「ゼンデイヤ優勝!」マルコム&マリー JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)
ゼンデイヤ優勝!
クリックして本文を読む
2人の会話だけで、2時間近く没頭できる映画ってだけで凄い。
会話によって、コロコロと優位が移り変わること、二人の過去と現在がわかること、凄すぎる。
しかも、マルコムはマルコムにしか言えない台詞を、マリーにはマリーにしか与えられない台詞が割り振られている。この監督、女心と男心を熟知している。
マリーは、やや幼く見えるが、彼女のほうが若いので、違和感がない。
本当に男っていうものを、男性の立場からここまで俯瞰して描けるって、相当人生達観しておられる気がする。
どのシーンも良かったんだけど、やっぱり何度も観たいのは、マリーの気が狂った演技ですかね。あそこまでやっといて、最後は両手でファック。最高。そのあとのマルコムのちゃんとした、オーディションでやれよ!っていうツッコミも笑ってしまうほど好きでした。
本当、キッチンに倒れ込むマルコムを端から撮ってるシーンも、マカロニ&チーズも、批評家にブチギレるマルコムに思わず笑ってしまうマリーも、言い合いで吠えるような声を出すマルコムも、好きでした。
マリーがお風呂に入る時に、つけま取って少女のような姿になり、ちょうどそこでふたりの形勢逆転するのも、ああ考えられてるなあ、と思いました。
会話に夢中で、途中から気にならないくらいだったけど、モノクロっていうのも効いてるんだよなーきっと。
あんなにも本気でぶつかって、エネルギー排出しまくってる日々送ってたら、めっちゃ疲れそうだなと思いました。肉体も精神も。
ps デビットワシントンの動揺した表情がアップで映るとき、なんだかTENETの予感がしてしまったのは、私だけではないはず。
コメントする