「この今日のうちにすでに明日はひそんでいる」14歳の栞 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
この今日のうちにすでに明日はひそんでいる
教室に貼られていたその言葉に、ドキリとした。
そうなのだ。一日一日は切り離されことなく、毎日がつながって続いている。
当時14歳だった自分も、それから40年経ってしまった今の自分も。
ついさっきまで、「俺らの頃なんてスマホなんてなかったし」とか「今の子供たちと世代が違うし」とか思ってたのに、なんだ同じじゃん、と思えた。教室の中がほぼ世界のすべてみたいなもので、皆同じ服装をして、決まったスケジュールで管理され、これでいいのか悩み、ちょっと自分を偽り、友とふざけ、恋もし、早く大人になりたいと焦れ、子供のままがいいやと甘える。
彼ら彼女らは、14歳の中学生ではある。個性はそれぞれ。ゆえに生き方もそれぞれ。だけど、ひとりひとりが、確固たる人格を持った個人である。
なるほど、あとからじわじわ来る。そして脳裏に残された映像の中に、いるはずのない遠い昔の自分を探している。
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