「命の極限状態、絶叫と緊張がクセになる」CUBE 一度入ったら、最後 ニンフィア好きさんの映画レビュー(感想・評価)
命の極限状態、絶叫と緊張がクセになる
30年ほど前に公開され、低予算ながら世界的にヒットした名作「CUBE」の日本リメイク版ということで、またもや僕の好きな名目です。謎の立方体の部屋に閉じ込められた接点のない6人が死のトラップが待ち受ける迷宮の中で彷徨い続ける。生き残りをかけるという点ではよくある話ですが、CUBEは一癖も二癖もある作品であることは間違いないです。一人、また一人と命を落としていく緊迫感がクセになります。
部屋を次から次へと移動していくたび、謎が深まるばかりです。謎解きのような感覚でストーリーは進んでいきますが、脱出する方法はわかりません。どの部屋に殺人トラップがあるのかもわかりません。一つ一つ慎重に確認していくしかなく、一歩間違えたらそのまま死へと一直線という極限状態が人間に本性を目覚めさせていくのが、いわゆる「デスゲーム」の面白いところです。キャストの菅田将暉さんや岡田将生さんの魂の絶叫、容赦なく襲い掛かる殺人トラップ、他人を裏切ってでも自分が助かるように動こうとしてしまう人間の本性、それら全てが重なり合ってCUBEの中の緊迫感を作り上げていました。こんな常に死と隣り合わせの状況にいたら、正常に行動できる人はいないでしょうね。またこの作品は単なるデスゲーム感覚ではなく、それぞれの登場人物たちが抱える人間ドラマまで深掘りされており、菅田将暉さん演じる主人公は、様々なトラウマを背負いながらも生きて出るために叫んで、叫んで、心を蝕まれていきます。そういった点もこの作品の魅力の一つだと思います。
もう一つ、地味にこの映画の主題歌の担当、星野源さんなんですね。曲名は同じ「CUBE」。あんまり話題にならなかったのは、映画もそこまで注目を浴びなかったからでしょうか。それでも僕は星野源ファンとして、主題歌も評価したいと思います。