「末っ子キャラが板についている福田麻由子の新境地」グッドバイ Koheiさんの映画レビュー(感想・評価)
末っ子キャラが板についている福田麻由子の新境地
主演を務めた福田麻由子といえば、NHK連続テレビ小説「スカーレット」で初めて存在を知り、注目することとなった。主人公・川原喜美子(戸田恵梨香)の妹であり末っ子の百合子を演じており、マイペースだがしっかりしていて、愛嬌あり思いやりありの元気なキャラクターは好印象であった。映画「蒲田前奏曲」の第2章に登場したのも記憶に新しい。そういうわけで、福田麻由子の出演作品としては、3本目となる。
大雑把な印象としては、当然設定の影響ではあるものの、これまでの2つの作品と比較すると、大人しくて控えめなキャラクターであったように思う。特に「スカーレット」では、マイペースながらしっかりした末っ子キャラが板についていたが、今回はひとりっ子の設定であり、しっかりしているという感じがしない。器用さはあるが、どこか力が入っておらず、地に足がつききっていない姿を見事に演じていた。
今回、大阪・九条の「シネ・リーブル」で監督と福田が参加する舞台挨拶に立ち会うことができた。監督曰く、器用だが何事にも熱が入らない主人公が父親という存在にだけはひとかたならぬ思いを抱く様子は万人に共感されるものではないことは理解していると話していた。たしかに、なかなか理解し難いストーリではあるが、それゆえに、この作品のことはかえって忘れないだろうと思う。余談だが、この作品は2018年に自主制作映画として誕生したもので、3年越しの公開となったそうである。
コメントする