配信開始日 2021年2月10日

「「君も私も心の闇と対峙する旅になるな」」この茫漠たる荒野で よしさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「君も私も心の闇と対峙する旅になるな」

2021年2月11日
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《家》道を知ってるから --- 危険な道のり。南北戦争後、次々と降り掛かってくる困難に銃の腕と機転、人生経験で立ち向かう。この物語、気に入った。西部劇の、そしてこの監督の、新たな傑作が誕生した。誰もが見て、考えて、感じるべき本物のドラマと普遍的な感動が沁み渡る。いついつまでも確かに心に残る。
ポール・グリーングラス監督 × トム・ハンクス主演 = 骨太『キャプテン・フィリップス』コンビ、今度もキャプテン。(毎度ながら)めちゃくちゃ格好良くて頼れる。世界一愛される名優のベテランと呼ぶに相応しい良い歳の重ね方、父性を仮託されるような佇まいがただただいい。
一見何気ないやり取りや瞬間にも、キャラクターの関係性の変化や感情の機微、情緒がしっかりとある。馬車で交わされる会話、セリフが深い。そうした、ゆったりと進むリアル志向と時折のダイナミックな撮影やVFXなど現代的な映像表現を最大限用いての見せ場での、落差というかあからさまな温度差は、一作品の中で少し戸惑うほどギャップを感じるけど、それも一種エンタメ娯楽性を持たせる工夫というか、効果的だと思った。
日々の問題を忘れて、しばし本作に没入する。町を回ってはニュースを読み聞かせる主人公キッド役。字は読める、ということを活かしたこの生業。時代だな。読まれるニュースにもちゃんと意味がある、すべてつながっている。
主演二人の名演。いや、本当にこれは主演男優賞ばかりか主演(助演?)女優賞もあるぞ。カイオワ語を話すジョハンナじゃなくてシカダ、素晴らしい若手。大尉はすごいことをした♪物語する?物語!物語!翻弄された時代を恨み、最愛の人を悼み、また帰ってくる。そして、ほっこりニヤリ。以上、世界のニュースをお伝えしました。

I like your stories.「鉄道はあっちだ、君の人生を歩め」苦しみや殺戮から遠くへ、過去に戻るのは良くない。リアン〈まっすぐ前へ進むために、まず思い出すこと〉This is your home now. すべてを忘れ去ってほしい She likes stories. 殺戮と流血の4年、子供を持ちたかった、それなのに「我々は戦う義務があった。我々は戦い、彼女は死んだ」〈君は私といるべきだ〉死んで葬られた男が墓地から蘇った、死がふたりを分かつまで、嘘っぱちだ!

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