「映画館でみる時代劇。色気と非情なクールさ。」仕掛人・藤枝梅安 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)
映画館でみる時代劇。色気と非情なクールさ。
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原作未読。映画館で時代劇をみるのはいつ以来だろうと思い、観たくなった。原作未読ながら、鍼医者でとても評判の良い医者が、裏稼業では殺し屋をやっているという設定が興味津々。殺し屋でも悪いやつらの殺しを請け負っている設定。同志は、元ヤクザでいまは木工細工を営む、これまた仕掛人(殺し屋)と同志、友達のような関係。
今回、請け負った殺しのターゲットが、料理屋の女将だったが、幼いときに母親と共に生き別れになった妹だった。最後にその妹を手がけたの非情さがだからこそ、この話しにピリッとした筋書きを与えている。生かしておいても世のためにならないと思った故だったのか、それは愛情の裏返しなのか、いや殺してしまうのはやはり非情さを感じる。
梅安演じる、豊川悦司は長身で体躯がよく、丸刈りが似合う。なんだか素朴で強そうな外見。おちょぼ口のような唇がなんとも上品で色気のあるのが特徴な役者ですね。長尺の針で急所を刺し抜き、出血もキズもほとんどなく殺しに至るため、まさにきれいな死に方になっている点もクールなイメージ。この意味では、原作の力を感じました。
脇を占める女優たちもそれぞれ色気感じますし、梅安とは対照的なひょうきんそうな彦次郎演じる片岡愛之助とは相性よいのが感じました。
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