「原作未見」CUBE 一度入ったら、最後 よっちゃんイカさんの映画レビュー(感想・評価)
原作未見
原作未見ではあるがみなさんのレビューを読むだけで原作がどんなに凄い作品かがわかる気がする。
それに比べるとこの作品は思ったほど謎解き要素があるわけでもデスゲーム的要素があるわけでもなくかといって人間描写は主人公以外いまいち。
全てにおいて中途半端。
原作を知らない分CUBEの構造、美術、役者さんの演技で楽しめたが事前の期待値よりは遥かに下。
星野源さんの主題歌も歌単体で聴くと凄い楽しい曲だが、映画のあのラストの後に聴くと場違い感が半端ない。
そして、登場人物の感情が昂ったりするとCUBEの色が変化するのもものすごくチープ。
役者さんの演技を信用してないんだろうか。
ラストの岡田将生さんとのゴチャゴチャが起こる部屋もトラップが発動するのが声、感圧のいずれでもなく時間経過なのもよくわからない。
というか都合良いですね。
おそらくこの作品の肝は立方体がいくつも連なってるという単純な構造の中で様々なトラップがあり、閉鎖的な空間の中で起こる人間関係の変化なのだと思う。
しかし、日本版では主人公の回想で外の世界を見せて主人公の過去に何かあることをくどいくらい見せていく。
閉鎖的な空間で役者の会話のみでそのキャラクターに何があったのかを見せていく会話劇としての要素が薄まっていた。
だから役者陣の演技を演出と脚本が邪魔している感じがする。
役者陣の演技でいえば最初の方にやたら間を持って話すのも間延びしてて冗長。
もっと脚本がしっかりしていれば面白い作品になれただろうなと思った。
杏さんの演技と伏線回収に関してはなるほどと思った。
【付け足し】
星野源さんがラジオでおっしゃっていたのだが、「CUBEを今リメイクしようと思った理由が本編を見てわかった」
この言葉の意味が映画の最後の最後で僕にもわかった。
やたらめったらにリメイクしようとしたわけではないのはわかっただけに惜しい。