「ムロツヨシさんの好演に拍手」マイ・ダディ おたまさんの映画レビュー(感想・評価)
ムロツヨシさんの好演に拍手
古田新太さんの「空白」とハシゴ鑑賞。
先に見たのが空白だったため、体力的に若干不利ながら最後まで鑑賞。
正直「空白」の衝撃の後では(わかりやす過ぎるがゆえに)作品としては物足りなかった。そもそもいまどき難病だの血の繋がりだのでは大衆は泣けなくなっているのではないでしょうか。
あと時間軸がわかりづらいとか、小栗探偵がどうやってヒロシを見つけたのかとか、見つけた後も骨髄提供の話の持って行き方が乱暴すぎて、そりゃヒロシも逃げたくなるわと思いました。
娘の生死がかかっているなら、礼儀とか正式な手順踏むとか大人ならもう少しやりようがあるでしょうが。
とはいえムロツヨシさん渾身の父親が奔走する姿には、やはりうっすら涙が出そうにはなりました。しかし後ろのおばさんが盛大に鼻をすするので(しかも粘度高めの)出そうになった涙も引っ込み残念無念。
結局、自分の中で一番良かったのは娘の彼氏駿介くん。あとヒロシの妻でした。
最後に、もと患者として、ドラマや映画にこの病気を設定に持ってくるならもう少し医療考証しっかりしてほしいといつも思います。
医療ドラマじゃなくてお涙頂戴モノだから仕方ないかも知れないけど、あんなにお綺麗な病気じゃないです。髪が数本〜数十本脱けるとか、観客が引かない程度の嘔吐とか、ステレオタイプの絵面で描写すればあとは泣かせにかかるのはもうウンザリ。
私情もあって若干イラッとしながら見てたせいもあり、少々辛口になりました。すみません。
どうでもいい情報ですが、骨髄液点滴するとき、腐った岩海苔の匂いが身体からしました。大昔の話なので、今はしりません。もし、今闘病中の方がいたら、映画だけじゃなく現実でもこんなに元気になった例もあるよ、とお伝えしたい。