「つきぬけて天井から柄本時生」CUBE 一度入ったら、最後 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
つきぬけて天井から柄本時生
2021年映画館鑑賞91作品目
10月24日(日)イオンシネマ石巻
98年に日本で公開されたカナダ映画のリメイク
ビンチェンゾ・ナタリ監督の長編デビュー作であり代表作
ナタリ監督もアドバイザーとして加わった公認作品
清水康彦監督作品初鑑賞
脚本は『おっさんずラブ』『都会のトム&ソーヤ』の徳尾浩司
元ネタになった映画は20年前にDVDで観た
一度入ったら、最後
副題がダサい
『大霊界2』の死んだらおどろいた以来
『CUBE』だけで良かった
どうせなら最後じゃなくて最期じゃないの
まあどうでもいいけど
元々低予算だが邦画の方はそれより少しはカネをかけたかもしれない
六面体の空間
一面に一つずつ出入り口のハッチがある
そんな部屋がほぼ延々と続く
ゴールを求めて冒険する脱出ゲームもの
死のトラップがある部屋もあるので十分に気をつけなければいけない
人の感情に反応して壁の色が変わったりする
わりとみなさん気づいていない様子
いきなり連れ去られ気づいたらそこにいた人たち
みんな青いツナギ
設定はこんな感じ
後藤裕一(菅田将暉)エンジニア
甲斐麻子(杏)団体職員
越智真司(岡田将生)フリーター
宇野千陽(田代輝)中学生
井手寛(斎藤工)整備士
安東和正(吉田鋼太郎)広告代理店役員
主なメンバーはこの6人
女性がもう1人くらいいた方が良かった気がする
こんな話だから役者の演技力が生命線
その点ではみんな良かった
特に菅田くんと岡田くん
子役の田代くんも良かった
クソッと言わせれば日本一のクソオヤジ吉田鋼太郎も良い
杏がずいぶん落ち着いた感じだがその理由が最後の方でよくわかる
6人の前に柄本時生が登場するが死んでしまう
顔とアンバランスなサラサラヘアー
CUBEのリメイクに出演できると聞いてオシャレでセレブな美容院に行ってきたんだろう
それなのにセリフ無しですぐに死んじゃう役
前からと後ろからの違いはあるが赤いズゴックに突かれて大破するジムを彷彿させた
もう一度登場した時は本人でなくあきらかに人形だった
なぜだろう
途中降板したのだろうか
死に方がちょっと不自然な気もする
格差社会や虐め問題が取り上げられているが自分にはなにも響かなかった
結局のところ井手がなんで急いでいるのか具体的なことがわからずじまいだった
どんな組織がこんなことを?
誘拐罪じゃないか?違法では?
パラレルワールドか?近未来社会か?
いろいろと矛盾とか無理があるがそこを突っ込んでもあまり意味がないしどうせなら楽しむ他ない
僕の解釈はCUBEは生と死の世界の境目だと思っている
本田真吾のサイコホラー漫画『終園地』みたいなものかと
邦画好きで日本の有名俳優が好きな人には向いている
自分としてはカナダの知らない俳優じゃない分だけこっちの方が楽しめる
日本を貶め海外をやたら有り難る輩には向かない
どうしてそういう人はお金を出して邦画を観てわざわざレビューを書くのか全く理解ができない
革命戦士のつもりなのだろうか