「一度入ったらある意味終わり」CUBE 一度入ったら、最後 トモチャフスキー•イノフさんの映画レビュー(感想・評価)
一度入ったらある意味終わり
元々カナダ発の映画『CUBE』はデスゲームの金字塔として今日でも挙げられるくらい有名である。
今回はそのリメイク版ということもあり、期待して映画館に足を運んだが結果は予想外…はっきり言って最悪であった。話の落とし込みがあまりにもチープで薄すぎる。お金を払わなくても見るに値しない作品であると言える。
特に私のようなデスゲーム好きにはかなり残念で物足りない映画であることだろう。
①人の死に方が単純
デスゲームはある種、怖いもの見たさで見る人間も多い。変わった仕掛けやトリックに面白さを感じるのが普通だが、『CUBE』の仕掛けには面白みが無いため残念。
②謎しかない気持ち悪い終わり方
もう少し主催者や閉じ込められた理由などを明かして欲しかった。こんなのではただの意味のない映画になってしまう。そして千陽くんだけが結局外の世界に行けた、というラストで良いのだろうか?
③蛇足描写の数々
原作『CUBE』は全体的に無機質なところが魅力であったにもかかわらず、今作『CUBE』では人情ネタを取り入れたところが蛇足すぎた。千陽と後藤の絆の描き方も薄っぺらいし、あの場面で何故あのような絆が生まれたのか不明。
④置いていかれる文系
トラップの部屋に書いてある数字が素数か否か、という法則性であったり、XYZ座標についての言及などの解説が分かりにくい。もう少し名○偵コナンみたいに解説を図で分かりやすく説明してほしい。文系の視聴者は置いていかれてしまう。
どんな人がこの作品を高評価しているのかTwitterでエゴサしてみた。出演している俳優・女優、もしくは星野源のファンが、高評価している印象が強い。確かに自分の好きな役者が出ている場合は、1.1倍くらい面白く感じるのかもしれない。
現在『イカゲーム』が起因となり、デスゲーム系の作品の話題が全体的に挙がっている。そんな中、日本のデスゲーム作品は全体的に他国と比較して劣っているように感じる。
デスゲームは全般的に死の描き方・トリック・真相などの描き方によって作品の重みも深く変わっていく。
もう少し日本の映画業界は頑張って欲しいところだ。