コード・アンノウン

解説

「愛、アムール」「ファニーゲーム」などの名匠ミヒャエル・ハネケが監督・脚本を手がけた異色の群像劇。パリの街を舞台に、女優アンヌと恋人で戦場カメラマンのジョルジュ、彼の弟ジャン、アフリカ移民2世の青年アマドゥ、ルーマニアからの不法移民マリアら、それぞれ問題を抱える5人が織りなすエピソードを描く。パリで暮らす女優アンヌのもとに、恋人ジョルジュの弟ジャンが突然訪ねてくる。実家の農家を継がせようとする父に反抗し、家出してきたのだという。アンヌの素っ気ない対応にいら立ちを覚えたジャンは、物乞いをしている女にパンの包み紙を投げつける。それを見た青年アマドゥはジャンに謝るよう要求するが……。アンヌを「イングリッシュ・ペイシェント」のジュリエット・ビノシュ、ジョルジュを「ヒア アフター」のティエリー・ヌービックが演じた。2000年・第53回カンヌ国際映画祭コンペティション出品。

2000年製作/113分/フランス・オーストリア・ドイツ・ルーマニア合作
原題:Code Unknown

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第53回 カンヌ国際映画祭(2000年)

出品

コンペティション部門
出品作品 ミヒャエル・ハネケ
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映画レビュー

5.0202302 555 ----- 『71フラグメンツ』 ハネケのイ...

2023年3月10日
iPhoneアプリから投稿

202302 555
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『71フラグメンツ』
ハネケのインタビューより、一部

断片からしか現実は理解できない。日常的にも人々はそれを分かっている。人は僅かしか見ず、僅かしか理解しない。何もかも分かってると言い張るのはメジャー映画だけだ。20世紀、少なくとも20世紀後半の文学において、全体を知っていると主張してものを書く作家はもはや存在しない。誠実に物語れるのは断片においてだけだ。小さな断片を示し、その総和が観客に向かっていささかの、個人の体験に基づいて考える可能性を開く。つまり観客を挑発するのだ。感情や思考の機械を回転させ、起動させるのだ。

音楽には一つの主題があり、対立する主題がある。その音楽の構造によってソナタの世界が開けていく。ドラマツルギーをもつ作品、心理的背景は、それと同じだ。観客はどう反応するか。映画を作るときは常に観客の反応を意識すべきだ。私は典型的な、誰もがよく知っている断片を描きたい。知っていることと理解することは別物だ。

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