「COVINGTON CURSE」スポンティニアス kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0COVINGTON CURSE

2021年9月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 クローネンバーグか!?という台詞にもあるように、突然人体が爆発するシーンからのスタートだ(参照:『スキャナーズ、』『イグジステンズ』)。とは言っても、全体を通してみれば学園ロマコメといった主軸に背景がホラーといった感じ。

 そんな自然発生的爆発は原因不明で、局所的、エピデミックと言えようか。しかもコビントン高校の3年生だけに頻発するのです。“コビントンの呪い”とも揶揄され、FBIが原因究明しようとしたり、政府が介入したりと、世間の注目を集めるのですが、生徒たちは次は自分が爆発する番だと戦々恐々としている。1日1日を大切に生きよう、ドラッグやりまくろう、などと厭世観も人それぞれ。そんな中、思い切って告白したディランとマーラが距離を縮めていく。

 製作は2019年だというからコロナ発生前。しかし、コビントンの名にcovitの文字が隠されているのは単なる偶然なのか?3年生たちはビニールテントに隔離され、製薬会社の治験に使われ、FBI捜査官のチェックを受ける。宇宙の始まりビッグバンだって何故起こったのかわからないんだし、原因がなくてもいいじゃん!死に怯えつつも楽観的だったりするのが微笑ましくもあります。

 終盤の悩みをぶちまけるマーラの気持ちも切ないものがあるけど、シュールで残酷でポップな学園ドラマが楽しめます。また、ディランが映画ヲタクということもあり、色んなネタが仕組まれています。特に『キャリー』や『ET』は観ておいた方が楽しめるハズ。

kossy