「あなたの番ではないです、星野源」CUBE 一度入ったら、最後 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
あなたの番ではないです、星野源
久しぶりの公開日鑑賞。
カナダの20年以上の前の密室スリラー映画を今更日本でリメイク。もう嫌な予感しかしない本作なので期待は全くせず。こういうのは何も考えずに役者を見たらいいのだ。
想像していたよりは良かったのかな。
別に面白いんだけど、何か面白くない。意味は分かるけど全然意味がわからない。そういう映画。
立方体のキューブに閉じ込められた6人の男女。
理由も分からずやってきた6人にはなんの接点もなく、ただ脱出をする為に前を進むがその先には殺人的なトラップが彼らを襲う。
何が面白かったと言われればすごく難しい。
けどまぁ、何がが起こるかもしれないという緊張感は中々楽しくて、訳が分からないまま脱出を試みるというのは結構好きな作風だった。変わり映えしない風景だけど、個人的にはこの無機質な感じは大好き。密室スリラーってあんまり見た事ないけど、好きなジャンルなのかも。新たな発見だ。
通常運転の菅田将暉と吉田鋼太郎。
やっぱり渋くてカッコイイ根は良さそうな斎藤工。
まぁ新人だなと分かる、泣き演技が少しわざとらしいそこまで演技が上手いわけではない田代輝。
あなたこそ何者ですか?と言いたくなる独特な雰囲気を放つ、実写映画の出演はかなり久々の杏。
そしてまたもや凄い岡田将生。優しそう、面白そう、変人そう、頭おかしそう、怖そう、怖い、怖い、恐ろしい。声の出し方とか身動きとか、人外なようだけどこの人が1番人間らしくて素晴らしい演技だった。なんでこんなに演技上手い?凄くない?本当に驚く。もう他の役者どうでもいいよ、この人しか目に映らないよ。
退屈そうだなと予告では思っていたが、意外と退屈はせず飽きることも無く楽しめた。まぁ、この映画の1番面白いところは1番最初で終わっているんだけどね。何となく噂で聞いていたから知ってたんだけど、やっぱりちょっとビックリしたしナイスだった。
この映画の最大の欠点は深みの無さ。
たった1人だけ過去が描かれており、それもまた薄っぺらい。一人一人自分のやったことが映像化されていたら評価は上がっていたものの、何故かケチって口頭での説明だけに。何をしたかって何となくで分かるけど、やはり「思い」が無くて感情揺さぶられないし、深いようですごく浅かった。
仕掛けに対して疑問だらけ。
死のトラップのバリエーション全然なければ、意外とすんなりと前に進めてしまう。いや行けないんじゃないの?そもそもなんでこの格好?なんで鉄格子?後半からツッコミどころ満載で、終わり方考えてなかったからこんな風に終わらせとけば納得がいくか、という監督の適当さが丸見え。もっと緊迫感が欲しいし、意外性が欲しかった。んー、やっぱりそっかという印象。
ラストは「はい、出た〜」と邦画あるあるの大っ嫌いな終わり方だった。そんな簡単じゃないし、そもそも本来の目的とかけ離れているよね?ラストの仕掛けも訳が分からず、なんでそうなったのか理解できない。トラップとは何ですか。樹海村みたいになってましたけど。
岡田将生に救われたね、この映画。
原作超えることないんだから。役者集めとけばいいって問題じゃないんだから。テーマは面白いだけに残念だった。キャラクターみたいに素晴らしい映画オリジナル脚本、日本でも作れるんだから。
あと星野源、てめぇはダメだ。全っ然雰囲気にあってない。話題性だけ。別に主題歌なんて要らないよ、この映画には。