「ユージン役のフィン・コール。デビット・クロスにすごい似てる」ドリームランド カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
ユージン役のフィン・コール。デビット・クロスにすごい似てる
Dust bowl
防塵マスクをいつも携帯していて、なんかコロナ禍の現在とかぶる。
砂嵐、いつくるかわからないんでしょうね。警察職員の父親のは毒ガスマスクみたいだった。
1930年代半ばのテキサスが舞台。
音楽も全部オリジナルのようですが、なかなかよかったです。フルーグラスやフォークソングが渋かった。
異父兄妹の妹が兄の記憶をたどるかたちのナレーションで進行する。
妹役の子役がとても利発でかわいい。
兄のユージン役の新人俳優フィン・コール。デビット・クロス(David Kross:ダフィット・クロス)と区別つかないほど似ていた。実際、年齢も5歳しか違わないみたいだし。デビット・クロスは最近、キーパーある兵士の奇跡やバルーン奇蹟の脱出飛行に出ていますが、むしろ有名なのは愛を読むひと(ケイト・ウィンスレット、レイフ・ファインズ)で、少年時代のマイケルを演じたことですね。ケイト・ウィンスレットのアンモナイトを観た直後でもあり、あぁ、マルゴット・ロビーはアメリカ版愛を読むひとを作って、大女優へのステップを踏むことを企んだ? 自分の制作会社。自分が主役。若い俳優を起用してのラブロマンス。いつまでも、ハーレイクインやってられないしね。
クライム・ロードムービーはアメリカによく似合う。大規模な開墾による人災の結果のダストボールと重なった大恐慌。怒りの葡萄でもお馴染み。狙ってきたなぁ~と思いました。
久しぶりに酒で消毒して、弾を抜くシーン見た。マーゴット・ロビーのふとももいいね。
夜の湖に二人で入るシーンもよくある。誰もこないと言ったのに、人に見つかって、あわてて逃げたあとの、ビンタ。
ユージンはアリソンにたびたび、子供扱いするなよと。25歳とうそぶいたり、背伸びする。
モーテルの浴室での初体験。
「そこに座りなさい」
アリソンは逃亡用の車をなんとかユージンに用意させようとする。そして、大砂嵐の中、とうとう父親のトラックで逃亡する。
なかなかだと思ったのは、実父に想いを寄せるユージンがトラックで運転中に警官に尋問されるシーン。名前を聞かれ、「ユージン・ベイカー」と、現在の姓エバンスではなく、実父の姓ベイカーを名乗ったところ。もちろん、警官に身元がばれないようにとっさに考えたのであろうが、5歳で家族を捨てて行ってしまった実父への憧れがよく表れていた。このまま逃亡を続ける覚悟の表明とも感じられた。
メキシコの海岸での切ない妄想シーンのカットが素敵でした。もうちょっと見せて欲しかったなぁ。
アリソンを射殺したあと、息子に足を撃たれた父親。同行させた賞金目当てのハンターに撃つなと。自分も撃たないし、追わない。
妹は「お兄ちゃん、逃げて」
寅さんは異母兄妹。
寅さんも立派なロードムービーですけど、寅さんの冒頭の夢オチにこんなシーンあったような。
おいらもいい夢を見させてもらいました。年上のお姉さんに憧れた記憶を持つ男性にはたまらないストーリーでした。まんまとマーゴット・ロビーにやられました。