「心の不思議」AGANAI 地下鉄サリン事件と私 ふうさんの映画レビュー(感想・評価)
心の不思議
人間の心って怖いなと思うことが折に触れあるけれど、
オウム事件はそのことを思い知らされた代表的な出来事だったと思う。
最後のシーンで、監督は荒木さんに、
なぜ謝らないと迫るが、荒木さんは謝ることができない。
実際、彼は事件そのものには関わっていないので、
内心、なんで謝らなくちゃなんないのと思うのか。
それとも、謝ることでオウムの非を認めることになるので出来ないのか。
荒木さんは、充分に誠実な人のように見えるので、
とっととオウムを辞めればいいのにと思うが、
そうはいかない心の呪縛。
彼の心の中では何が起きているのか?
私には、引きこもりの人のように見えた。
心の中ではこのままじゃダメだと分かっている。
でも今さら怖くて辞められない。
もう社会に出て行くことができない。
自分の心の中に潜って、外の世界を遮断することしか、
やり方が思いつかない。
でも彼は家に引きこもるのではなくて、
宗教に引きこもる。
家にも居場所がなかったのか?
優秀な息子は家族に甘えられなかったのか?
いつか荒木さんの心の呪縛が解けて、
自分の足で社会に出てきてくれることを、
願っています。
コメントする