「ありがとうと真実味の価値」マルコム&マリー よしさんの映画レビュー(感想・評価)
ありがとうと真実味の価値
"真実味" Fuck you!! ノリノリなジョン・デヴィッド・ワシントン&ゼンデイヤ、主演二人の魅力とバチバチと火花飛び散らす化学反応。画面から溢れる主導権の取り合いと主義主張をする際にどう説得するか。そこで大量のセリフを持ってして語られ形作るのは、一部の人にとっては強烈、他の人にとってはきっとただの説教臭いだけの眠い作品。
マカロニ&チーズに夢中で --- 称賛されたプレミア帰りから始まる本作は、単に大人な雰囲気に酔いしれるだけでなく、むしろそんなことより容赦なく激しい罵り合いと普遍的な葛藤を見られる。意見をぶつける厄介な性格同士の曝け出し合い。他人事じゃない、身につまされる思いだ。表現の生みの苦しみや謎めいた原動力から、批評家嫌いに近年益々加速して一般人観客層にも浸透する批評家(面・気取り)文化まで、映画に関わるありとあらゆるもの(工程・側面)を話題にする。そして怒り狂う主人公マルコムの様がまるで自分を見ているみたいだった!もちろん若さ故の愚かさと実際作って味わうそれとでは雲泥の差があるだろうが。
恥と罪悪感を描いた --- 誰の!真実味の価値が分かった。だからアイデアも共作も難しいグレーゾーン。痒いところに手が届く、痛いところにグサリと刺さる、そんな耳の痛い話が強烈。登場人物を生き生きと困らせる本音と建前。監督の言いたいこと言って、おまけにキャラクタースタディまでしてしまう。悪いけど、この白人男性がクソ優位な業界にそんな急進派はなかなかいない。レゴ映画を撮ってもいい。自分が不安だからって、そこになんでも意味を見出そうとしないでくれ。喧嘩の理由はそんなことじゃない、もっと深い感情。彼女に物語を見たから。それが自分にとって人生の多くを占めるハードな体験であればあるほどきっと。凡人だと!そして、最後に同じ構図に二人が収まるまで完璧。鏡がいい。
「あなたを叱れるのは私だけ」「ありがとう」
以前から楽しみにしながらも、内容はまるで知らなかったけど、実際見てみると、上述したように、(鼻につきながらも)かなり痛く感情移入してしまった。真実味は鍵じゃない、解釈だ。
「あなたは人の愛を感じた瞬間、その人を軽んじる」調子に乗らないで、苦言にも耳を傾けて「あいつビョーキだ」ナイフ「あなたを叱れるのは私だけ」"君の失敗に感謝してる"