
仕留める絵はサマになってカッコよかった。話そのものはまあ。
最後予告長い。
追記:他の方も書いているけど食事シーンが美味しそうだった。
最高
1回目は一人で。
2回目は80歳の叔父さん夫婦と(面白かったから叔父さん夫婦にも観せたかったから)。
親切な作り。
まず、誰が観てもわかりやすいように説明の台詞やシーンが盛り込まれているので安心して観ることができた。
冒頭。灯籠の明かりが水面にも映るシーンや、赤い月。一つ一つが浮世絵みたいに陰影で美しくて引き込まれる。ご新造さんの薄ら笑みも。
光と影、ではなくて、光に光が重なり、影にさらに影が映る画面は美しかった。
豪華キャストも目を離せなくて、役者さんが投じするたびにワクワクした(六角精児さんのクズっぷり、最高!)。
俳優さんたちはもちろんだけど、スタッフさんたちも「いい映画を創ってやろう」という気持ちが伝わってきた作品でした。
仕掛人と仕事人の違いって…?
テレビのスペシャルドラマで年に1回か2回か放送されてる東山さん主演の仕事人(今だに藤田まことさんの主水が印象強いけど…)と藤枝梅安の仕掛人って どう違うんだろう??
まぁググれば分かるのだろうけど、敢えてググらずにおこう!
ってなぐらいの認識の私でも かなり楽しめ、更に134分の上映時間は もしや長く感じるかも…と思っていたが以外にアッと言う間に感じる作品であった
他の方の口コミにあった通り 確かに悪役陣の配役には多少の物足りなさはあったものの 全体の顔ぶれとしてはナカナカの豪華さだったと思う
色々と書こうとすると長くなるけど、豊川さんの梅安や天海さん演じる"おみの"菅野さんの"おもん"などなど…
皆さんが其々に適役だったと思うけど、私的には片岡愛之助さん演じる"彦さん"が特に良かった!
たまにドラマに歌舞伎役者さんが出られると なんかヤッパリ歌舞伎調だな~と感じる事もあって
でも愛之助さんは『半沢直樹』の時の黒崎役も なかなかだったけど、今回の彦さんも本当に良かった!!
わが街熊本では1ヶ月余りの上映期間で間もなく4館中3館が上映終了となってしまうけど…もし観ようかどうしようか悩んでいる人には是非とも観てほしい!です
4月からの続編(?)を観るためにも。
※この作品は、エンドロールで席を立ってはいけませんヨ
久々の時代劇&当たり前だが…
(自分も含めて)皆,歳食ったなぁ〜!なんて今更ながら、最初に思っちゃったのが第一印象だったんだよねぇ〜⁈
毎回の様に勝手な事を語ります。 私個人の勝手に,女ったらしでスレンダーのイメージだったトヨエツは、かなりに肥えて貫禄が付きつつ,だが相変わらず女ったらし役は健在だった。 全然知らなかっただけに興味を抱き、色々と過去を調べ直してみると,このシリーズはかなりの大御所が入れ替わり立ち替わりに何代モノの大御所がこの役を熟(コナ)してきたらしいデスねぇ〜
過去のものを殆ど知らないが為に,緒形拳やら岸谷五朗等が熟したシリーズもある様で、後からソレを知ったが為に余計に観てみたくなったのは言うまでも有りませんねぇ〜( ͡° ͜ʖ ͡°)。
原作未読ゆえそのせいかもだけど
仕掛人、元締、プロとして仕事内容しゃべりすぎ
仕掛に困難さがない
テレビの仕掛人シリーズのイメージで観てしまったからなのかカタルシスなし
ところどころでいい絵はあり、でも回想シーン表現古い
もうひと頑張りなんだよ。
このTVシリーズは子供の頃見ていた。
停滞していたTV時代劇に風穴を開けた傑作だったと思う。
本作も役者達の良さもさることながら、撮影部、照明部、美術、合成、映像美に関してはまあまあ楽しめたが、過去作を超える程では、、いや足元にも及ばない。オリジナルの映像は今見てもぶっ飛んでる。さらに子供時代の回想が今ひとつの出来である事とエロいシーンがエロくなかった。
でも今作は役者達が活躍している。
豊悦と愛之助の関係が新鮮で素晴らしく、お互いの小さな心遣いが沁みる。あと天海祐希の生き残る悪女っぷりが抜群に美しく、悲壮で、力強くてカッコよかった。演じてて楽しかっただろうなぁ。
