「小学生のとき、横浜ドリームランドに行った。」ドリームランド kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
小学生のとき、横浜ドリームランドに行った。
ドリームランドに行けたのになぜ大阪万博には連れてってくれなかったんだよ~!という話は『20世紀少年』で語ることにして、やっぱり親と一緒に大きな遊園地に行ったことは記憶に残るものだ。この映画にしてもビリー・ザ・キッドを引き合いに出して、後世に語られるほどの人物について語られる。若くして死んだからといって何だ!記憶の中にずっと生きているほうが素敵じゃない?アウトローもそこまで崇められたらすごいことだ。
テキサスに入植した一家。荒涼とした大地には雨も滅多に降らず、時折やってくる砂嵐に怯える生活。おらこんな村いやだ~ってな感じでユージンの実父ジョンは抜け出してメキシコに行ってしまった。母オリビアは保安官代理のジョージと再婚し、娘フィービーが生まれる。そして、語り手となるのも大人になったフィービーだ。
賞金首のアリソン(ロビー)は銀行強盗で人を殺し、この村に逃げ込んだらしい。納屋で怪我をしてるのを発見したユージンは彼女を匿うことになったが、職なし、面白いこともなしという状況下ではわかる気もする。ましてや、女性経験のないユージンにとっては珍しいものを見るかのように興味津々。探偵小説を読み漁っていた大人しい性格だったことも原因かもしてない。そんなアリソンが「私をメキシコまで連れて行ってくれたら賞金の倍を支払う」と申し出る。
時折フラッシュバックのように挿入されるカットがユージンの心情を表現していて、メキシコと海への憧れが伝わってくる。アリソンへの愛もワンショットながら美しい。彼が日常から抜け出すことを決めたのも全て彼女のため。何となく自由の象徴であったかのような30年代のメキシコ。全てが彼の夢の地だったのだろう。閉塞感漂う現実から今でも抜け出したいと思うし、人の記憶に残る存在にもなりたいなぁ・・・などと今夜も夢見て眠ろう・・・と。