「色々惜しい点もあるが、それでも観る価値はある映画。」SNS 少女たちの10日間 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
色々惜しい点もあるが、それでも観る価値はある映画。
今年60本目(合計126本目)。
日本ではない遠く離れた国の実際のドキュメンタリー映画。とはいえ、日本でも実際に起きうるトラブルを描いた内容です。
作品自体がR15でして、今年(2021年)でPG12以上で「モザイクシーン」がかかる映画といえば、「プラットフォーム」(R15/グロテスクな表記)、「DAUナターシャ」(R18/モロに行為自体)がありますが、本作品もR15とはいえ、モザイクシーンが出てきます。
それは結局、SNSで知り合った少女を「ダシ」にして変な画像を送ったり動画でいきなり行為を始めたり…という人がいるからであり、もうそれはしょうがないと思います。
実際に救いの手を差し伸べてチャットを始めたのは1人だけ。この1人は映画内でも説明がある通り、「嫌疑なし、実際に(テストとして集められた)彼女らの身の心配をした」という人であり、職業も医療従事者の方。そこは本当に救いですね。
それにしても、こういう類型に対する刑(刑法)の軽重は各国によっても違いますが、まぁ軽いなぁという印象です。この映画自体がドキュメンタリー映画で、下手をすると誘拐やらなにやら(実際に、レストランに赴いて、SNS上で会いに行くように誘導するシーンがあるため)あっても仕方がなく、モザイクがかかってるといっても、実際のドキュメンタリー映画としても「実際の動画」はそうではないはずですし、あの量刑ではまぁ、性搾取はなくならないのでは…という印象です。
※ 日本では初犯かどうかなど考慮もされますが、実名は公表されますし、同レベルの刑法犯の中でも印象は正直最悪に近いので、社会復帰にはかなりのハードルが付くことも考えれば、日本のほうがある意味2~3段階厳しいでしょうか…。
本来であれば、この映画を見て「こういう被害にあわないように」という意味でG指定されればよかったのですが、いかんせん突然モザイクがかかるものを出してくるありさまなので(そしてそれが当然のように描写されるし、規制の緩いSNSってもう無茶苦茶…)、日本だけそこを作り替えることもできず、結局「大人が見て、子供に教育するしかない」状態になってしまっています。ただ、そこはもう仕方がないのでしょう(映画ごと作り替えるわけにはいかないので)。
採点にあたっては、減点対象というものは見当たらないので(上記のアダルト表現がきついというのも、映画の性質上仕方がないし、意味不明にモザイクシーンを見せられるDAUナターシャとは事情が異なる)、フルスコアとしました。