「アレ(ク)サ、歌を歌って。」アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
アレ(ク)サ、歌を歌って。
白人中心の教会で歌われる讃美歌と、黒人中心の教会のゴスペルでは、まるで雰囲気が違う。雰囲気だけじゃなくて、この映画では歌詞の和訳を字幕で出してくれるので、ゴスペルに詳しくない私にも少し理解に近づけた気がするが、根底に抑圧と忍従の日々から安穏を求める祈りがある。それはやはり長きに渡る黒人迫害の歴史と切り離すことはできない。
アレサ・フランクリンの一曲目の歌い出しからいきなり泣きそうになった。高音の抜けのいいシャウトは迫力がある(ベット・ミドラーやアイナ・ジ・エンドのようなハスキー系のシャウトも好きだが)。教会でのライヴということで、説教壇から歌うのも奇なる情景だ。キャロル・キングの曲まで宗教色を帯びるのも面白い。一方で、もう少しバラエティに富んだ選曲のコンサートも見てみたいという思いも。
今回の上映は、ジェニファー・ハドソンがアレサを演じた映画に関連したものなのだろうか。フレディ・マーキュリーの伝記映画のヒット以来、同工の音楽映画が続いているが、どういう人選なのか謎だ。
コメントする