「ある立場に立ちつつ」AGANAI 地下鉄サリン事件と私 Momokoさんの映画レビュー(感想・評価)
ある立場に立ちつつ
反対の側にいる人間と対峙する。
ある立場は被害者、反対の側は加害者という。
ドキュメンタリーとしては危ない橋を渡る。
監督としては、練った企画で、互いの故郷、大学を巡る旅、ロードムービーだ。
ここに出ている荒木さんは、サリン事件の直前に出家している。サリン事件に関わったわけではない。しかし、彼の教祖が何も語っていないからサリン事件に向き合えない。
最後の方に彼が被害者と会ったことが今までなかったと言っていた。
昭和天皇が戦争責任を語らない、取らない、から、自分の責任にも向き合えない帝国軍人?みたいだ。
藁にもすがる思いで、信仰にすがる荒木さん。
いつか、固く握った何かをlet it go できるように。
映画を観ながら、亡くなった人、傷ついた人、すがっている人を思い、祈りたくなった。
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