なんだかんだ言ってるけど後編も観ますよ。
王道時代劇の進化版
あまり時代劇に詳しくないので、そういうものなのかもしれないけど
・梅安さん簡単に人殺しすぎ
・みんな口が軽すぎ
・女の人は手籠めにされがち
だなぁと思った。そうじゃないと話が動かないけど…
王道時代劇展開の中でCGを駆使して新しい見せ方をしているのはよかった。
結構人間関係が入り込んでいて、涙を誘うところも。
あと、吹き矢は乱戦じゃ無理ありすぎるのでは…
生きているが故の哀しみ そして 掟
ロードショーで邦画を観るのは久しぶりだったが
観て良かったと心から思える映画だった
豊川悦司さん、片岡愛之助さんをはじめキャストの皆さんの演技の素晴らしさ
その雰囲気、言葉遣い、声色、所作全てが映像と物語にマッチして
素晴らしかった
池波正太郎さんの作品に見られる
市井の人々の暮らし、そのなかで生きることの哀しさ、喜びがあり
そうしなくては生きられなかった運命が非情な巡り合わせを用意して、心ならずも手にかける相手への思いを豊川悦司さん演じる梅安がみせてくれる
仕掛人として生きる主人公の深い哀しみと優しさが
片岡愛之助さん演じる彦さんへの仕草に見事に表現されていたように思う
殺しを裏稼業とする、悪党ではあるが今現代にもいてくれたらと
思わせる物語は見応えがあった
ぜひ第2部も観たいと思う
全体的には好きだけど
キャストはみんな素晴らしいし、セットも悪くないと思います。
ただ、説明過剰、セリフもナレーションもお肉が付きすぎています。
昔の仕掛人のイメージをひきずってるせいかもしれないけど、もっと観る人を信じて、スタイリッシュに作ってほしかったです。
あと、画面が小さいです。せっかく映画なのに映像に広がりがなくて、時代劇専門チャンネルの力なくしてはこういう映画を作れないのかもしれないけど、テレビで放送することを前提に作ってませんか?
豊川悦司は大好きだけど、やはりあまり喋らせないほうがいいです。緒形拳と比べてしまう私もいけませんが。表情、立ち姿は抜群です。
柳葉敏郎がよかったです。早乙女太一は殺陣も素晴らしく、むさい浪人姿なのに清廉な武士の輝きが眩しい。高畑淳子、小林薫、ほかベテランのみなさま流石でした。
最後の字幕が流れ始めたところで梅安の悲しみが急に押し寄せてきて涙が止まりませんでした。
出演者がフィットしてない感じ
かつてのプログラムピクチャーのように、スクリーンに時代劇を復活させようとする連作の第一部。
出だしの中村ゆりのアップから、水中での殺しまで、ダークなトーンとアクションで惹きつけられる。
しかし、本編に入って、菅野美穂、天海祐希が出てきてからは、出演者と作品の雰囲気がフィットしてない感じが気になってくる。梅安と彦さんとのバディものとしての面白さはあるが、クールなトヨエツと歌舞伎顔の愛之助では合っていない感じも。
ストーリー展開は、狭い因縁話に収まって、広がりを欠く気がしたが、原作どおりなのだろうか。後半の回想シーンの入れ方とか、テレビ的な感じ。悪役が全然魅力的じゃなかったし。
江戸の町中が舞台だったので、屋内シーンが多かったが、ラストの第二部の予告編では、地方が舞台で屋外ロケが結構ありそうなので、また違った面白さが期待できるかも。
新作時代劇をスクリーンで観られる至福
冒頭から江戸の夜の闇の濃さに魅了される。
闇の世界に生きる仕掛人の持つ善と悪が、江戸の夜を照らす灯りのように
曖昧ではかなく、美しい。
豊川悦司の肉体から放たれる色気もはりつめた世界ととてもマッチしていると思う。
説明しすぎない演出も好みで、こちらが余韻を十分味うことができる。むごいことが横行する世界で闇に生きる仕掛人こそが果たせる正義、この暗殺と正義のバランス感が押し付けがましくなくさすが池波正太郎の世界だなと。実は藤枝梅安シリーズは全く手を付けてないのだけど、2の前に読むか悩む。そのくらいこの映画は素晴らしかった。スクリーンで観ることができてよかったと思う。江戸の世界観の美と余韻に当分浸っていたい。
全155件中、21~40件目を表示