マルコム&マリー
解説
「グレイテスト・ショーマン」「スパイダーマン ホームカミング」シリーズのゼンデイヤと「TENET テネット」「ブラック・クランズマン」のジョン・デビッド・ワシントンが2人芝居を繰り広げる会話劇。愛の危機に陥ったカップルが過ごす一夜を、スタイリッシュなモノクロ映像で描き出す。新作映画のプレミア上映を終えた映画監督マルコムは、恋人マリーとともに帰宅する。映画を称賛され上機嫌のマルコムに対し、マリーはなぜか不満を抱えている様子。批評家たちの反応を待ちながら会話を続けるうちに、2人の関係に潜む問題が浮かび上がってくる。テレビドラマ「ユーフォリア EUPHORIA」でもゼンデイヤと組んだサム・レビンソンが監督・脚本を手がけ、「ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲」のマルツェル・レーブが撮影を担当。Netflixで2021年2月5日から配信。
2021年製作/106分/アメリカ
原題:Malcolm & Marie
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自作のプレミアに出席した映画監督とその恋人が、帰宅後、作品にまつわる論争になり、やがて、意外な事実を赤裸々に暴露し合うことになる。監督の葛藤、メディアとの関係、人種問題、俳優としての性、怒りと許容。。。久しぶりに作られた2人芝居である。始まりは、Z世代の現実を描いたHBO制作のドラマ『ユーフォリア/EUPHORIA』の監督、サム・レヴィンソン(オスカー監督バリー・レヴィンソンの息子)が主演女優のゼンデイヤ(これでエミー賞を獲得)に新作のアイディアを打診したこと。幾つかの候補から選ばれたのが『マルコム&マリー』だったというわけだ。だから当然、作品はゼンデイヤの演技力を全面的にフィーチャーしたものになっている。しかし、これが物凄い迫力で、パートナーを執拗に問い詰めた挙句、禁じ手とも言える手段を行使するシーンなどは、古い映画だが、同じ2人芝居の傑作『探偵スルース』(72)でのマイケル・ケインにも匹敵するどんでん返し的大熱演である。その分、監督役のジョン・デビッド・ワシントンは終始受けに回っているが、こっちも、持ち前のお人好しキャラをしっかり有効利用している。2人はプロデュースも兼任していて、撮影はパンデミック真っ只中の昨夏、厳しい感染対策の下、かつてクリント・イーストウッドが市長を務めたことがあるモントレーのカーメルで行われた。ヘアメイクと衣装担当がいなかったので、ゼンデイヤとワシントンは私物を持ち込んだという。多くのプロジェクトが停止するか先送りになる中、若い映画人が果敢にチャレンジしたコロナ禍を象徴する作品である。
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二人の演技力は素晴らしかったです。
モノクロの映像もカッコ良い。
ただ…ずっと口論してばかりで、雰囲気が良くなったかと思えばまた激情、の繰り返し。
「早く終わらないかな…」と思いながら最後まで観たものの、オチもなんとなく仲直りで終了。
演技合戦が見せどころなのでしょうが、「これで終わりかよ!」とキレそうになったので星1つです…。
恥ずかしながら、
私、恋愛経験が豊富でないのです
マルコムとマリーの関係性
熱すぎず
冷めすぎず
売り言葉とて
買い言葉とて
それが決定的になることもなく
始まりでもなく
終わりでもない
長く続くかもしれないし
終わりが近いかもしれない
血の繋がりがない他人と育む愛とは
こういったものなのでしょうか
この映画をご覧になって
刺さった方
自分の過去と照らし合わせて
溜飲を下げた方
とても羨ましく思います
きっと色気のある方と推察します
映画も色気のある大人な脚本であると思いました
なんと自分の恋愛観が幼稚なことかと
思い知り
少し落ち込んでいます
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2人の会話だけで、2時間近く没頭できる映画ってだけで凄い。
会話によって、コロコロと優位が移り変わること、二人の過去と現在がわかること、凄すぎる。
しかも、マルコムはマルコムにしか言えない台詞を、マリーにはマリーにしか与えられない台詞が割り振られている。この監督、女心と男心を熟知している。
マリーは、やや幼く見えるが、彼女のほうが若いので、違和感がない。
本当に男っていうものを、男性の立場からここまで俯瞰して描けるって、相当人生達観しておられる気がする。
どのシーンも良かったんだけど、やっぱり何度も観たいのは、マリーの気が狂った演技ですかね。あそこまでやっといて、最後は両手でファック。最高。そのあとのマルコムのちゃんとした、オーディションでやれよ!っていうツッコミも笑ってしまうほど好きでした。
本当、キッチンに倒れ込むマルコムを端から撮ってるシーンも、マカロニ&チーズも、批評家にブチギレるマルコムに思わず笑ってしまうマリーも、言い合いで吠えるような声を出すマルコムも、好きでした。
マリーがお風呂に入る時に、つけま取って少女のような姿になり、ちょうどそこでふたりの形勢逆転するのも、ああ考えられてるなあ、と思いました。
会話に夢中で、途中から気にならないくらいだったけど、モノクロっていうのも効いてるんだよなーきっと。
あんなにも本気でぶつかって、エネルギー排出しまくってる日々送ってたら、めっちゃ疲れそうだなと思いました。肉体も精神も。
ps デビットワシントンの動揺した表情がアップで映るとき、なんだかTENETの予感がしてしまったのは、私だけではないはず。