「殺陣が素晴らしい」鬼平犯科帳 血闘 僧ヶ鍬崎さんの映画レビュー(感想・評価)
殺陣が素晴らしい
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松本幸四郎の演じた殺陣は4つ。いずれも性質・状況・人数の違う内容であり、邦画ながら珍しくアクションで魅せてくれた。
1.居酒屋を出た後の浪人の襲撃
昼間路上での1対数人。相手が殺気を漲らせていたからか不意打ちにはならず。不利な状況ながら追い返し剣の腕を見せる。
2.呉服問屋での逮捕劇
火付盗賊改としての正式な出動。夜間に盗賊を待ち伏せして複数人対複数人の乱闘、捕縛。
規模としては作中最大だが、鬼平側の準備が万端だったため怪しいところはなく制圧完了。一方で、敵役の首魁を取り逃す失態を演じ、主人公は完璧ではないことを演出。
3.崩れかけた屋敷へ突入
ヒロインを救うため鬼平は一人で現場へ急行、昼間に1対数人で剣戟を交わす。
難しい状況ながら、巧緻なアクションで一人ひとりを負傷させ最終的に全員を戦闘不能に追い込む。おそらく単純な殺陣としては一番力の入ったシーン。1で戦った因縁の浪人を斃し、ヒロインも救う。
ここまで鬼平は無傷。圧倒的だ。
4.料亭での伏兵
夜間に料亭へ招き寄せられ待ち伏せされる側に。しかも打刀を没収され相手は弓兵を用意し、1対多数の圧倒的不利の状況となった。
ここまで見せなかった剣術以外の技も駆使し、手傷を追いながらも逃走&闘争で敵役との一騎打ちに持ち込む。最後は一瞬の交錯で手討ちに。
面白い!派手なVFXやスローを使わずここまで面白いアクションを作れるとは、時代劇を食わず嫌いしなくてよかった。
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